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⚠︎口調違い、解釈違い⚠︎
蝉が耳障りなくらいにミンミンと鳴く。
木陰に座り込み暑さを凌ぎ、休憩をとる。
「うわっ!」
突如後ろからひんやりとした物が首にあたる。振り返るとそこには、夏空の背景と同化したような目のbroooock。
「きんさんには珍しくボーッとしてたね?
はい。飲み物。」
彼は若干小馬鹿にしながら飲み物を渡してくれた。
「あぁ、ありがと」
「あ、そういや、もうすぐ順番だったと思うけど」
「まじ?助かるわ。手貸してくんね?」
と彼の手を借り立ち上がる。
今は体力テスト中だ。今まで全て結果は平均より少しだけ、高い。
「やっぱりめっちゃ平均だぁ」
後日配られたグラフは、綺麗に全国平均と被っていた。
「きんさんめっちゃ平均だ笑」
「うるせーお前はどうなんだよ」
と彼の表を見る。
「なんだよお前、平均より低いじゃん」
「うるさーい」
4限目が終わるチャイムが鳴る。
チャイムが鳴って挨拶をし、教室がザワザワし始める。
「broooock〜行くぞー」
と少し遠くの席にいるbroooockを呼び、いつもの場所に行く。
いつもの場所とは、屋上に続く階段の事だ。
昼休みになると各々好きな人と好きな場所で昼食を摂る。
まぁ、好きな人、と言っても友達と食べる他ない。
「いただきまーす」
「いだだきます」
「ごちそうさまでした」
俺がお弁当を全て片付け終えた隣でようやく食べ終わるbroooock。
時刻を見るとまだ30分ほど余裕がある。
スマホでも触るか……
「ねね、屋上いこ」
「はいぃ?行けないけど」
「舐めてもらっちゃあ困るね」
と言い、ポケットから得意げに屋上の鍵を取り出す。 どこから持ってきたんだ…
「で、でもだめでしょ」
「えー行くけど」
と言い、階段を登り始める。
こいつが怒られる羽目になるのだから今行っても一緒だな……よし、俺も行こう
「たっかーーー!」
「しー!バレるから!」
静かに風を感じていると裏庭から声が聞こえた。
「付き合ってください!」
「告白?」
「らしい」
「告白ってさ、自分の気持ちを押し付けてるんだよ」
「まぁそういう事だね。でも、1回はされたいなぁ」
「えっ、青春の文字すらしらないきんさんが???」
「うるさいな?」
少し聞き耳を立て、裏庭に人が居なくなったと同時にbroooockが口を開く。
「ね、僕たちも付き合わない?」
「え?」
思考が止まる。
「1回されたかったんでしょ?」
そうbroooockは茶化す
「いや、そういう遊びじゃなくてさ」
そんなbroooockに少しイラつき返す。
「お遊びだとおもっちゃった〜?僕は本気なんだけどな」
彼の目を見たけれどとても嘘をついているようには見えなかった。
ということは俺のことが好きという事だ。
「……なんで?」
「まぁ……好きだからだし、告白される練習しとけば?って感じー」
そんな理由が許されてしまうのか…?
茶化しているように聞こえるが、どこかで彼の目や声は本気だった。
……うーん。どうしたものか。
俺はあの後、彼のあまりの本気さに断ることが出来ず返事を曖昧にして、その場を去った。
ただ、ほっておく訳にも行かないので
次の授業も、帰り道でも、お風呂に入っている時も悩み続けた。
同性同士なんて、よく分からないことだらけだ。今まで考えたことも無い世界だ。
俺はbroooockのことは仲のいい友達、としか思っていないし、これ以上の関係にはなり得ないだろう。もし仮に付き合うとしても彼の気持ちに答えられない程だ。
これは断り方を考えるしかない。
朝の挨拶が飛び交う校門前。
いつものようにbroooockが近寄ってくる。
「おはよー!きんさん!」
ニコニコ笑顔で挨拶をしてくれるbroooock。
「おはよー」
俺は夜中まで断り方を練っていたので寝不足。ついにその時がきた。
「あのさbroooock昨日の返事、なんだけど…」
「ちょっとまって!」
俺の言葉が遮られる。
「いま、断ろうとしてるのは重々分かる。
だけど!今の気持ちだから。それは」
「そうだね?」
「かわるんじゃないすか?これから」
変わる?今から?
「1週間。」
と人差し指を立て、俺の前に持ってくる。
「1週間後、もっかい返事ちょーだい」
「1週間後……」
「それまで僕のことちゃんと見ててよね?」
呆気にとられたがこれもbroooockか。と容認し、付き合ってみることにした。
「いいよ。惚れさせてよ」
「任せて!」