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帰り、3人はまた麗乃の後をつけていた。
「いつまでストーカーすんだよ。蒼。」
「しっ。黙って。」
「だって心配でしょ?麗乃のこと。」
「まぁーーな??」
木の影に隠れながら、とぼとぼ歩いている麗乃の後ろ背中を見ながら着いていった。途中、森にいる生き物が麗乃の足元に出てきたのが見え、麗乃が話しかけているのを阿須が気づいた。
「聞くぞ。」
「…。私、どうしたらいいのかな…。お金、何も無いよ。食べ物も何も食べれてない。っ、どうしたら…、いいの…っ、」
麗乃が1人で泣き始める。
「阿須、麗乃。泣いてる。」
「どうしよ、俺、泣いてる女子の相手出来ねぇんだよ。」
あたふたしてる阿須と彗を見て、蒼はため息をついた。
「もー。あーいうのはそっとしとくのが1番なの。男子は。」
「「はー??」」
そう言っている間に、麗乃はまた歩き出していた。3人は焦り、それをまた追いかける。
すると急にまた麗乃が立ち止まり、3人もそれと同時に立ち止まった。すると上から木のつるのようなものが降ってきて、3人はそれに縛られた。
「あれ?!なんで3人がいるの?!ごめんなさい、敵かと思って…。」
「びっくりしたぁ、急に立ち止まるから怖かったわよ!!」
蒼が怒る。珍しく、彗と阿須も油断していたのか捕まっていた。
「くっそ、麗乃!てめぇ、早くこれ解除しろ!!」
「ほんとごめんね!!!」
麗乃は自分の手のひらから出ているつるを解除し、3人を解いた。
「で、なんで3人揃っているの??」
「い、いや、たまたま途中で出会ったんだよぉ。」
「おい、蒼。嘘つくなよ。」
「は?!」
麗乃が流石に困っている。阿須は正直に麗乃に聞いた。
「お前、あれ家族?大金渡してたけど。」
「え?なんのこと?」
「「「え????」」」
3人声が揃う。あれは確かに麗乃のはずだった。フリルの着いた服を着ていた人は他にいなかったはず。
「人違いじゃないかしら…。皆、この前の戦闘で疲れてるのよ。帰って休んだ方がいいわよ…?」
「あれ…。絶対麗乃だと思ってたんだけど。俺たち。な?阿須。」
「おう。見間違えなはずねぇ。」
「でも、違うものは違うから…。私帰るね。 」
麗乃が足早に帰り、3人は唖然。
「俺らの見間違え…??」
「いや、おかしいでしょ、じゃあ、最初から私と彗は麗乃じゃない人を追いかけてたってこと? 」
「そうなるよね。」
3人とも疑問に思い、とりあえず帰るかと解散した。
阿須自宅
「なーー、出雲ぉぉ」
「どうしたー?阿須。」
「麗乃の家庭環境のこと知ってる?」
「…。」
出雲が作業を続ける。
「なーなー。なんで無視すんのー?」
「知ってるよ。でも、麗乃からは話すなって言われてるんだ。例えお前でも話せない。」
「えー。あいつ、泣いてたんだぜ??」
「は??」
出雲が口を開けて、阿須に顔を向ける。
阿須がまた「だーかーらー」と言いながら、
話し始めた。
「麗乃が泣いてたんだって。蒼はずっと心配してるし、彗はずっと俺になんでかって聞いてくる。でも、俺達、麗乃のことなんも知らねぇから何も出来なかったんだよ。」
「仲間の為になにかしたいと思うか?」
「ったりめぇだ。」
「しょうがない。阿須だけに教えてやる。一応お前はリーダーでもあるからな。ただ他の2人には言うな。分かったな? 」
「っし、分かった。」
続