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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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千歳か買い物から帰ってきて、片手に何かを掲げた。
『ただいま! 星野さんがハロウィンのお菓子くれた!』
その手には、カボチャがプリントされた袋が握られている。
「あー、そんなだっけ今日」
『お前もなんかくれ、お菓子くれなきゃイタズラするぞ』
「ごめん、持ち合わせがない……」
お菓子ひとつでそんなに喜ぶなら、なんか用意しとけばよかったな。
「何も用意できてないから、イタズラしていいよ」
『何しよっかな』
千歳は悩み、とりあえず俺の両頬を両手でつまんで引っ張った。
『うーん、皮だな。どーしても肉がつかないなあ……』
「がんひゃってたへてうつおりなんでふけど」
頑張って食べてるつもりなんですけど。
千歳はため息をついた。
『わかってるけど、絶対量が少ないんだよな……』
千歳は俺の頬から手を離し、小首を傾げた。
『そういや、ハロウィンでお菓子もらえるのって子供だけだっけ。じゃあもらえなくても……あれ、星野さんはくれたぞ!? えっワシそんなに子供か!?』
話してる途中から愕然としだす千歳。うーん、今の姿がまだ子供なんだよな。
「そもそも普段14、5歳の姿だからねえ……星野さん的には子供か孫みたいなもんだよ」
そう言うと、千歳はすがるように俺を見た。
『いつも大人の姿でいたら大人か?』
「うーん、大人の姿になりたいときでいいんじゃない? 自分の中で大人の姿がしっくりきたら、それが大人になったときだよ」
『そっかあ』
「そんなに急がなくていいって、大人になるの急いでいいことないから」
『ふーん』
千歳は、とりあえず納得したようだ。
俺は、もうちょっと子供らしい子供時代を過ごしたかった人間だ。小さい頃から、母親がヒステリー起こした時のなだめ役だった。常に両親と祖父母の険悪さを薄めようとしていた。子どもらしく遊べたのは、おっくんといたときくらい。おっくんに絶交されて以降は、母親から離れて自分の部屋にこもる言い訳のため、ひたすら勉強だったし……。
急がなくていい。千歳のペースでやってほしい。
コメント
1件
第850話、ひといちばいに優しい空気が流れてて好きです。千歳くんがお菓子をもらってきたところから、イタズラで頬をつまんで「皮だな」って言う流れ、ほんとに可愛い。でも、最後の「急がなくていい。千歳のペースでやってほしい」っていう主人公さんの言葉が胸に刺さりました。自分が急がされた子ども時代を生きてきたからこその、あの優しさ……。あおいとしても、じんわり来ました。