この作品はいかがでしたか?
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2件
神作すぎました🤦🏻♀️💗 ぶくしつです!!
赤(桃赤、他あり)
ご本人様とは一切関係ございまん.ᐟ
長編です
赤『〜〜っ!♪』
歌うのが大好きな俺。
大好きだった、俺。
ガタッッ!!
バリンッッ!!!
大きな音が聞こえ、上を見ると
大きな照明の一部が俺をめがけて落ちてきていた。
観客の方からは悲鳴が。
舞台袖の方からは危ないという叫び声が。
ゆっくりに見えるのに体は動かせない。
そのまま照明の下敷きになり意識を失った。
赤『……』
紫『ワンマンライブ、お疲れ様。』
リーダーの紫くん。
心配してきてくれたんだ。
赤『……っ、今日は…いつですか…』
なぜか聞くのが怖い。
声が震える。
紫『〇日。2日経った、よ。』
赤『公式、放送は……』
紫『大丈夫。しっかり伝えたよ。』
『リスナーさんはみんな無事だよ。』
赤『…ポロポロ』
リスナーさんはみんな無事。
その言葉に安堵する。
紫 『体、痛くない?』
赤『ぅん…』
紫『よかった。』
赤『……』
橙『赤、おかえり。』
赤『っ、ただいまっ…!』
青『ゆっくり体調管理しながら慣れていこうっ!』
赤『ふふっ、そうだね』
黄『痛いところとかないんですか、? 』
赤『うん、もう治ったから退院したんだよー?笑』
黄『たしかに笑』
いつも通りで安心する。
それに、温かい。
あんな白くて冷たい病室とは大違い。
紫『あ、公式放送のページが完成してないから作ってくるね!』
赤『あ、俺サムネ作るよ?久しぶりに作りたいな』
紫『え、いいの!?』
桃『久しぶりの赤のサムネ!?』
赤『そんなに?笑』
『じゃあとびっきり可愛くしよっかな~』
『それとも真面目がいいかな?』
本当に、いつも通りの日常に戻ってきた。
でも、苦しいときは来る。
例えば…
『危ないっっ!!』
ガタッッ!!
バリンッッ!!!
あのときの夢を見たときとか。
赤『っっ!?』
『はあっはぁっ…ポロポロ』
『ぅ……ポロポロ』
赤『紫くんっ…ポロポロ』
『紫くん…』
紫『えっ!?どうしたの!?』
赤『…ぐすっ…ポロポロ』
紫『そっか…怖かったね、』
『俺は今行けないけど誰か呼ぼうか、?』
赤『うんっ…ポロポロ』
『誰でもいいっ…からっ…そばにいてほしい…っ…ポロポロ』
桃『赤ぁ~、?』
一番家が近い桃くんだ。
赤『桃ちゃ…』
桃『目赤いぞ~?』
『話は聞いてるから、』
赤『……』
桃『、赤はさ…歌うの、好き?』
赤『…ぅん、』
桃『じゃあさ、ステージに立つのは、どう?』
赤『………』
桃『そっか、』
『いつか、いつかでいいからさ…』
『一緒に立とうぜ。』
赤『……』
無理だ。そんなの、無理…
怖い、凄く怖い。
あの日を、鮮明に思い出してしまうだろう。
今のまま、配信したり、撮影したり…
それで、いい……、けど…けどっ…!
みんな、ライブがしたい。
リスナーさんも、俺達に会いたい。
俺だって…ライブがしたいっ…
けど、怖いことは怖いんだ。
ああ、どうしよう。
紫『今日は夏に向けてのイベントの話し合いなんだけど…』
『俺的にはどんな形でもいいからライブがしたいなって…』
赤『っ…』
紫『もちろん、無理だと思ったら言って、?』
俺に向けた言葉だろう。
今無理だと言ってしまえば、これから先も甘えてしまう気がする。
でも、やろうなんて言って後悔するのも嫌だ。思い出すのが、嫌だ。
赤『……』
橙『無観客ライブとか、バーチャルライブとか…色々あるし、どれかできたらええよな』
『できんくても、いいんやけどな…?』
でもやっぱり、会いたいよね。
それは同じだから、すごくわかる。
赤『……っ、』
青『…赤くん、無理は…っ』
赤『…ポロッ』
黄『赤…』
紫『…ごめんっ、やっぱやめよっ…』
赤『…ごめん、なさい…ポロポロ…』
赤『……』
ライブ…
したいけど、またあんなことが起こったら…
そう思うときっと怖くて怖くて、迷惑をかけてしまうだろう。
ステージに立つと動けなくなり、声も出なくなるかもしれない。
それでも、もう一度したい?
……うん。
赤『ね、っ…、ねぇ…っ』
青『んー?』
赤『俺、やっぱりライブがしたいっ…』
紫『赤くん…』
赤『きっと迷惑をかけるし、声だって出るかわかんないし、動けなくなるかもしれない…けど、』
『諦めたくない。』
紫『本当に、?』
赤『うん。嘘はつかないよ。 』
桃『じゃ、俺らは赤のこと監視しとくか笑』
赤『…!ふふっ、よろしくね。』
さりげない気遣いに、心配そうな眼差し。
全てが、幸せの象徴。
赤『っ、ふぅ、ふぅ…』
ライブの練習や会議が始まってからは、少しずつ実感が湧いてきて
少しずつ不安が高まっていく。
夢を見たり、想像しちゃって苦しくなったり。
それでもあの、楽しみな気持ちが楽しい。
青『ねぇ僕ソロ曲やりたーい!』
セトリを決めようとなった瞬間に声を出したのは青ちゃん。
黄『え、でもそれだと時間の調整が…』
紫『まぁいいんじゃない?』
橙『ペア曲のほうが色々歌えそうだよなぁー』
桃『じゃあどっちも…』
紫『ごめんそれは無理。笑』
何か話さなきゃ。
赤『ぁの…ペア…のほうが…ぁ、でも…』
『歌えなくなったら誰かが一人…か…』
桃『じゃあやっぱりどっちも…』
紫『ごめんそれは時間が…笑』
橙『…笑』
『そらそうよな、一人は不安よな、』
黄『じゃあペアにしましょっ!』
青『どのペアがいいんだろ…?』
赤『俺的には青ちゃん以外かなぁ…笑』
青『は!?なんでぇ!?』
桃『青だと心配になるんだろ笑』
青『うぇぇぇ…🥺』
赤『冗談だよ笑』
橙『赤、大丈夫?』
赤『っ、ふっ…はっ…あぅ…っ』
黄『大丈夫ですよ、赤。』
赤『んっ、、は…ふっ…ふぅっ……』
黄『休憩しましょうっ』
橙『そうやな、無理は絶対あかんな、』
なんで、なんでこんなっ…
ただ、練習してるだけなのにっ…
紫『ステージ、上がれる?』
青『とりあえず上がってみよう?』
赤『ぅ、はふっ…ポロッ』
紫『待つからね、今日はまだ誰もいないから。』
青『少しずつ、ね…?』
赤『ぅ、はぁっ…はふっ…ぅ… 』
『っ…!』
紫『そう、そうだよ…!大丈夫だよ、』
ステージに、上がるだけなのに…
ただ、それだけなのに…
なんでこんなに怖いの…!
本番が近づく。
リスナーさんの様子を見るたび楽しさと怖さが増してく。
赤『こわいっ…ポロポロ』
桃『大丈夫、大丈夫…』
『たとえ泣いても、歌えなくても、いるだけで俺らもみんなも嬉しいよ。』
赤『うぅっ…はふっ…ポロポロ』
紫『一人じゃない。事故も起こらないように何回も何回もチェックしたよ。』
赤『はっ…はぁっ…はふっ…ポロポロ』
心配かけたくないのにっ、
嘘でも大丈夫だよって、言いたいのに…
呼吸がしづらいっ…
赤『っ…あ”ぅっ…ポロポロ』
ステージに立つとき。
みんなはもう、準備ができているのに、
俺はなかなか立てずにいる。
青『赤くんっ!おいで?』
赤『っ、ごめんっ…無理、かも…ポロッ』
桃『じゃあ俺、ちょくちょく確認しに行くからカバーよろしく。』
橙『まかせてや。』
紫『じゃあ1曲目が終わったときに一旦曲中断してもらおうか。』
ああ、立てない。前に進めない。
みんな、悲しんじゃう。
どうしよう、どうしよう…
赤『…ポロポロ』
立ち尽くす俺と、舞台の上のみんな。
考えるだけで、苦しい。悲しい。
歓声に、音楽。
見たい
もう一度、あの景色を。
赤『っ、!』
赤『みんな~!!』
紫『っえ、赤くん!?』
桃『赤っ!』
ステージの上でも、過呼吸になったり泣いてしまったり歌えなくなったり。
でも即座にカバーしてくれたり、気に掛けてくれたり。
赤『へへっ…』
橙『ほんまびっくりしたで…』
青『さてはタイミング見てた?ベストタイミングすぎてびっくりしたよ…』
黄『ていうかよく対応してくれましたね…』
紫『ほんとにね~、色々すごすぎるよ』
桃『よく頑張ったな。』
赤『…! 』
『みんな、ありがとう。』
赤『……、家から、出たくない。 』
『どうしよう、、…』
赤『うつ病…、』
『震える俺と、舞台の上にいる君達。』
𝐸𝑁𝐷𓂃𓈒𓏸◌