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[俺ならそんな思いさせないのに]
*学パロ
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jnt『』
放課後の教室は静かで、
ほとんどの生徒はもう帰っていた。
カチ、カチ、と時計の音だけがやけに響く。
仁人は自分の席で、どこを向いてるか分からずぼんやりしていた。
『……』
頭の中は、さっきの光景でいっぱいだった。
好きだった人。
信じてた人。
その人が、知らない誰かと手を繋いで笑っていた。
--しかも隠そうともしてなかった。
『……はは』
乾いた笑いが漏れる。
責める気にもなれなかった。
怒るよりも先に、
『ああ、そうなんだ』
って納得してしまった自分が、余計に嫌だった。
『……俺、なにやってんだろ』
ぽつりと呟いた声は、誰にも届かないはずだったのに。
[ほんと、それ]
後ろから、軽い声。
びくっと肩が揺れる。
振り返ると、勇斗がドアにもたれて立っていた。
『……なんでいんの』
[課題終わってない]
『嘘つけ』
[バレた?]
いつもの調子。
でも視線はずっと仁人から離れない。
[顔、やばいよ]
『……ほっとけ』
[無理]
即答だった。
勇斗はそのまま、当たり前みたいに隣の席に座る。
[聞いた]
『……何を』
[さっきのやつ]
仁人の肩がピクリと動く。
『……誰から』
[見た人]
『……そっか』
隠す意味もない。
というか、隠す気力もない。
しばらく沈黙。
そのあと、仁人は小さく息を吐いた。
『別に、もういいよ』
[よくないだろ]
『いいって』
[よくない]
勇斗は珍しく引かなかった。
[好きだったんだろ]
『……だった、な』
[じゃあ傷ついてるじゃん]
『……』
図星すぎてなんも言えない。
[なんでそんな平気そうにしてんの]
勇斗の声は静かだったけど、少しだけ苛立っていた。
『平気なわけねぇだろ』
思わず強く返す。
『でも、騒ぐほどでもないし』
[は?]
『……だって』
仁人は視線を落とす。
『俺より、あっちの方が良かったんだろ』
[……]
『なら、しょうがないじゃん』
それを言った瞬間、胸がギュッと痛んだ。
でも、そうやって納得するしかなかった。
[……はぁ]
勇斗が深くため息をつく。
『……なに』
[それ、めちゃくちゃムカつく]
『は?』
[なんでそんな簡単に自分の価値下げんの? ]
『別に下げてなんか』
[下げてんだよ]
勇斗は仁人の方に体を向ける。
[ちゃんと怒れよ]
『……無理』
[なんで]
『……つかれた』
正直な言葉だった。
怒る元気も、問い詰める気力も、もう残ってない。
ただ空っぽな感じが残ってる。
[……そっか]
勇斗の声が少し柔らかくなる。
しばらく黙ったあと──────
[……あのさ]
ぽつりと落ち着かせるみたいに言った。
[俺なら、そんな思いさせないのに]
仁人の思考が止まる。
『……は?』
顔をあげると、勇斗はまっすぐこっちを見ていた。
冗談っぽさは一切ない。
[浮気もしないし]
『……』
[ちゃんと大事にするし]
心臓の音が、やけにうるさくなる。
[仁人が、そんな顔するくらい傷つくこと、絶対しない]
『……何言ってんの』
かろうじて出た声は、少し震えていた。
勇斗は少しだけ笑う。
でもどこか真剣で。
[そのまんま]
『……意味わかんないし』
[わかんなくていいよ、今は]
そう言って勇斗はふっと視線を逸らした。
[でもさ、1個覚えといて]
また仁人をゆっくり見る。
その目が、優しすぎて。
[お前が選ばれなかったんじゃない]
『……』
[そいつが、お前の良さを分かんなかっただけだから]
言葉が、胸の奥に落ちてくる。
さっきまでのか『しょうがない』が、少しずつ揺らいでいく。
『……っ』
気づいたら、視線がぼやけていた。
『……やば』
[うん、やばい顔]
『うるせぇ』
でも、さっきと違う。
苦しいだけじゃない。
『……ありがとう』
小さく言うと、勇斗は少し驚いた顔をしたげどすぐに、いつもの笑顔に戻った。
[どういたしまして]
それから、少しの間を置いて。
[ねぇ、仁人]
『……なに』
[今すぐじゃなくてもいいからさ ]
勇斗が軽く笑う
[俺の事、選ぶっていう選択肢も入れといてね ]
『……』
冗談みたいな言い方なのに、逃げ場がない。
仁人は少しだけ顔を逸らして。
『……考えとく』
[うわ、進歩]
『うるせぇ』
そう言いながらも、さっきよりほんの少しだけ心が軽くなっていた。
空っぽだった場所に、何かが残ってる気がする。
---多分、それは。
勇斗の言葉だった。
ものすごく長くなってしまいました💦💦
ここまで呼んでくださった方ありがとうございます🙇♀️‼️
それからもぽちぽちストーリー、上げていこうと思います。
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