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7 - 『震える俺と、舞台の上にいる君達。』

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2024年08月18日

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赤(桃赤、他あり)



ご本人様とは一切関係ございまん.ᐟ





長編です




赤『〜〜っ!♪』



歌うのが大好きな俺。


大好きだった、俺。




ガタッッ!!

バリンッッ!!!



大きな音が聞こえ、上を見ると

大きな照明の一部が俺をめがけて落ちてきていた。


観客の方からは悲鳴が。


舞台袖の方からは危ないという叫び声が。



ゆっくりに見えるのに体は動かせない。


そのまま照明の下敷きになり意識を失った。





赤『……』


紫『ワンマンライブ、お疲れ様。』




リーダーの紫くん。


心配してきてくれたんだ。




赤『……っ、今日は…いつですか…』



なぜか聞くのが怖い。


声が震える。



紫『〇日。2日経った、よ。』


赤『公式、放送は……』


紫『大丈夫。しっかり伝えたよ。』

『リスナーさんはみんな無事だよ。』


赤『っ、…!』


リスナーさんはみんな無事。


その言葉に安堵する。



紫 『体、痛くない?』


赤『ぅん…』


紫『よかった。』







赤『……』


橙『赤、おかえり。』


赤『っ、ただいまっ…!』



青『ゆっくり体調管理しながら慣れていこうっ!』


赤『ふふっ、そうだね』



黄『痛いところとかないんですか、? 』


赤『うん、もう治ったから退院したんだよー?笑』


黄『たしかに笑』



いつも通りで安心する。

それに、温かい。


あんな白くて冷たい病室とは大違い。




紫『あ、公式放送のページが完成してないから作ってくるね!』


赤『あ、俺サムネ作るよ?久しぶりに作りたいな』


紫『え、いいの!?』


桃『久しぶりの赤のサムネ!?』


赤『そんなに?笑』

『じゃあとびっきり可愛くしよっかな~』

『それとも真面目がいいかな?』



本当に、いつも通りの日常に戻ってきた。


でも、苦しいときは来る。


例えば…




『危ないっっ!!』



ガタッッ!!


バリンッッ!!!





あのときの夢を見たときとか。




赤『っっ!?』


『はあっはぁっ…』


『ぅ……っ』




赤『紫くんっ…!』

『紫くん…』


紫『えっ!?どうしたの!?』


赤『…ぐすっ…』




紫『そっか…怖かったね、』

『俺は今行けないけど誰か呼ぼうか、?』


赤『うんっ…、』

『誰でもいいっ…からっ…そばにいてほしい…っ…』






桃『赤ぁ~、?』



一番家が近い桃くんだ。



赤『桃ちゃ…』


桃『目赤いぞ~?』

『話は聞いてるから、』


赤『……』



桃『、赤はさ…歌うの、好き?』



赤『…ぅん、』


桃『じゃあさ、ステージに立つのは、どう?』



赤『………』



桃『そっか、』

『いつか、いつかでいいからさ…』


『一緒に立とうぜ。』



赤『……』




無理だ。そんなの、無理…

怖い、凄く怖い。


あの日を、鮮明に思い出してしまうだろう。


今のまま、配信したり、撮影したり…


それで、いい……、けど…けどっ…!



みんな、ライブがしたい。

リスナーさんも、俺達に会いたい。


俺だって…ライブがしたいっ…


けど、怖いことは怖いんだ。



ああ、どうしよう。







紫『今日は夏に向けてのイベントの話し合いなんだけど…』

『俺的にはどんな形でもいいからライブがしたいなって…』


赤『っ…』


紫『もちろん、無理だと思ったら言って、?』




俺に向けた言葉だろう。


今無理だと言ってしまえば、これから先も甘えてしまう気がする。


でも、やろうなんて言って後悔するのも嫌だ。思い出すのが、嫌だ。



赤『……』



橙『無観客ライブとか、バーチャルライブとか…色々あるし、どれかできたらええよな』

『できんくても、いいんやけどな…?』


でもやっぱり、会いたいよね。

それは同じだから、すごくわかる。



赤『……っ、』





青『…赤くん、無理は…っ』



赤『…っ、』



黄『赤…』



紫『…ごめんっ、やっぱやめよっ…』



赤『…ごめん、なさい……』










赤『……』



ライブ…



したいけど、またあんなことが起こったら…


そう思うときっと怖くて怖くて、迷惑をかけてしまうだろう。


ステージに立つと動けなくなり、声も出なくなるかもしれない。


それでも、もう一度したい?



……うん。






赤『ね、っ…、ねぇ…っ』


青『んー?』



赤『俺、やっぱりライブがしたいっ…』



紫『赤くん…』



赤『きっと迷惑をかけるし、声だって出るかわかんないし、動けなくなるかもしれない…けど、』


『諦めたくない。』




紫『本当に、?』



赤『うん。嘘はつかないよ。 』



桃『じゃ、俺らは赤のこと監視しとくか笑』


赤『…!ふふっ、よろしくね。』




さりげない気遣いに、心配そうな眼差し。


全てが、幸せの象徴。







赤『っ、ふぅ、ふぅ…』


ライブの練習や会議が始まってからは、少しずつ実感が湧いてきて

少しずつ不安が高まっていく。


夢を見たり、想像しちゃって苦しくなったり。



それでもあの、楽しみな気持ちが楽しい。







青『ねぇ僕ソロ曲やりたーい!』



セトリを決めようとなった瞬間に声を出したのは青ちゃん。



黄『え、でもそれだと時間の調整が…』


紫『まぁいいんじゃない?』



橙『ペア曲のほうが色々歌えそうだよなぁー』



桃『じゃあどっちも…』


紫『ごめんそれは無理。笑』




何か話さなきゃ。



赤『ぁの…ペア…のほうが…ぁ、でも…』

『歌えなくなったら誰かが一人…か…』


桃『じゃあやっぱりどっちも…』


紫『ごめんそれは時間が…笑』


橙『…笑』

『そらそうよな、一人は不安よな、』


黄『じゃあペアにしましょっ!』


青『どのペアがいいんだろ…?』


赤『俺的には青ちゃん以外かなぁ…笑』


青『は!?なんでぇ!?』


桃『青だと心配になるんだろ笑』


青『うぇぇぇ…🥺』


赤『冗談だよ笑』




橙『赤、大丈夫?』


赤『っ、ふっ…はっ…あぅ…っ』


黄『大丈夫ですよ、赤。』


赤『んっ、、は…ふっ…ふぅっ……』


黄『休憩しましょうっ』


橙『そうやな、無理は絶対あかんな、』



なんで、なんでこんなっ…

ただ、練習してるだけなのにっ…





紫『ステージ、上がれる?』


青『とりあえず上がってみよう?』


赤『ぅ、はふっ…』


紫『待つからね、今日はまだ誰もいないから。』


青『少しずつ、ね…?』


赤『ぅ、はぁっ…はふっ…ぅ… 』

『っ…!』


紫『そう、そうだよ…!大丈夫だよ、』



ステージに、上がるだけなのに…

ただ、それだけなのに…


なんでこんなに怖いの…!







本番が近づく。


リスナーさんの様子を見るたび楽しさと怖さが増してく。



赤『こわいっ…』


桃『大丈夫、大丈夫…』

『たとえ泣いても、歌えなくても、いるだけで俺らもみんなも嬉しいよ。』


赤『うぅっ…はふっ…』



紫『一人じゃない。事故も起こらないように何回も何回もチェックしたよ。』



赤『はっ…はぁっ…はふっ…』




心配かけたくないのにっ、


嘘でも大丈夫だよって、言いたいのに…


呼吸がしづらいっ…




赤『っ…あ”ぅっ…ぅ』






ステージに立つとき。


みんなはもう、準備ができているのに、


俺はなかなか立てずにいる。



青『赤くんっ!おいで?』


赤『っ、ごめんっ…無理、かも…っ』



桃『じゃあ俺、ちょくちょく確認しに行くからカバーよろしく。』


橙『まかせてや。』


紫『じゃあ1曲目が終わったときに一旦曲中断してもらおうか。』



ああ、立てない。前に進めない。


みんな、悲しんじゃう。


どうしよう、どうしよう…





赤『…っ…、』


立ち尽くす俺と、舞台ステージの上のみんな。



考えるだけで、苦しい。悲しい。


歓声に、音楽。



見たい


もう一度、あの景色を。





赤『っ、!』





赤『みんな~!!』




紫『っえ、赤くん!?』


桃『赤っ!』






ステージの上でも、過呼吸になったり泣いてしまったり歌えなくなったり。


でも即座にカバーしてくれたり、気に掛けてくれたり。






赤『へへっ…』



橙『ほんまびっくりしたで…』


青『さてはタイミング見てた?ベストタイミングすぎてびっくりしたよ…』


黄『ていうかよく対応してくれましたね…』


紫『ほんとにね~、色々すごすぎるよ』


桃『よく頑張ったな。』



赤『…! 』



『みんな、ありがとう。』








赤『……、家から、出たくない。 』

『どうしよう、、…』












赤『うつ病…、』










『震える俺と、舞台の上にいる君達。』


𝐸𝑁𝐷‪𓂃𓈒𓏸◌‬

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