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目を覚ますと、そこにはいつも通りの光景が待っていた。彼はベッドから身体を起こし立ち上がる。散乱したデータは無尽蔵に部屋を埋め尽くしていた。
散乱した部屋に歩ける床を探して一歩ずつ時間をかけて進む。そして、漸くドアまで辿り着き、ドアを開ける。するとそこには、黒のオーバーサイズなプルダウンパーカーを着た少年がいた。
彼はデータの散乱してる部屋を見て、まるでゴミ屋敷を見るような目で見詰めていた。
「なにそれ……?」
「こ、これ?これは……研究資料用のデータだよ」
彼は呆れた口で返した。
「データねぇ……お前、本当にちっせぇ頃から整理整頓できねぇよな」
「あは、あははぁ……」
そして、少年は続けて問う。
「んで、朝から呼び出しておいて何の用だ」
「ああ、それがね、昨日異常観測を検知した場所があって一緒に来て欲しいんだ」
「異常観測ぅ?」
彼は「そう」と返して異常観測に関して、少年へと話した。
「成程、確かにそれは放っておけないな」
「だから、リンにもお願いしたいんだ」
リンと呼ばれた少年は渋々頷いて、異常観測を検知したという地点へと向かった。
「にしてもここら辺ってこんなオンボロな建物ばっかだったっけ?」
「つい最近、解体工事が入ったし、ここは元々あんまり人が住んでないからそれの名残かも」
「ふーん、25世紀にもなって廃墟群とは、人類は一向に進歩してないな」
そうこう話をしていると二人はその地点へと辿り着いた。一見するとそこはただの廃墟が建っていただけで何ら異常は無さそうだった。
「ここか」
「うん、今もちょっと変な数値が出てる……絶対何かあるよ」
彼はそう話すがリンは何も無さそうに感じていた。
「って言ってもここ、何にも……ん?」
「どうした、リン?」
リンは警戒し、背中に担いだ剣の柄に手を掛ける。
「なんか聞こえた、なんかの息が聞こえた」
それから数刻した後、廃墟の奥からとてつもない轟音が響き、廃墟が崩れ落ちる。
「なんだ……!?」
「武装兵の巨人型か」
廃墟の奥から現れたのはゆうに12メートルを超える大型の武装兵だった。
「エネルギー貯蔵型武装兵、何故ここに!?」
「いいからてめぇは下がってろ!」
少年は飛び出し空を舞い、背中に担いだ巨大装甲エネルギー剣銃を手に取り、銃口を武装兵の頭部に定め、エネルギー弾を撃った。それは、武装兵の頭部を貫き、武装兵は頭部を爆発しそのままその場に大きく斃れた。