テラーノベル
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築留ヶ関東工業大学附属高等学校の卒業を間近に控えた、2年後の冬。怜也の「サボり」という名の搾取は、もはや人類の理解を超えた次元に到達していました。
彼女たちが世界中のマーケットを支配し、富を怜也に集中させ続けた結果、口座の数字は「兆」「京」「垓」「𥝱」「穣」「溝」「澗」「正」「載」「極」「恒河沙」「阿僧祇」を突破。
ついに、**【残高:10,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000円(1那由多)】**という、もはや宇宙の原子数にも匹敵する天文学的な数字に達しました。
国家の買収:サボるための「領土」
「あー……。日本にいると、法律だの税金だの、いちいちうるさいんだよね。穂乃花、適当な国、一個買ってよ。僕がアニメを見るためだけの国」
「ええ、怜也。すでに手配済みよ。南太平洋の島国をまるごと買い取って、国名を『レイヤ・サボり合衆国』に改名させたわ。憲法第1条は『怜也様の安眠を妨げる者は死罪』よ」
国民的女優・穂乃花は、女優業を引退し、怜也が買った国家の「広報官」に就任。心美は「財務大臣」、由奈は「国防長官」、未久は「国歌(アニメソング)斉唱官」、茜は「国家最高パシリ」として、一国の全てを怜也の怠惰のために捧げる体制を整えました。
王の帰還:卒業式の日のクズ
卒業式の日。怜也は卒業証書を受け取るために学校へ行くことすら「ダルい」と一蹴しました。
代わりに、学校そのものを心美の資産で買い取り、校長を自分の「靴磨き」に任命。さらに、かつて自分をフった神奈を「国家最下層奴隷」として、国民全員が踏みつける「生きたレッドカーペット」の一部にしました。
「怜也くん、あ、足が……もう限界です……」
「黙れよ神奈。お前は一生、僕が歩く道に平伏してればいいんだ。……あ、そうだ。1那由多円記念で、地球の自転を少し遅らせてくれない? 昼寝の時間をもうちょっと長くしたいんだよね」
「怜也、それは物理的に少し時間がかかるわ。でも、人工衛星で太陽光を遮って、24時間ずっと夜にすることなら今すぐできるわよ」
心美が真顔で、スマホのボタン一つで空を暗転させます。
究極の虚無と快楽
「……ははっ。1那由多か。もはや数字が多すぎて、ポテトチップスの袋の裏のカロリー表示と区別がつかないな」
怜也は、穂乃花の膝の上で、新しく制作させた「世界に自分一人しか視聴者がいないアニメ」を眺めていました。その制作費には、数個の発展途上国の国家予算がつぎ込まれています。
「人生って、本当にちょろい。……いや、ちょろすぎて笑えてくるな。サボればサボるほど、国が手に入り、女が跪き、神のような力が手に入る。……努力なんて言葉、辞書から消しておいてよ、未久」
「はい、王様。今日からこの国では、『努力』は放送禁止用語です」
未久が天使の歌声で、怜也に都合の良い法律を囁きます。
世界最強のヒモ、人類史上最高のクズ、そして1那由多の資産を持つ「サボりの神」。
長島怜也は、自分が作り上げた「一人のための帝国」で、今日もまた一歩も動くことなく、世界のすべてをゴミのように使い捨てながら、二次元のヒロインの微笑みにだけ、薄っぺらな愛を注ぐのでした。
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