コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
登場人物一覧
大石慶敬(19)…4代目主人公 国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛総合候補生
豊島敦也(19)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛総合候補生
新津雄也(19)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛総合候補生
甲賀彪馬(20)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属 空衛総合候補生
永井大介(41)…国家保安庁特殊空衛教育隊所属教官
森中唯人(53)…国家保安庁特殊空衛教育隊長
……………………………………………………………
「そうか。装備に不備は無かったんだな?」
河内からの問いかけに村西は返事した。
「無かった、そう把握しております。」
「なんだ?その返答は。あったのか?無かったのか?どっちだ?」
緊急記者会見を控えている河内からの言葉にはいつもより強く感じた。
「風が強くて、機内が揺れて、気づいたら……」
「もういい。下がれ。」
「失礼します」
団長室を出ると村西はそのまま医務室に向かった。
医務室では、救助された要救助者達がベットにいた。
村西が歩いていると1人の青年が声をかけてきた。
「村西班長ですか?」
「君は?」
「空衛教育隊候補生の大石です」
「あー君が、それでどうした?」
「降下ロープが切れて要救助者と隊員1名が死んだってって……聞きました。………本当ですか?」
「これから、団長の河内さんが記者会見を開く。それがどうかしたか?」
「豊島って野郎見ませんでしたか?まだそいつの事見てなくて、俺と同じ空衛教育隊の候補生です」
「豊島か?」
「はい。まさか死んだ要救助者って……」
「ちょっと待ってろ。」
そう言うと村西は医務室を後にしスマホを片耳に近づけた。
「俺だ。豊島っていう要救助者見なかったか?空衛教育隊の候補生らしい」
「豊島さんですか?今自分、記者会見の準備に追われてて、第2、第3医務室とかにいるんじゃないんですか?」
「わかった。」
電話を切ると村西は急いで第2医務室に向かった。
第2医務室に着くなりゆっくりと中に入っていった。
「お疲れ様です」
その場にいた空衛隊員が敬礼した。
「豊島って野郎はいるか?教育隊の候補生らしい」
「あ、彼なら居ますよ。」
そう言うとその隊員は豊島が眠るベットに誘導した。
「こちらです」
「無事だったか」
「何かあったんですか?」
「降下失敗で死んだ要救助者って誰かわかっか?何故か俺らには一切情報がおりてこない。」
「矢田長官が関わってると?」
「その可能性もある。」
そう言うと村西は無造作に生えた髭を手で擦りながら大石がいる第1医務室に向かった。
「そうですか。良かった」
豊島の無事を聞き大石は安堵の息を漏らした。
「それで、死んだ要救助者ってのはどんな人だったのですか?」
「お前が知る必要は無いだろ。さっさと教育隊に復帰しろ。いつまでもここにいてもらっては困る。」
「困り……ますか?」
「医務室は負傷した隊員のためにいつでも空室にしとかなければならない。だがこれを見てみろ。第1、第2医務室は満員だ。空いてるのは第3医務室だけだ。」
「なるほど」
「とにかくさっさと教育隊に戻れ」
そう言うと村西は第1医務室を後にした。
その頃
記者会見に向けて準備が行われていた会場に矢田がやってきた。
「俺も出るんだよな?」
横にいた秘書官に聞いた。
「はい。その予定です」
「他に会見に出る奴は?」
「空衛団長の河内です。」
「カンペは用意出来てるのか?」
「はい。そのようです。」
「そうか。発砲事件の発生を受けて出動したんだよな?」
「はい」
「ならそれを上手く利用しょーじゃねーか」
「はい?」
「発砲を受けて要救助者は上空にて死亡。死んだ要救助者の体重にロープが持っていかれ隊員は下に落ちた。これで行こう。発砲した奴は亜細亜連合と発表だ」
「そ、そんな勝手にしていいんですか?」
「何がだ?ロープが絡まって下に落ちた。これじゃ、国保の準備不足と捉えられる。ちょうど今逃走中なんだろ?発砲した男たち。ならそいつらのせいにする事でもしかすると姿を現すかもしれん。」
そう言うと矢田はニヤリと笑った。