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体育祭当日
柔太朗side
体育祭当日。
朝から心臓がおかしい。
理由なんて分かりきっている。
勇斗と同じ種目だから。
🩷「柔太朗ー!」
遠くから手を振る勇斗。
それだけで顔が熱くなる。
🤍「朝から元気だなぁ」
🩷「今日は勝つぞ!」
🤍「はいはい」
隣を歩くだけで嬉しい。
でもそれ以上は望んじゃいけない。
幼馴染のままでも十分幸せだから。
そう思っていた。
⸻
昼休み。
リレー前の最終確認をしていると、勇斗が珍しく真面目な顔で話しかけてきた。
🩷「柔太朗」
🤍「ん?」
🩷「バトン、お前なら大丈夫だから」
🤍「え?」
🩷「俺、お前のこと信頼してるし」
心臓が跳ねた。
そんな顔で言うの反則だろ。
🤍「…そ、そう」
🩷「だから思いっきり走れ」
そう言って笑う勇斗。
やっぱり好きだ。
どうしようもなく。
仁人side
リレーのスタート地点。
柔太朗は勇斗しか見ていない。
その視線だけで全部分かる。
💛「分かりやすいんだよなぁ」
苦笑いが漏れる。
すると。
💙「仁ちゃん!」
太智がスポドリを差し出してきた。
💙「はい!」
💛「え?」
💙「ずっと暑そうだったから!」
💛「……」
なんだよ。
そんなことで嬉しくなるじゃん。
💙「仁ちゃん?」
💛「ありがと」
そう言うと太智は嬉しそうに笑った。
クラス対抗リレー
そして本番。
柔太朗は全力で走った。
転びそうになりながらも。
必死に。
勇斗へ。
🤍「勇斗!!」
バシッ。
完璧なバトンパス。
🩷「任せろ!!」
勇斗が駆け出す。
luv
歓声が上がる。
嗚呼、今日もかっこいい。そんなふうに思って、立ち尽くしていた。
その頃。
仁人はそんな柔太朗を見ていた。
💛「……やっぱ好きだな」
諦めようとしても無理だった。
すると横から。
💙「仁ちゃん」
💛「ん?」
💙「そんな顔せんで」
💛「どんな顔だよ」
💙「失恋したみたいな顔」
思わず固まる。
太智だけだった。
気づいたのは
柔太朗side
リレーが終わった後も心臓はずっと忙しかった。
勇斗がアンカーで一位を取った。
クラスのみんなは大騒ぎ。
俺も嬉しかった。
でも。
それ以上に。
🩷「柔太朗!」
🤍「わっ」
突然肩を組まれる。
🩷「ナイスバトン!」
🤍「近い近い近い!」
🩷「なんでだよ笑」
勇斗はケラケラ笑う。
距離感バグってるんだよなぁ。
本人は無意識だから余計にタチが悪い。
顔が熱いのを隠すために視線を逸らす。
すると。
💛「おーい柔太朗」
仁人が来た。
💛「ジュース買ってきた」
🤍「え、まじ?」
💛「頑張ってたから」
🤍「神」
受け取ろうとした瞬間。
🩷「俺のは?」
💛「ない」
🩷「ひど」
即答だった。
仁人side
柔太朗が笑う。
それだけで満足だった。
本当は満足なんてしてない。
独り占めしたい。
隣にいたい。
でも。
💙「仁ちゃん」
横から声がする。
💛「ん?」
💙「今日元気ない」
💛「そんなことない」
💙「ある」
太智は真っ直ぐ俺を見る。
逃げられないくらい。
💙「俺じゃダメなん?」
その言葉に息が止まった。
💛「……は?」
💙「いや」
💙「なんでもない!」
真っ赤になって走っていった。
残された俺だけが固まる。
太智side
やばい。
言っちゃった。
言う予定なかったのに。
なんで口が勝手に。
💙「終わったぁぁぁぁぁ」
校舎裏でしゃがみ込む。
好き。
ずっと好き。
でも仁ちゃんは柔太朗しか見てない。
知ってる。
知ってるけど。
少しくらい。
俺を見てほしかった。
コメント
2件
読了しました! 体育祭のドタバタと、それぞれの想いが交錯する第4話、すごく良かったです。柔太朗の「幼馴染のままでも幸せ」って言い聞かせてる感じに胸が詰まりました。そこへ太智が仁人に「俺じゃダメなん?」って飛び込むシーン、めちゃくちゃドキドキしました…! 感情が一気に動く瞬間の書き方が上手いなあと。続きが楽しみです、ミルクバターさん!