作者でーす!
今回も、ワイテさんのお名前をお借りします!
本人様とは関係ありません!
BL要素出てきます!(この回では出てきません!)
それでは、地雷さんはお逃げください!
本編スタートです!!
〜きんときSide〜
初めて見た時、俺はその美しさに思わず見とれていた。
華奢で細い体。色白な肌。そして、整った目鼻立ち。両端が少しだけ吊り上がった目は美しく、視界の先のものを静かに睨んでいた。
一目惚れ。
その言葉が、1番正しいと思われた。
でも、“彼”に話しかける勇気は、中々湧いてこなかった。なぜなら、
俺は男だから。
き 「ねぇ、」
N 「何?きんとき。」
俺は、友人のNakamuにこの事を相談することにした。
き 「男が男を好きになるって、変?」
N 「なに、ジェンダーレスの話?どうしたの急に。」
き 「……友達が、言ってて。俺も気になったから。」
下手な嘘。でも、気が付かれたくなくて、俺は頑張って嘘をついた。
N 「……ふうん。」
Nakamuは、そこにはあまり踏み込まないでくれた。
N 「別にいいんじゃない?俺は変だとは思わないけど。まぁ、それは変だって言う人もいるだろうけどね。別に、誰が誰を好きになったってその人たちの自由じゃん?俺はそういう性別とかで区別するの、嫌いだな。」
そこまで言うと、Nakamuはふと顔をあげた。
N 「きんときは?」
き 「え?」
N 「きんときはどう思う?それが大事じゃない?」
き 「俺、か…」
分からないから相談してるんじゃねーか。俺は、好きになっちゃったんだ。でも、相手はそういうのが嫌いだったら?急に話しかけて、変な勘違いされるのも嫌だし。
俺がどうか、なんて……
き 「……分かんない。」
N 「えー?自分の考えでいいよ。きんときはどっち?」
き 「…俺は、変だとは思わないけど、相手がどうか分かんないじゃん……。」
N 「やっぱ、きんときのことだったんだ。」
き 「へ?…あ、え……」
N 「気づいてたよ、最初から。」
Nakamuはいたずらっぽく笑うと、ぱさりとフードをおろした。
N 「きんとき、男の人好きになっちゃったんだ。」
き 「……なんだよ」
N 「ううん、なんもwちょっと意外だなぁって思って。」
き 「…そう?俺、あんま性別気にしないよ?」
N 「へ〜」
Nakamuは珍しそうに俺を見つめ、それからふふっと笑った。
N 「話しかけてみたら?」
き 「え…」
N 「以外と、会話はずむかもよ。」
き 「そう……、そっか…。」
俺は、家に帰ったら話しかけてみることにした。Nakamuに感謝だな。
それからしばらく俺たちは雑談をし、家の前に帰って来れたのは、午後4時過ぎだった。
俺は、彼の姿を探した。
彼は、数日前にここの辺りに引っ越してきた、同い年くらいの青年だ。外に出ているのをあまり見たことがないが、前に1度だけ、外を散歩しているのを見かけた。それ以来、俺は彼のことが気になって仕方がなくなったのだ。
き (今日はいないのかな……)
諦めて帰ろうとした、その時。
き (……あっ、)
彼を見つけた。
家の前の公園のベンチに腰掛け、スマホを見ていた。
その横顔に、遠くからでもドキリとした。
き (声かけるなら、今がチャンスだ!)
俺は、道路を渡って彼の元へ歩み寄った。
き 「あ、あの……」
? 「…?」
思い切って声をかけてみると、彼はくるりと振り返った。
あの美しい瞳に見つめられ、俺は胸が高鳴った。
き 「ええっと……君、最近ここらへんに引っ越してきた子だよね…?」
? 「そうですけど……」
き 「名前、きいてもいい?」
? 「俺の名前は、シャークんっす。あなたは…?」
き 「俺は、きんとき。」
彼は、あまりにもあっさりと名前を教えてくれた。その間、彼の表情は変わらなかった。淡々としていて、少し冷たい。その姿にすら、俺はキュンとした。
き 「俺、近所の人と仲良くしたいんだ。君も、友達になってくれない?」
シ 「いいっすよ。俺も、親しく話せる人あんまいなくて困ってたし。」
シャークんは、初めて、少しだけ笑った。儚くて綺麗な花のようだった。
綺麗だなぁ。
俺は、思わず手を伸ばしそうになって、慌てて引っ込めた。
き 「隣、いい?」
シ 「はい。」
き 「あ、敬語じゃなくていいよ。多分同い年だよね?」
シ 「22です。」
き 「あ、俺も。」
シ 「じ、じゃあ、きんとき…。」
き 「うん。俺もシャークんって呼ぶね。」
シ 「よろしく。」
き 「うん、よろしく!」
俺とシャークんは、そのまま30分ほど話してから、各々の家に帰った。
き (1日で大分仲良くなれたなぁ…。)
俺は、ベッドの中で目を閉じながら、今日のことを思い出していた。
間近で見た彼の顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
き (綺麗だった……。)
頭の中に今日の記憶をそっとしまい、俺は静かに眠りについた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!