白鳥沢の監督は鷲匠鍛治監督。
鷲匠監督はシンプルで強い、にこだわる。
鷲匠監督の強い、に当てはまれば今まで浮いていてチームに馴染めなかった選手も白鳥沢では輝く。
若利くんは
体格に恵まれて、天性と言っていい
左手のスパイク、そして強度までもが完璧で
白鳥沢のNO.1エースだ。
若利くんにトスをあげれば
確実に決めてくれるという信頼は厚い。
お兄ちゃんはそう言っていた。
インターハイの全国が終わってから
お兄ちゃんの様子がおかしい。
いつもより帰ってくるのが遅くなったし
話しかけても適当な相槌しかしてくれなくなった。
『なにかあったんだと思うんだよね·····
なにか知ってる?白布くん』
シラブ「·····知らねぇ」
白布くんは相変わらず冷たい!!
でも答えてくれるだけマシ!
あの時、以降から仲良くなれたというか
絆?が深まったような気がしてたんだけど
私だけだったのかな。
寂しいって言ってくれたのが嬉しいから
毎日たくさん話しかけて
最終的に「うるせぇ黙れ」って言われるのが
オチになってきた。
もう逆にそれに興奮してきた(?)
白布くんに罵られたいのかもしれない私。
『そっかぁ·····お兄ちゃん帰るの遅いし
なんか心配になってきちゃった』
そう言う私を白布くんはじっと何か言いたそうな目で見つめていた。
いや、睨んでただけなのか!?