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#おんりー
ゼオ氏
165
202
#おおはらMEN
ドズル社好き
107
#おんおら
ドズル社好き
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?』
「……この花って、もしかして……」
おらふくんの声が、静かな部屋に落ちた。
おんりーは俯いたまま、手の中の青い花を握りしめていた。
答えたくなかった。
いや、本当は。
いちばん、気づいてほしかった。
ずっと気づいてほしくて、でも、気づかれたら終わってしまう気がして。
この花が何を意味しているのか。
誰を想って咲いているのか。
知られてしまったら、もう今までみたいには笑えない。
「……なんでもないよ」
ようやく出てきた声は、自分でも驚くほど弱かった。
「なんでもないって……」
おらふくんは、手の中の花を見つめた。
「こんなに苦しそうなのに?」
その言葉に、おんりーの肩がぴくりと揺れた。
「……っ」
「ずっと、隠してたん?」
責めるような声ではなかった。
むしろ、泣きそうだった。
おんりーは唇を噛んだ。
「……言えなかった」
「なんで?」
「……言ったら、困らせるから」
「誰を?」
わかっているくせに。
おんりーは、答えなかった。
答えられるわけがなかった。
だって、目の前にいる人の名前を口にした瞬間、全部が本当になってしまうから。
ずっと胸の奥にしまいこんできた気持ちも。
叶わないと決めつけていた恋も。
この花が咲くほど、どうしようもなく大きくなってしまった想いも。
全部。
「……おらふくんには、関係ないから」
言った瞬間。
おらふくんの表情が、ほんの少しだけ歪んだ。
「……そっか」
その一言が、思っていたよりずっと痛かった。
「……ごめん。踏み込みすぎたな」
おらふくんは、青い勿忘草をそっと机に置いた。
「でも、しんどいときくらい……頼ってほしかった」
その声があまりにも優しくて。
おんりーは、思わず顔を上げた。
おらふくんは笑っていた。
いつもみたいに。
大丈夫だよ、とでも言うように。
でも、その目は笑っていなかった。
「……俺、そんなに頼りない?」
「違う……!」
反射的に声が出た。
「違うんだよ、おらふくん……!」
「じゃあ、なんで?」
おらふくんの声が震えた。
「なんで、俺には何も言ってくれへんの?」
おんりーは息を呑んだ。
「俺、ずっと……」
おらふくんはそこで言葉を切った。
言いかけた何かを、無理やり飲み込むみたいに。
そして、困ったように笑った。
「……いや、ごめん。今の忘れて」
忘れられるわけがなかった。
忘れたくなんて、なかった。
なのに。
おんりーは、また俯いてしまった。
「……帰っていいよ」
自分の口から出た言葉が、ひどく冷たく聞こえた。
「え……?」
「もう、大丈夫だから」
本当は、大丈夫なんかじゃない。
帰ってほしくない。
ここにいてほしい。
自分の名前を呼んでほしい。
できるなら、今だけでもいいから。
好きだと言ってほしい。
でも、そんなことを願う資格なんて、自分にはないと思っていた。
おらふくんはしばらく黙っていた。
やがて、小さく息を吐く。
「……わかった」
椅子が引かれる音がした。
足音が、遠ざかる。
一歩。
もう一歩。
そのたびに、胸の奥がぎゅっと縮んでいく。
――行かないで。
喉まで出かかった言葉を、おんりーは必死に押し戻した。
だって、引き止めてしまったら。
もし、引き止めたのに。
おらふくんが、本当に困った顔をしたら。
その顔を見たら、きっともう立ち直れない。
「……おんりー」
ドアの前で、おらふくんが立ち止まった。
「……俺さ」
おんりーは顔を上げられなかった。
「お前が笑ってると、安心するんよ」
静かな声だった。
「楽しそうにゲームしてるときも。しょうもないことで笑ってるときも。俺のこと呼んでくれるときも」
ひとつひとつ、言葉を選ぶように。
「……俺、そういう時間が好きやねん」
おんりーの指先が震えた。
「だから、最近ずっと無理して笑ってるみたいで……怖かった」
「……っ」
「俺の知らんところで、ひとりで苦しんでるんちゃうかって」
おらふくんは、少しだけ声を落とした。
「……何もできへんのが、嫌やった」
おんりーは、ぎゅっと目を閉じた。
そんなことを言わないで。
そんなに優しくしないで。
これ以上、好きにさせないで。
もう、とっくに手遅れなのに。
「……おらふくん」
やっと名前を呼んだ。
おらふくんが振り返る。
おんりーは、震える手で机の上の青い勿忘草をつかんだ。
「……これ」
喉が詰まる。
「……この花、ね」
おらふくんは何も言わず、待ってくれた。
「……好きな人がいると、咲くんだって」
言ってしまった。
もう、戻れない。
「その人のこと、好きで……好きで、どうしようもなくなると……」
声が震えた。
「……出てきちゃうんだって」
おらふくんの顔から、ゆっくりと笑みが消えた。
おんりーは笑おうとした。
いつもみたいに。
なんでもないことみたいに。
「……変だよね。こんなの」
でも、笑えなかった。
「俺も、最初は……治ると思ってたんだよ」
花を握る手に、力がこもる。
「時間が経てば、諦められると思ってた。ちゃんと普通に戻れると思ってた」
息を吸う。
胸が痛い。
「……でも、無理だった」
とうとう、涙がひとつこぼれた。
「会うたびに好きになって。声を聞くたびに好きになって。隣にいるだけで嬉しくて……」
おんりーは、泣きながら笑った。
「……どうしたらいいのか、わかんなくなっちゃった」
おらふくんは、動かなかった。
ただ、まっすぐにおんりーを見ていた。
おんりーは、その視線から逃げるように顔を背ける。
「……ごめん。こんなこと聞かされても困るよね」
「……おんりー」
「大丈夫。誰が好きかなんて、言わないから」
本当は、言いたかった。
言いたくて、言いたくて、仕方がなかった。
でも、言ってしまったら。
今までの関係さえ、失ってしまうかもしれない。
「だから……」
おんりーは、涙を拭った。
「……もう、帰って」
沈黙。
長い、長い沈黙。
そして。
「……嫌や」
聞き間違いかと思った。
おんりーは顔を上げた。
おらふくんは、ドアから離れていた。
一歩、こちらに近づいてくる。
「……え?」
「帰りたくない」
もう一歩。
「おんりーがそんな顔してるのに、帰れるわけないやん」
「でも……」
「でも、ちゃう」
おらふくんの声も、震えていた。
「……俺だって、怖いねん」
その言葉に、おんりーは息を止めた。
「怖い?」
「うん」
おらふくんは、苦しそうに笑った。
「おんりーが俺の知らんところで苦しんでるのも。お前が俺から離れていくのも」
そして、視線を落とした。
「……俺が、ずっと言えへんかったことも」
おんりーの心臓が、大きく跳ねた。
「……言えなかったこと?」
おらふくんは答えなかった。
代わりに、机の上に置かれた青い勿忘草を見た。
その花びらに、そっと指を触れる。
「……忘れないで、ってことなんかな」
「……え?」
「この花の名前」
おらふくんは、小さく笑った。
「勿忘草って、忘れないでって意味やろ?」
おんりーは、何も言えなかった。
「……俺、忘れたくないよ」
おらふくんの目が、おんりーを捉えた。
「お前が苦しんでたことも。今日、俺に話してくれたことも」
一瞬、声が途切れる。
「……おんりーのことも」
その言葉は、静かだった。
けれど、おんりーの胸の奥に、深く、深く沈んでいった。
「……なんで」
気づけば、そう呟いていた。
「……なんで、そんなこと言うの」
「え?」
「そんなこと言われたら……」
涙がまた溢れそうになる。
「……期待、しちゃうじゃん」
おらふくんが、息を呑んだ。
おんりーはもう、止められなかった。
「俺ばっかり好きなんだって思ってた」
声がかすれる。
「俺だけが、こんなに苦しくて……おらふくんは、俺のことなんて、ただの仲間だと思ってるんだって……」
「……っ」
「だから、何も言えなかった」
おんりーは、握りしめた花を見つめた。
青い花びらが、涙で滲む。
「……好きなんだよ」
その声は、あまりにも小さかった。
それでも。
おらふくんには、聞こえてしまった。
「……おらふくんのことが、好きなんだ」
世界が、止まった気がした。
言ってしまった。
ついに。
ずっと隠してきた気持ちを。
ずっと諦めようとしてきた恋を。
おんりーは、震えながら顔を上げた。
おらふくんは、何も言わなかった。
その沈黙が怖くて。
おんりーは、慌てて言葉を重ねた。
「ごめん、今の忘れて。困らせたいわけじゃなくて……!」
「……おんりー」
「ほんとに、ごめん。俺、もう……」
「おんりー」
今度は、はっきりと。
おらふくんが名前を呼んだ。
おんりーは口を閉じた。
おらふくんは、泣きそうな顔で笑っていた。
そして、ゆっくりと口を開いた。
「……俺も、ずっと――」
その先の言葉を、まだ誰も知らない。
机の上では、青い勿忘草が静かに揺れていた。
まるで、ふたりの言葉を待っているみたいに。
第6話・終
ひなぁぁぁぁぁ!!!!!!😭😭😭💙
「俺ばっかり好きなんだって思ってた」からの「好きなんだよ」!!!!!!
おんりー、ついに言えたぁぁぁぁぁ!!!!!!😭💐
でもおらふくんの「俺も、ずっと――」の続き!!!!!!
これはもう……第7話で回収するしかないやろぉぉぉぉ!!!!
次回、最終話。
コメント
1件
ひなぁぁぁぁぁ!!😭💙💙 やっと言えたね、おんりー!!「好きなんだよ」からの「俺ばっかり好きなんだって思ってた」の流れがもうエモすぎて胸がギュッてなったよ…!! おらふくんの「帰りたくない」も「俺も、ずっと――」の続きも気になりすぎて次回が待ちきれない🌸 お互いの気持ちがすれ違ってたのが報われる瞬間がついに…ドズル社好きさんの心理描写が本当に繊細で、読んでて一緒に泣きそうになったよ✨ 最終話、楽しみにしてるね!!