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翌日。

ボラス「これは、5日間投与しないといけない薬だ。これに耐えてもらう。投与後、何か体の異変があったら言ってくれ」

カヤト「く、薬ぃ?い、いやだ。痛いのやだ。俺痛いの一番やだ」

ボラス「大丈夫。注射ではなく、ガスだ。上から来る。激しい頭痛なんかが来るから身構えておくように。では」

檻より外側に専用の厚い壁がある。近くにあるボタンを押せば、壁が下り、部屋中にガスが広がる。ヴァンパイア以外は有害だから俺らに被害が出ないようにする為に壁を下ろす。

薬は1日1回だ。それは薬が全体に行き渡るまでしばらく時間がかかるからだ。

噴出時間は訳10分。その間、俺は地下室から離れ、昨日カヤトから聞いた事を資料に追加する作業に移ることにした。

10分過ぎた後、もう一つのボタンを押す。これは充満したガスを吸引してくれる。5分経ったらボタンを押して壁を上げる。



2日目はカヤトに自己紹介をした。

したところでいずれここを離れることになるだろうと思っていたが、こいつの帰る場所あんのか?

ほとんどはそういう専用の施設へ引き取ってくれたりするが、

こいつは……たとえ人間になれど何をしでかすか分かんねぇな。しかも、あの館で有名になって怖がって距離を置く人もいるだろう。

相談してここに住まわせることにした。勿論地下で。

もうここにはカヤトしかいない。人間に戻す人物が少ないからだ。多分しばらくは仕事ないんじゃないか?


俺は、確認に地下へ降りた。今日は本を持ってだ。

まぁ、あんな感じだから到底本読むのが好きな奴じゃなさそうだが。

シャスカ「飯食ったか?なぁ、もう3日経つぜ?半分だ、頑張ろうぜ」

カヤト「……」

俯いてんな…。

シャスカ「…ここに来て薬もらったやつ皆んなそんな感じだよ。こっちも出来るなら楽に人間にさせてやりたいよ」

カヤト「…こんなの、死んだ方がまだマシだって。じゃあ変えてくれよ、楽にさ」

シャスカ「作るのは俺らじゃない。俺らは与える側だ。試しに与えてどうなるか実験して、結果を元に相談して改善して今の薬になったんだ」

カヤト「実験体にされたやつかわいそーだな」

シャスカ「極悪なヴァンパイアで死刑対象の奴らを実験体にしたんだよ。更生が見込めない、救いようがない奴。これは、改良して今が7回目になる」

カヤト「思ったより改良されてんだな」

シャスカ「薬は直接届けに来てくれる。製薬開発者と一緒に実験するんだ」

カヤト「へー」

シャスカ「なぁ、俺、適当に上にあった本持って来たんだよ。興味ねーと思うけど。こういうのもたまには悪くねーだろ?」

カヤト「えー本〜?やだ」

シャスカ「そういうかと思って絵本だ。どうだ?これなら絵、いっぱいあると思うから飽きないと思うが」

カヤト「舐めてんのか、俺はガキじゃねぇんだぞ」

シャスカ「でも、未成年だろ。だったらガキには変わりねぇから」

カヤト「未成年じゃねーし」

シャスカ「ふっ、強がんなよ」

カヤト「本当だって。でもずっとヴァンパイアだったから年齢どーでもよくなってたけど。確か、20、20歳。もう大人の仲間入りなんだぜ?」

シャスカ「こんなのが仲間入りとかやだな」

カヤト「そういうお前は?」

シャスカ「内緒」

カヤト「はぁ!?お前だってガキなんじゃねーのか??」

シャスカ「少なくともお前よりか生きてる方、だと思うが。あそこにずっと居たから正確には、分からねーけど」

カヤト「じゃあジジイか」

シャスカ「何でそーなるよ。取り敢えず、ほれ」

ドサッ

俺は檻越しに地面に落とす。

カヤトは本を手に取る。

カヤト「…んーつまんなそーだな」

だと言うと思った。少しは興味持て。

シャスカ「あーほら、これとかどうだ?ん、これ俺読んだことあるぞ」

4冊あった中で適当に拾い上げたのが読んだことがある絵本だった。

シャスカ「これ知ってっか?大昔、お前が襲った街、女帝が統治してたらしいぜ〜?ここらの神話にもなってるらしい、疑いたくなるぐらい嘘くさいって思うが。あ、こいつ知ってる?なんか悪者…らしいぜ?俺も読んだの結構前だからあんま覚えてねーんだけどさ」

ペラペラページを捲るとある男の絵があったからそれを見せながら言った。

シャスカ「どーした?もしかしてカッコ良過ぎて見惚れたか?ははっ、まぁ、絵本にしてはゆるくもない、漫画にありそうな絵だけどさ。もしかしたら絵的に子供向けじゃねーのかもな。あ、文字はお前でも読めるような文章だぜー」

なんてカヤトを揶揄うように言った。

すると、カヤトがぼーっと見つめながらその絵を見つめながら、

カヤト「こいつの名前、何?」

シャスカ「何だと思う?」

カヤト「はぁ?何それ、カルマ?」

シャスカ「…正解!すげーな」

カヤトは自分で次のページを捲った。

カヤト「あ、この女。この村のトップだったから。利用しようと思ってさ。無理矢理結婚した。でもこいつ意外と悪くなかったなー」

シャスカ「…は?え、、文章見た?」

の、乗っ取り……この絵本にはない…。この神話関連の話は俺が知らないものもあるのかも。もしかしたらそこに載ってるのかもな…。

カヤト「見てねぇ、絵を見て直感で言っただけ」

シャスカ「じゃあこの本昔から知ってたとか?」

カヤト「いや、知らねーしこんなの」

シャスカ「じゃあこの神話関連の本、これ以外見たことあるとか?」

カヤト「いいや」

シャスカ「…じゃあ、何で、」

するとカヤトはページを戻して、

カヤト「これ俺かも」

と言った。何言ってんだこいつ。

シャスカ「じょ、冗談キツイって!お前生まれてねーだろ?こんなハンサムお前な訳…」

カヤト「…あの村って今、街になったのか。まさかここだったとは」

何やらボソボソ言ってる。俺、実はこの時代にいましたアピールか?厨二病なのか?怖すぎる。

シャスカ「薬のせいか?疲れてんのか?」

こういうこともあるのか…製薬開発者に伝えるか…。こんなん聞いたことねーぞ。


シャスカ「…って事があってさ。ビビったわ」

ベラドール「な訳ないって!冗談言ってるに決まってる」

ボラス「薬による副作用か…」

シャスカ「んーだと思ってる」

ベラドール「その絵本関連の話。もうちょっと深掘りしてみねーか?」

ボラス「もしかしたら当時の記憶だけを引き継いでるだけの大昔のここの前世を持ち合わせていない可能性もある」

シャスカ「…しばらく仕事ないだろうしな」

ベラドール「話に付き合ってくれると思うけどな。3人で行ってみようぜ」

俺らで地下へ降りた。

断罪ヴァンパイア

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