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side未雨
今私はキアノース国の中心にある城の最上階にある会議室にいる。 周りには幹部達が勢揃いで 全員の視線が私に集まっている。 恐怖に震えそうになる自分を隠し、平然な振りを装う。
人外とは普通違う種族と関わることを避ける。 それはひとえに一人一人が強く、群れる必要がないからだ。 弱い生き物ほどよく群れをなす。 しかし、ここは強い人外達が集まっている異色な国。 幹部達は全員とてつもなく強い。
人外にも強い種族というものがある。 代表的なのは、 天使、悪魔、エルフなどと言った天界の者。 他にも人狼や妖狐、鬼などが強い種族だ。
逆に弱い種族もある。 ゴーストや人間に近い人外は大抵の場合弱い人外とされている。 ただし、人外の強さは種族だけで断定はできない。
個有能力というものがあり、主に人外がそれぞれ持っているものである。 一人一人が違う能力を持っており、 血がつながっていなければ同じ能力になることはほとんどない。
私や未緒も個有能力はある。 私は未来視。 未緒は浮遊だ。
未来視なんて言っても自分が見ようとして未来は見れないし、見れても数秒後だ。 個有能力は種族によって強さが変わるわけではなく、 弱い種族でも強い能力を持っている人もいるし、強い種族だけど弱い能力だという人もいる。
この国の総統、狼冥瓢は人狼。 外交官長ののんは鬼人。 外交官長補佐の二宮御風と 情報班最高責任者の二宮御叶は 姉弟でエルフ。 などで全体的に強い種族が多い。
個有能力は普通仲間同士で共有する程度で他には漏れないようにする。 その個有能力が大きな武器になることもあるからだ。 国単位の大きさになってもそれは変わらない。
だから私もキアノース国の幹部の個有能力はほとんど知らない。 だが、その情報の少しはやはり自然と広まっていくものである。 使う頻度が高ければ高いほど、強力であればあるほど知られる危険性が高くなる。
キアノース国の幹部でだと有名なのは、 銀龍誠の” 挑発 “と 綾世優海の” 感覚共有 “である。
一見弱そうにも見える能力でも、使い方によっては恐ろしい能力へと変わる。 きっとここにいる全員が何かしらの分野で飛び抜けた才能を持っている人たちなのだろう。
私がここに呼ばれたってことは 私達姉妹に関係のある事について話すのか、、、
張り詰めた空気の中、 私の正面に座っている狼冥瓢が口を開いた。
「・・・この国の幹部になる気はない?」
side狼冥瓢
「・・・この国幹部になる気はない?」
自分から発せられた声が静かな室内に響く。 未雨さんはおろか、のん以外のみんなも頭にハテナを浮かべた。 まぁ突拍子のない質問だから予想はしてたけど。、、、これはのんからの提案だ。 意図はわからない。
「ちょっといい?幻聴が聞こえた。もう一回言って」
叶が頭に手を当てて聞き返す。
「未雨さんこの国幹部になる気はない?」
もう一度はっきりと言う。
「・・・これは大きく出たねぇw」
たなかに至っては苦笑いである。
「・・・先輩。俺は反対。誰だかわからんやつをいきなり幹部にするのはよくないと思うけど」
誠がのんに視線を向けた。 みんなも、のんの方を見る。 しかし、何故かのんは俺の方を見る。 元々察しが悪いので視線の意味をよくわかってないのだろう。
「なんで幹部にしたいの?」
みんなを代表し質問する。 やっと視線の意図に気づいたようだ。
「あーね。・・・なんとなく?」
何故か疑問形だがまぁ、、、 これでみんなほとんど納得したらしい。
「せんぱいがいいならおれもいいよー」
華飛が明るく答える。華飛はのんに対して全肯定だから納得だけど、 反対していた誠もあれ以上はなにも言わない。
こんなに説明不足なのに今まで積み上げてきた信頼で納得させる。とんだ荒技だ。 、、、決定かな。
「・・・いや、あの、私の意見は?」
「ロゥがOKだしたんだから、あんたの意見なんて必要ない」
とんでもない言い分だ。
俺だってのんがなんでこんなことを言い出したのかはよくわからない。 確かに、非合理的ではある。 だが、何かの思惑があるのだろう。
「じゃあこれで決定だね」
みんな無言なので異論はないようだ。
「よし。解散!」
《個有能力》
挑発・・・精神干渉系。挑発された相手は強制的に挑発した本人へ攻撃する。また、挑発されると怒りの感情が増幅される。その怒りが強いほど挑発した本人にフィジカル的バフがかかる。 (つまり、ヘイトを自分に向けられる)
感覚共有・・・指定した相手に五感の共有が可能。さらに正確なイメージができているならば、共有した相手の五感へイメージしたものを干渉させられる。 (イメージしずらいですが数話後で使っているところの描写が入るのでご了承ください)