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雲居はそんな二人をオロオロと泣きそうな顔で交互に見たあと 「あの!!お爺さん、僕お願いがあるんです!!どうか僕の翼直してくれませんか!?」
二人の声に負けないほど大きな声を出して翼の部品を出し、喧嘩を止めた。二人は同時に雲居の方を向き、気まづそうに頭や頬を搔く。溜息をついた爺さんは持っていた眼鏡をかけて翼の部品を見る。
「なるほどな。翼が壊れたから帰れんのか。オイ小僧、なぜそれをさっさと言わんかった。」
舌打ちをしてトリトンを睨みつつ、優しく雲居から部品を受け取る。トリトンは頭を抱えた。
「いや、ジジィが人の話を最後まで聞かなかったからだろ…」
「おーよしよし、坊主はいい子じゃな。ちゃんと人を頼りよるいい子じゃ。ほれ、名はなんと言うんじゃ?」
「話を最後まで聞きやがれジジィ!!」
トリトンの話に聞く耳を持たず、雲居の頭に手を乗せ、優しく撫でる。その様子を見てトリトンはさらに頭を抱えた。
「えっと…僕は雲居です。お爺ちゃんの名前はなんて言いますか?」
雲居は言葉を選びながらトリトンの時の自己紹介より、丁寧に自己紹介をした。トリトンは困惑した。
「そうかそうか、雲居と言うのか。ワシはソムニスじゃ。ソムじぃと呼んどくれ。」
「分かった!!ソムじぃ、僕は翼直して欲しくてここに来たの。だから……」
モジモジと指先を弄って下を向く。トリトンが荷物を落として忘れてきた事を怒鳴っていたのだ。報酬無く仕事を頼めるはずがないと思い、頼むかどうか雲居は思考を巡らせる。
「ふむ…仕事の依頼か。天空国家で使われとる翼なんぞよく知らんが直せんこともない。だが……」
やはり、報酬無く仕事は頼めぬ物だ。どんな事を逆に頼まれるのか。少し想像するだけで震え上がってしまうので、トリトンと雲居は考えるのをやめた。
「そうじゃな、ワシの古い友人を探して欲しいんじゃ。頼めるかの?小僧と坊主。」
恐ろしい想像に反して、爺さんの口から出てきた言葉は予想外のものだった。トリトンは困惑気味に爺さんを見つめた。雲居は笑みを浮かべてトリトンの腕から飛び降りて爺さんに近寄る。
「人探しってこと?」
「近いが……あやつは人じゃないからのぉ…鎮護という名の鯨でな。鯨ってのは知っとるかね?」
爺さんは髭を撫でながら優しく雲居を見る。鯨…とても大きな海に住む哺乳類だと教えられた。そして、水中都市に住む人達も鯨と同じだと言うことも。雲居は大きく首を縦に振る。
「僕知ってるよ!!海に住むおーーきな生き物でしょ?それに水中都市の人も似たようなものだって教えてもらったことあるもん!!」
「ワシらが鎮護と似たようなものな訳ないじゃろうて。スケールが違うわい。天空国家は不思議な事を教えとるんじゃな。」
「いやいや待て待て。鯨だぞ!?鯨と友人なんて普通に考えておかしくないか!?それとなんで俺らは天空国家で鯨と似た者扱いされてんだよ!!」
雲居と爺さんの会話にトリトンは割り込んで困惑を口にした。爺さんは眉をひそめて雲居と会話する時とは一転して冷たくなる。
「なんじゃ小僧。鯨は鯨でもワシの友人の鯨は鯨だが鯨ではないわい!!」
「意味が不明だわ!!鯨鯨聞きすぎて鯨は鯨って言うのか分からんくなる!!」
「簡単に言ったつもりじゃが、理解出来んとはのう。馬鹿じゃな。」
「馬鹿じゃねぇよ!!」
またもや二人は言い合いになり、雲居はそんな二人を羨ましげに見つめるのだった。
コメント
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うわあ……雲居くん、勇気出してちゃんとお願いできたんだね🥺✨ ソムじぃとトリトンのケンカも相変わらずだけど、雲居くんが割って入った瞬間の空気、すごく好きだな。あの「鯨は鯨でも鯨じゃない」ってやり取り、思わず笑っちゃった🤭 鯨探しの依頼、どんな冒険になるんだろう…続きが気になるよ〜!