「にゃー…。」
子猫になって龍に飼われてから一週間。謎にゆうりという名前をつけられ、龍の家で生活している。
日課になった龍を起こすという仕事をしに行く。
「にゃー!にゃーん!」
龍が起きる気配はない。私は痺れを切らして猫パンチをかます。
「んあっ!?あ…ゆうり。おはよう。」
やっと起きた…と思いながら私もおはよう(にゃー)と、返す。
ー数十分後ー
「じゃあ行ってくるな、ゆうり。」
私は玄関に行って龍のお見送りをする。
『今日…龍が、、に、う…。』
(え?なんか急に頭に直接声が響いて…。)
『今日…龍が事故に遭う…。』
(え!?どういうこと!?)
私はその声を信じたくなかった。けれど、信じることにした。ほんとうに龍が、事故にあってしまう気がした。
私は龍が出て行って閉まる寸前のドアに飛び込む。
「わっ!?ゆうり、出てきちゃダメじゃないか。家でお留守番しててくれ。な?」
(ダメだよ、そうしたら龍が事故にあっちゃう…。)
私は龍に抱っこされて家に戻される。
「じゃあ、行ってきます。」
(やだ!行かないで!)
と思いながら、また家を飛び出す。
「ゆうり!家で待ってろって言ったろ!?」
私は必死ににゃー!にゃー!!と訴える。
「どうかしたのか?いつもこんなことないしな…。じゃあ学校まで着いてきていいから、絶対に家に戻るんだぞ?」
私は良かった…と思いながらにゃん!と返事をする。
龍と一緒に何度も通った通学路を通る。
曲がり角に差し掛かる途中、私は車が見えた。
私は咄嗟の判断で、龍の前に飛び出し、龍を止める。
「え!?ゆうり、どうし…あ…。」
と、目の前に車が通る。
「もしかして、車から守ってくれたのか…?今日飛び出してきたのは、嫌な予感がしたからか…?」
私はにゃん!!と、返事をする。
(良かった…。事故に遭わずにすんだ…。)
でも少し心配だったので、学校まで着いて行った。
「じゃあ、ちゃんと家に戻るんだぞ。ゆうり。」
「にゃーん。」
(でも、なんで龍が事故に遭うなんて声が聞こえたんだろう…?聞いたこともない声だったけれど…。)
また何か、予言のような声が聞こえる。私はそんな気がしたー。
ー第6話に続くー
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