コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
紅魔館での異変解決から数日後、霊夢と魔理沙は幻想郷の小さな森で再び顔を合わせる。だが、心のわだかまりは残ったままだった。
「ねぇ、ちょっと、また勝手に行ったの?」
「勝手じゃねえよ!霊夢だって言わないくせに」
昨日の夜、魔理沙が一人で夜空に漂う妖精群を追って行ったことを、霊夢は怒っていた。
しかし魔理沙は、霊夢を巻き込みたくなかっただけだと主張する。
「あんた、私を巻き込みたくないとか言うけど、私が何もしないとでも思ったの?」
「思ってねえよ!ただ、お前を守りたいだけだ!」
二人の声はだんだんと熱を帯び、森の鳥たちが一斉に飛び立つ。
気づけば、手を伸ばせば届く距離なのに、二人の心はまるで反対方向を向いていた。
「…私、あんたの無茶はもう見たくないの。」
「…お前の、霊夢の傍にいたいだけだ!」
言葉がぶつかり、涙が霊夢の頬を伝う。
魔理沙も目を赤くしていた。
しばらくの沈黙。
互いに息を整え、少しだけ視線を落とす。
「……ごめん、魔理沙」
「こちらこそ…ごめん。」
小さな声で謝り、初めてお互いの気持ちを正直に認める瞬間が訪れる。
まだ完全には解けないわだかまりもあるが、これまで以上に互いの大切さを実感する。