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「はい、不良学生二名様ご案内~」
「ちょっ、とぉ!? 兄貴! マジで止めて!」
「お、お邪魔します……」
なんか白川さんがとんでもない事を言いだした後、通話を繋いだまま本当に家を飛び出しそうだったので。
お願いします止まって下さい、あ、無理ですか。でしたら迎えに行きますのでもう少し待ってください。
と、物凄く必死でお願いした結果。
此方の声を聞きつけた兄貴が、車を出してくれましたとさ。
流石にこの時間に外で二人っきり、という訳には行かないので。
物凄くありがたいんだけど。
とはいえ、家に連れ込んでしまうのは更に不味いのでは!?
などと自問自答している間に我が家へと到着してしまい。
「あらあらあら! 本当に現太が彼女連れて来た! いらっしゃい、ゆっくりして行って良いんだからね? お父さん、ホラ早くー! 現太の彼女!」
ウチの母親が、暴走気味に白川さんに絡み始めてしまったではないか。
これに対して、当たり前かもしれないけど……彼女は借りて来た猫状態に陥り。
固まったままプルプル震え、凄く小さい声で「ハイ……オジャマ、シマス。スミマセン、コンナ時間ニ……」と繰り返していた。
ついでに、何故かこの時間にスーツに着替えた父親が部屋から飛び出して来て。
「こりゃ驚いた……あの現太が、こんな可愛い子を。い、いらっしゃい! お母さんお茶! お茶の準備だ! おもてなししないと!」
あぁもう、滅茶苦茶だよ!
なんて、頭を抱えたくなってしまったが。
「はい、兄貴命令。現太、お前今から部屋を秒で片付けて来い。そんで、白川妹を入れても問題無い状態にして来い。その間、白川妹は俺が預かっておいてやる」
「んなぁ!? 兄貴まで!」
「この状態で両親の前に放り出しておいたら……多分コイツ、下手すりゃ気絶するぞ」
とんでもない事を言われてしまい、ガバッと音がする勢いで白川さんを覗き込んでみれば。
普段では見ない程パッチリと開いた瞼は動かず……借りて来た猫どころか、完全に置物みたいに停止していた。
こ、これは不味い! 完全にキャパオーバーを起こしてる!
「い、いや! 今からでも部屋に行こう! 一旦落ち着かせないと不味い気がする!」
「急に連れ込むなお馬鹿。その間に白川兄にはこっちから連絡しておいてやるから、ホレホレさっさと行け」
確かに、ごもっともである。
お兄さんに連絡入れておかないと、後で俺ぶっ殺されるよね。
「白川さん、すぐ戻るから! 兄貴から変な事言われても無視して良いから!」
「言うか馬鹿、俺をなんだと思ってやがる」
という事で、滅茶苦茶はしゃいでいる両親をどうにか居間に押し込み。
こっちはこっちで自分の部屋へとダッシュするのであった。
秒で、本当に秒で終わらせるから! 待ってて白川さん!
◆
思いっ切り勢いで行動してしまった結果。
何故か、黒沢君のお家へ行く事になった。
てっきり何処かで合流して、少しお話を~程度かと思っていたんですけども。
お邪魔、してしまいました。
そして今は、何故か9Kのお部屋へと案内されたという。
「さぁて、シックス。何か申し開きはあるか?」
椅子へと促され、固い動きでそこへ腰を下ろした瞬間。
別の椅子を引っ張って来たナインが、目の前に座ってニコッと微笑んでいる。
黒沢君と似ている筈の微笑みが、今だけは何故か物凄く怖い!
「大変、申し訳ありませんでした……多方面にご迷惑をお掛けする、浅はかな行動だったと反省しております……」
「よろしい。高校生くらいだったら別におかしくねぇ行動ではあるが、それは周囲への“信頼”に直結する。頭の良いお前なら、それくらいは理解出来るだろう? んで、今回はどうしたよ。まさかとは思うが、現太に無理矢理呼び出されたって訳じゃないんだろ? それから、白川兄には連絡したのか? お前の保護者は、状況を把握してるか?」
「…………イエ、イッテナイデス」
「勢いだけで動くのも、若い奴の特権だとは理解するがね。しかしお前は女の子だ。白川兄の心配性の意味も、少しは考えてやりな。正直男子とは訳が違う、色んな意味でな」
「本当に、すみません……」
今更ながら、深く深く反省しつつ。
とりあえず9Kに向かって頭を下げたのだけれども。
相手はヤレヤレと笑ってからスマホを取り出し。
「何かあって、家を飛び出して来たんだろう? 止めはしないが、健全なお付き合い程度で頼むぜ? 一応俺の監視下にあるって事で、白川兄には連絡しておいてやるから。何かあった場合、責任を取るのは保護者。そして傷付くのは本人……“だけ”じゃないって事を、良く覚えておく事だ。今回は、俺が“保障”になってやっから」
「あっちもこっちも、本当に申し訳ないです……」
「ある意味、成長だな? もう誰かの後ろに隠れてばっかの、ちびっこい女の子じゃないって訳だ。ただし、今度から常識的な時間に行動するように。口煩い様だが、“保護”する立場ってのは、この程度の時間でも物凄く心配するからな」
「ハイ……大変、御迷惑をお掛けします……」
そんな訳で、再び深々と頭を下げてみると。
相手は気にするなとばかりに手を振ってからスマホを耳に当て。
「あ、白川さん? 俺俺、アンタの妹のボーイフレンドの兄貴――って、うっさ!? まだ会社なんだろ? そんな叫んで大丈夫か?」
なんか、凄い事言ってますけど。
まだ本題にも入っていないのに、何か怒鳴っているのだろうか?
あと先程黒沢君のご両親も何か言っていましたけども、私黒沢君とお付き合いはしておりません。
とか思いつつ、首を傾げたタイミングで。
「白川さんお待たせ! 二人っきりにさせてゴメン! 兄貴に変な事されなかった!?」
黒沢君が、大声を上げながら9Kのお部屋へと突撃して来てしまい。
「……あ」
「……へ?」
「おっ前……タイミング悪いな、ホント。あとおかしな事を言いながら突撃してくん……だぁぁ! 白川兄もうるせぇぇ! 順に説明していくから、どいつもこいつも叫ぶな!」
なんだかとんでもない事になってしまったらしく、もうどっか行けとばかりに9Kからグイグイ押されて部屋を追い出されてしまった。
だ、大丈夫かなコレ……いや、駄目だよね。
主に私の行動が。
黒沢君と二人、廊下に出されてから。
「す、すみません黒沢君……なんか、とんでもない事に……」
「い、いや! むしろ俺の方こそゴメン! 白川さんは心配してくれただけだし、お兄さんには俺からも頭下げて、ちゃんと事情説明するから!」
二人して、ペコペコと頭を下げてしまう結果に。
ともあれ、いつまでも謝り続けている訳にもいかず。
「とりあえず……俺の部屋、行きますか? その、本当に……嫌じゃ無ければ、なんですが」
「あ、はい……すみません、お邪魔します……」
という事で、人生初。
同世代の男の子の部屋へと足を踏み込む事になってしまったのであった。
本当に今更だけど……やらかしすぎてますよね、私。
9Kは高校生ならあり得る事~なんて言っていたけど、普通に駄目ですよねコレは。
むしろお兄ちゃんが心配してくれていた事を、ド直球で突き抜けちゃっている気がするんだけど。
あ、あとで何と謝ればよろしいでしょうか……。
しるあっと
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柘榴とAI

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柘榴とAI

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コメント
1件
第172話、読み終えたよ〜!!😭💕 もうね、白川さんがお家に連れられて固まっちゃうとこ、めっちゃ可愛くて笑っちゃった!!笑 ナインのお兄さんの大人な対応もカッコよすぎるし、現太のお母さんのテンションも最高だったよ〜!笑 最後の「俺の部屋行きますか?」からの流れ、めっちゃドキドキする展開すぎるんだけど!?😳💕 白川さんの「やらかしすぎてますよね私」って自覚してるとこも含めて、この二人の距離が縮まる感じが本当にエモい、、、、✨ 続きが気になって仕方ないよ!!次話も楽しみにしてるね〜!!⋆♡