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大地は入院をして一ヶ月になるが、唯一の楽しみは部屋のテレビでジャガーズを応援することである。ただし、大地の部屋は二人部屋のため、夜の8時までしか見られないのだ。


そして、いつものように大地がテレビをつけると、何かが違っていた。


「ママ、タムが出てないよ」と大地が言った。


「ほんとに?」とひとみが聞くと、


「ほんとに出てないもん」と言ったため、幸雄が、


「田村選手は、怪我で休んでいるんじゃないか?」と言った。


「タムが怪我をしたの?大丈夫かな?」と大地が不安そうに言ったため、


「きっと、すぐに治るから大丈夫だよ」と幸雄が言った。


その時、面会時間ぎりぎりに幸雄の弟、幸二が大地の見舞いへ来た。


「こんばんは、大地君。元気にしてる?」と幸二が言うと、


「幸二君、わざわざ来てくれてありがとう」とひとみが言った。


「いえ、僕は相変わらず暇にしていますので」と幸二が少し笑って言うと、


「お前もいい加減、定職についたらどうだ?まだフリーターだろ」

と幸雄が言った。


「兄貴に会えば、その話ばかりだからな」と幸二は少し不満そうに言った。


幸二は私立の大学を出て就職をしたが、半年はもたず、その後いろいろなアルバイトについていた。今はフリーカメラマンとして記事なども書いていると、母親から幸雄は聞いていた。


「今回はいつもよりギャラが良かったから、大地君にお土産を買って来たよ」

と幸二が言うと、


「ギャラって何?」と大地が聞いた。


「幸二!お前がそんな言葉を使うから」と幸雄が幸二に強く言うと、


「大地君、ギャラっていうのは、お金のこと。会社の人からお金をもらったんだよ」と少し焦って幸二が言うと、大地へ筆箱と一ダースの鉛筆を渡した。


「来年、小学校で使ってね」と幸二が言うと、


「まだ10ヶ月、先だぞ」と幸雄は呆れて言ったが、


「ありがとう、幸二おじちゃん。あのね、幸二おじちゃんに見せたい物があるの」

と大地は言ったため、


「何?」と幸二が聞いた。


大地は枕元に置いてある宝物を見せた。

「サインボール? 誰のサインボール?」と幸二が聞くと、


「タムからもらったの」と大地が言ったため、


「タムって誰?」と幸二が尋ねた。


「ジャガーズの田村のことだよ」と幸雄が言った。


「田村がここにも来たの?」と幸二が意味不明なことを言ったため、


「ここにもというのは、どう言う意味だ?」と幸雄が尋ねた。

奇跡を信じて(生まれ変わり)

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