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ある図書室、夕陽が差し込んで、本の背表紙を赤く染めていた。ひまなつは窓際の席に腰掛け、誰もいないことを確認してから、こっそりと溜息をついた。
「……来ないなら、帰ろうかな」
口ではそう言いながらも、教科書を開く指は緊張に震えていた。いるまが、来るかもしれない。いや、来てほしい。けど、来たら来たで面倒くさい。あの男、絶対からかってくるから。
そんな複雑な思いを抱えていると、バサッと扉が開いた。
「お、いたいた。サボリ魔発見」
低く、意地悪く響く声。ひまなつは条件反射で立ち上がり、顔を背けた。
「……別に、サボってないし」
「へえ? この時間に、誰もいない図書室で勉強してるって? 健気だねぇ、お前が」
にやにやと笑いながら近づいてくるいるま。その眼差しは、獲物を見つけた捕食者のように鋭い。
「うるさい。近寄んな」
「でも、顔は真っ赤やん。どしたん、そんなに期待して待ってたんか?」
「ば、バカじゃねぇの!? だ、誰がっ……!」
「ほら、声震えてる」
すぐ目の前にいるまの顔。唇がふわりと近づいたと思った瞬間、首筋に甘く浅い噛み痕が残った。
「っ……!」
「ツンツンしてても、身体は正直だよな、なつ」
「……っ、変態ドSヤロー……!」
「その罵倒、たまんねぇ」
くすぐるような声に、ひまなつの心臓は容赦なく跳ねた。まるで操られているみたいに、拒絶の言葉すら口から出てこない。ただ、熱くなる体温と、ふたりの距離だけが現実だった。
「逃げたいなら逃げてもいいぜ? まぁ、また捕まえるけど」
「……逃げねぇよ、バカ」
そうぼそりと呟いたひまなつの言葉に、いるまはにんまりと笑った。
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