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#あべさく
めかぶぷりん
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ラウールからの緊急通信で電脳空間から戻って来た阿部は、ビルの外壁に埋め込まれているカメラの映像を、巨大なスクリーンの前に映し出す。
そこに映っているのは、攻防を繰り返している岩本と東海林。目黒のオーバーロードを止めた阿部にも見覚えがある。
あの時は、目黒が気持ちを落ち着けられればオーバーロードを解除できると事前に目黒から聞いていたので、普段通りの穏やかな声で接した。それだけでまさか解除までできるとは思ってもみなかったのだが。
今、ここで阿部が出て行って標的になるのは避けるべきだと、阿部も思っている。目黒がどうしてオーバーロードしたのか、その理由も聞いたから。
💚「けど、ホントに厄介だ、あの異能……」
ここは街の中で、辺り一帯が無機物だらけだ。完全に東海林に有利なフィールドになってしまっている。前回は近くに森があって誘導できたが、今回、使えそうな場所は川しかない。けれど、同じ手は使えないだろう。悟られないように森に向かわせられた前回の経験がある以上、目的地への誘導は確実に警戒される。
だから、この場で食い止めるしかない。
その方法を考えなければならない。使えるのは岩本の異能と、阿部がここから干渉できるようなものだけ。電脳総命を使おうかとも思ったが、それは得策ではない。岩本と阿部しかいないのに、全く別の異能を使えば知られるかもしれないのだから。
その時だった。建物自体が横に大きく揺れ、考え事をしていて油断していた阿部は椅子からずり落ちてしまった。
💚「いたた……地震……? 違う、まさか!」
ハッとして画面を見ると、事務所のあるビルの方へ道路に大きく亀裂が走っている。
『おら、出て来い! 出てこねーとそのビル、グチャグチャに潰れるぜえ!』
これでは、隠れ続けるのは得策ではない。そもそも、東海林の異能は《破砕》。触れた無機物を粉々に砕くことができるもの。立て籠もりは意味を成さない。
耳の通信機に触れる。
💚「照、ダメだ。このままじゃどのみち、やられる。ビルが崩されるのは時間の問題だ」
💛『……くそっ。佐久間は』
💚「佐久間、さっき高所の救助活動に入ってた。高層ビルがいくつかやられてて、中には人が大勢いる。高所で活動できるのがふーちゃんと佐久間しかいないから、戻せない」
💛『……俺が食い止めてどうにかなるもんじゃねえな』
💚「うん。道路を壊されたら、距離なんか関係ない」
ふうっと、イヤホンの向こうから息が漏れ聞こえた。
💛『阿部、出たらすぐ走れ。誰でもいい。他のやつのとこに行け。こいつは俺が止める』
💚「……わかった」
俺も一緒に戦うと、そう言いたい気持ちはあった。電磁シールドや電磁気流を使えば、阿部とて戦える。けれど、足手まといになる可能性も捨てきれない。
何より、目黒のことを考えると、阿部が捕まるわけにはいかないのだ。岩本の動きを鈍らせるようなこともしてはいけない。
コントロールルームから出ると、阿部はそのまま事務所を出、階段を駆け下りた。
道路に出て見れば、ここら一帯の景色もガラリと変わっている。それはまるで、大規模災害の後のような光景だった。人的被害が出ていなさそうなのが救いか。
東海林を見据えると、目が合い、東海林の口元の笑みが濃く刻まれる。
「オマエ……あの時のヤツ!」
狂気が狂喜へと変わる。やはり、憶えられていた。目黒のオーバーロードが解除されるきっかけになったことも、憶えられているかもしれない。
今、他のメンバーがいるのは事務所の出入り口が面した道路側ではなく、東海林の横を抜けて行った先にある。
それを岩本も分かっているから、その時を待つ。
「アイツへのエサにピッタリじゃねえか!」
こちらへ向かって来る東海林。手を前に出して電磁シールドを展開すると、ぶつかって弾かれた東海林が反対側の歩道に飛ばされる。そこへ、東海林と阿部を分かつように炎の壁が出来上がった。
今だ。
駆け出した阿部は岩本を見る。顎で、行けと示され、頷くとスピードを上げた。東海林の声が聞こえたけれど振り返らず、立ち止まらずに真っ直ぐ走り続ける。
足を止めずに、阿部はグループ通話に切り替えてイヤホンに触れる。
💚「照が異能力者と交戦中。相手は、前にめめがオーバーロードした時にいた、破砕の異能を持った東海林」
🖤『あいつが?』
💚「めめへの逆恨みっぽかった。めめの前で、SnowManの誰かを傷つけたがってたから。俺は今、みんなの方に向かってる。照だけじゃ多分、抑えきれない。舘様か翔太の異能で封じてないといけないんだけど、二人、状況は?」
💙『避難誘導は、警察とか消防が来てっから大丈夫そうだ。ラウールもいるしな』
❤️『ごめん、俺の方はまだ。倒壊はしないけど、ガス管が通ってるらしくて、俺が離れたら被害が大きくなる』
渡辺は動けそうだが、宮舘は離れられない。氷は無機物だけれど、対抗できないわけではないから居てほしかったのだけれど。
もう一度、組み直す必要があるかもしれないと考えたところで、後方で何かが崩れた音がした。
ハッとして振り返ると、ビル前の広場に置かれていたモニュメントが崩れ、砕け散った粉塵が舞っている。
その奥に見えたのは、東海林の姿。悠々と立っている東海林が一人だけで岩本の姿はなく、阿部はグループ通話のままイヤホンに手を当てた。
💚「照! 何があったの!?」
💛『悪い……電柱の下敷きになって、動けない……』
💚「えっ。無事、なの……?」
💛『建物に刺さって止まってるから、潰れちゃいない。けど、脱出もできない』
大怪我にはなっていなさそうだと、安堵する。だが、数メートル先にいる東海林の姿に、安心しきれないのは事実だ。
そうしていると、何かが東海林から投げられたのが分かった。
回転しながら向かって来る椅子に、阿部が瞬きすると目の色が碧色に変わった。手を前に出すと電気が走って、金属製の椅子が弾かれると、視界の端に落ちていった。
そうして一瞬、椅子に意識が向き、気付いた時には東海林の姿が間近にある。
後方に跳ぶ。けれど距離が、更に近づいた。
「もらった!」
瞬間、視界いっぱいに広がったのは無数の赤い花びら。それらは東海林の体の周囲に舞い、阿部と東海林を分かつ。
💙「待たせたな、阿部ちゃん」
💚「翔太……」
💙「ちょっと走ればラウールがいる。行って」
「っ、ジャマすんじゃねえ!」
花びらを振り払うように腕を振り回す東海林は、無理やり花びらを突破しようとしている。
その東海林の足が、氷で覆われた。
「ハッ。こんなもん、足止めにもなんねえんだよ!」
氷に触れると粉々に砕け散った。それを見て、宮舘が微笑を浮かべる。視線の先の東海林の姿は、砕氷となり空気中に浮いたそれらが、まるで霧のように視界を遮った。
❤️「阿部、今の内に」
💚「舘様も、ありがとう!」
お礼を言い、阿部は二人に背を向けて走り出した。
遠くなっていく阿部を横目で見て、渡辺も宮舘も満足そうに笑みを浮かべると、苛立っている様子の東海林へと向き直る。
💙「あいつ、前にめめがオーバーロードした時のって言ってたな」
❤️「破砕……触れた無機物を砕ける力。だから、建物とか道路が壊されてる」
💙「……無機物って?」
❤️「大まかに言うと、生きてるかそうじゃないかってことらしい」
💙「ああ、だから俺の花かめめの蔓」
❤️「そういうこと。俺の氷も砕いてくれたら、やりようがある」
💙「とにかく、足止めすりゃいいんだろ。あの時みたいだな」
❤️「ああ、事務所爆破の。あの時と違うのは、翔太が冷静ってことだね」
💙「うっせ」
軽口を言い合いながらも、視線は東海林に向いたまま。その東海林の方から、石の塊が投げられたことで、二人は体を逸らして避けた。
向こうは大人しくしていてくれるような輩ではない。
💙「涼太、すでに異能使いまくってんだから、無理すんなよ」
❤️「今回は翔太に任せるよ。俺はフォローに回る」
見据える先に東海林の姿が映り、渡辺は口をきゅっと結んだ。
走って行くと、避難誘導をしているラウールの姿が見えてきて、阿部は迷うことなくラウールの方に向かった。
🤍「阿部ちゃん! 大丈夫だった?」
阿部に気が付いたラウールがこちらへ来る。
💚「うん、平気。翔太と舘様が、今、足止めしててくれてる」
🤍「僕はどうしたらいい?」
真っ先に訊ねられ、呆けたようにラウールを見上げると、ラウールがニコッと笑う。
🤍「阿部ちゃん、何か考えてることあるんでしょ? 僕は、それに従うよ」
💚「東海林に対抗できるのは、やっぱりめめしかいない。でも、今のまま東海林のところにめめを向かわせたら、またオーバーロードしかねないから、その前にいろいろ整えようと思ってる」
🤍「それがいいと思う。僕もあの時の話、聞いたから。あの東海林ってやつ、めめの地雷を踏み抜くの得意そうだもんね」
💚「そういうことに知恵が働くタイプなんだよ。だから、仕込みは必要だよね」
🤍「それ、阿部ちゃんにしかできないと思う」
💚「あ、何しようとしてるか分かった?」
🤍「想像はつくよ。僕らは、阿部ちゃんにお任せだから。よろしくお願いします!」
💚「任されました」
そこまで話してから、阿部が通信機に触れる。
💚「佐久間、避難状況は?」
🩷『救助用のヘリも来てるし、崩れないって分かったからもう大丈夫って!』
💚「康二は?」
🧡『道路の穴は塞いどる。こっちももう、倒れそうなもんないで』
💚「じゃあ、佐久間と康二とラウは、照のとこに向かって。康二は照の救出、ラウは照の状態を確認して。佐久間は救急車の手配して、それが終わったら戻って来てほしい。オーバーロードしそうなら教えて」
🩷『まだ大丈夫! あの頃より体力ついてっからな!』
💚「ふっかは?」
💜『ふーちゃんが高所の避難してる。あとビル一つ分かな。俺の方は、ここらの穴埋めしてる』
💚「まだ余裕ありそう?」
💜『平気だね』
💚「めめは?」
🖤『五階から人を下ろせば、避難は終わり。こっちも基本は、倒れないように蔓で支えてる』
💚「ふっかとめめの位置、近かったよね。ふっか、めめのとこのフォローに回れる?」
💜『いける。こっから、めめ見えるし』
🩷「ラウール、行くぞ!」
粒子転移で向井と共に来た佐久間は、ラウールの手を掴んで一緒に転移して消えていった。
皆が、それぞれ動き始めたことで、阿部はそこから目黒の方に向かう。
着いた頃には、目黒は道路をこちらへと走って来ていたので、深澤に代わってもらったらしい事を知った。
🖤「阿部ちゃん……ホントに、大丈夫?」
真っ先に出てきた言葉に、阿部は笑ってしまった。
🖤「え、笑うとこ?」
💚「ごめん。めめが責任感じるものじゃないでしょ。完全な逆恨み。それに、東海林の狙いは俺じゃない。めめを壊す為に、他の誰かを使おうとしてる。そうならないように、みんな頑張ってるんだよ。照も、翔太も舘様も。俺もね。そんな顔してたら、みんな心配しちゃうよ」
🖤「……そんなひどい顔、してる?」
💚「してる。ちょっと泣きそう。照も大丈夫って言ってたし、康二とラウも行った。救急車も来る。だから、めめは他のこと気にしないで、東海林を止めることだけ考えてほしい。俺たちはみんな、大丈夫だよ」
真っすぐに目黒を見つめる。
目黒にそんな顔をさせる為に来たのではない。みんな、自分にできることをやっているだけ。最善を尽くしているだけ。
だから、目黒もそうであってほしい。
目黒の顔が、引き締まる。これは大丈夫そうだ。
💚「あ。今日、確か流星群が見れるんだよ。全部終わったらさ、一緒に見よう。見えやすいスポットも知ってるから、みんなで行くのもいいよね」
🖤「いいね」
顔が綻び、いい笑顔になる。
💚「めめ、いってらっしゃい」
🖤「……っしゃ!」
気合いを入れて、目黒は東海林の方に走って行った。
その後ろ姿は頼もしく見えて、阿部はすぐに踵を返し、深澤の方に向かう。
💚「ふっか!」
💜「おお、阿部ちゃん。どう? うまくいきそう?」
💚「あれ、俺が何したか分かってんの?」
💜「俺がめめのフォローに入ったんなら、めめを行かせるってことじゃん? 阿部ちゃんが、何もしないで送り出すと思ってないよ」
💚「だよね。めめはもう、大丈夫。ふっか、ふーちゃんに手伝ってもらいたいことあるんだけど、いいかな?」
💜「もちろん。ふーちゃん!」
上空にいる大烏ふーちゃんを呼ぶと、すぐ傍に降り立った。
💚「ふーちゃん、これから、俺がビルに近寄ったら、俺の体を隠すようにしてほしいんだ。お願いできる?」
阿部を見て頷くふーちゃんに、阿部は深澤の鋼で破砕箇所が埋められている高層ビルへと向かった。
足場が崩され、瓦礫や破片が飛んでくる。それをジャンプしてかわし、避けることしかできないでいるのが現状で、渡辺は舌打ちをした。
花びらを結晶化すると、先ほど言っていた破砕の条件に入ってしまう。結晶は石などと同じで命がないから、無機物になるということは理解していた。けれど、結晶ではないただの花びらは攻撃手段にはならない。
だったら、と花を生成して痺れる成分を抽出して散布してみたが、近くにあった看板を振り回して風を起こす事で突破されてしまった。
他人の地雷を踏み抜くことと、自分への危機察知能力は極めて高いのだろう。
💙「厄介だな、ホントに!」
異能もそうだけれど、東海林の性質が本当に厄介だ。それに、今も渡辺と宮舘を無力化しようとしてくるのは、先ほど阿部が言っていた、目黒の目の前でメンバーを傷つけたいという目的の為だろう。
ここを通さない、ではダメなのだ。どちらかが東海林の手に落ちた時点でアウト。事務所爆破の時の犯人との攻防よりも質が悪い。
そうしていると、視界の端で宮舘が膝をついたのが分かった。
💙「涼太! 無理しすぎだ!」
❤️「……ごめん」
ニヤリと、東海林が笑ったのが分かった。宮舘が危ないと渡辺が駆け出す。
けれど、東海林は動かなかった。何で、と東海林の視線の先を見ると、そこに立っているのは目黒。
「……来やがったか、植物ヤロー」
🖤「しょっぴー、舘さん連れて離れてて。花びらの結界で二人とも守ってほしい」
💙「めめ、平気なのか?」
🖤「大丈夫。もう、振り回されないよ。俺のオーバーロードは、疲労よりも感情の方が強く作用する。でも、今回は絶対にならないって自信ある」
💙「……わかった」
頷き、宮舘の方に向かう渡辺。邪魔するように道路にヒビが入るものの、目黒の細い蔓が束になって一本の太い蔓を形成すると、道路のひび割れを止めている。
後方で、十分に距離を取ったのを確認すると、二人を守る花びらの結界の更に外側に、道路を分断するように蔓が張り巡らされる。目黒の蔓に囲まれているゆり組の二人に、東海林の破砕が届くことはない。
途端に、東海林の顔が怒りと悔しさに塗れ、歪む。
「何してくれてんだよ……せっかく、サイコウのもん、用意してやろうと思ってたのによ!」
🖤「いらないよ、そんな最低のもん」
今回も、東海林に対して怒りはある。正直、腹が立っている。それでも、感情のままに動かないでいられるのは、阿部の言葉があったから。もう、前の時とは違う。あんな言葉で揺らぐような関係ではない。メンバーとの絆も信頼も、そんなちっぽけな動機で奪えるはずがない。
それだけのものを、積み上げているから。
「相変わらずうぜえヤローだな。その涼しい顔、粉砕してやるよ!」
無暗に、自分の拳とその辺にある物を使って攻撃を繰り返している東海林。それをかわしながら、目黒は先ほどの東海林の言葉から引っ張り出された記憶を辿る。
高校生の時の、阿部と屋上で、クラスメイトの男子生徒に拘束された時。
その時に、名前を忘れたその男子生徒は阿部に向かって「その涼しい顔、いつまでできるだろうな」と言っていた。今、東海林は目黒に同じ言葉を使っている。
ようやく、あの時の阿部に並べたような気がする。
これまで感情に流されることの多かった自分が、苛立ちながらも冷静に振る舞えて、対処できるようになっている。
それが、何だか嬉しかった。
🖤「案外、ちゃんと見てるんだな」
「ハアッ?」
🖤「こっちの話。でもなんか、すっごく軽くなった気がする。それに関してはお礼を言うよ。まあ、ありがとうなんて言ってあげないけど」
目黒の横に生えた蔓が絡み合って一本の太い蔓になると、しなった太い蔓が東海林の体を上空に吹き飛ばす。
浮き上がった東海林の体を絡めとるのは、一本の黒い蔓。それは、目黒の怒りの感情を宿したもの。
🖤「あ。やっぱ腹立ってるわ。うーん。まだちゃんと冷静になり切れてないんだな。もっとがんばろ」
周囲に無機物のない上空で拘束された東海林は成す術がなく、目黒に向かって暴言を吐いているけれど、目黒の耳にそれらが届くことはなかった。
夜になり、車でやって来たのは郊外にある高台で、小さな駐車場と芝生が広がっている場所だった。
遠くに街の光が見えるが、駐車場から離れた場所には街灯すらもなく、開けたその場所では星の輝きが一層、明るく感じる。
🩷「おおー、すっげー!」
❤️「満天の星空だね」
💙「星ってこんなにあるんだな」
🤍「僕もここまでのは初めて!」
💜「阿部ちゃん、こんな場所、よく知ってたね」
💚「実は、めめが星好きって知ってから、いろいろと調べてたんだよね。見るならどこがいいかなって。その内の一つだよ」
🖤「えっ。そんなことしてたんだ、知らなかった……」
💚「言う機会もなかなか、ね。でも良かったよ、来られて」
🧡「照兄、シート敷いたで」
💛「はいはい、集合。ほら、おいで!」
パンパンと手を叩いている岩本に、みんながわらわらと集まっていく。その様は母親と子どもか、先生と幼稚園児のようだ。
大きなレジャーシートに真っ先に寝転がったのは目黒で、その隣に阿部とラウール、逆隣りに深澤と渡辺が同じように仰向けで寝転がる。ラウールの更に隣に岩本が座り、渡辺の隣に宮舘が座る。向井と佐久間は、芝生の上を楽しそうに走り回っており、他には誰もいないし建物もないので放っておいている。
視界いっぱいに広がる星空に、レジャーシートの上にいる面々は静かに星の海を堪能していた。
💛「これだけでも綺麗だな」
🤍「ねー」
💙「寝れそう」
💚「ふふっ。気温が高めで心地いいから、このまま寝るのもアリかもね」
🤍「せっかくの流星群、見ないで寝ちゃうの?」
💙「どんだけ降んの?」
💚「うーん。結構、見えると思うよ。数分に一つとか。でも、続けざまに見えることもあるし、こればかりはどれくらいって言い辛いかな」
🤍「あ! あれって天の川かな?」
💜「ホントだ。川っぽいのある」
🖤「天の川まで見えるの、珍しい。山の中とかじゃないのにね」
穏やかな時間が流れる。
はしゃいでいる佐久間と向井の声すら、心地よく感じているのは、九人が揃っているからだろうか。
🖤「あ! 流れ星!」
一斉に、目黒が指差した先を見る。数瞬で消えたが、確かに見つけられた。
🩷「え、どこどこ?」
🖤「もうないよ」
🩷「えー、見たかった」
💚「ずっと見てないと、見逃すよ?」
🧡「さっくん、俺らも星、見よか」
🩷「だな」
そう言って寝転がった佐久間と向井は、みんなの頭側。そこに、みんなと垂直になるように寝転がり、二人の頭はくっつくほど近づけられている。
なんでそこ?と疑問には思ったけれど、意識は星空に集中しているので、言葉にはならなかった。
その後も、「あっ! 流れた」「え、どこ!?」「あっちも!」と賑やかな天体観測が続き、それでも目黒が何も言わずに星空を眺めていることに、それぞれが顔を綻ばせているのだった。
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穏やかに今回は終わったのが良かった 続き待ってます♪