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[侑] 俺の可愛い🌸
その日、🌸は何気なくテレビをつけていた。
侑が映ると落ち着かないのは、いつものこと。
けれど――次の瞬間。
画面のテロップが目に飛び込んできた。
「速報:MSBY宮侑選手、一般女性との結婚を発表」
「……へ?」
椅子から半分浮き上がった姿勢のまま固まり、
次の瞬間、衝撃が強すぎて――
バタァンッ!
「ちょ、……えっ!?」
思わずひっくり返った。
頭より先に心臓がバクバク暴れ、視界がぐらつく。
自分の名前は出ていない。
でも“結婚発表”と“宮侑”の文字が並んだだけで、
脳が処理を放棄した。
「ちょ、待って……聞いてない……え、聞いたけど……でも推しが結婚なんて……むり……!」
混乱しすぎて何が“無理”なのかもわからない。
ただ心臓がうるさくて、身体の力が抜ける。
そんなとき――玄関の方から聞き慣れた声。
「ただいまー……あれ?なんで倒れてんの?」
のんきな足音とともに侑が現れる。
🌸は床にひっくり返ったまま、震える声で絞り出す。
「あ、侑……推しが、け、結婚発表……テレビで……」
侑は一瞬だけポカンとし、
次の瞬間、口元をにやりと釣り上げた。
「あ〜、あれ。
今日解禁って聞いてたけど……ひっくり返るほど驚く?」
侑はしゃがみこみ、倒れている🌸の顔を覗き込む。
その目は獲物を見つけたみたいに甘く、独占欲で光っていた。
「……可愛すぎるやろ。
自分との結婚報道で倒れる嫁、おる? 反則やで?」
そう言いながら、ひょい、と軽々抱き起こされる。
胸に額を押しつけたまま震える🌸を、
侑はゆっくり撫でた。
「大丈夫や。
推しの結婚てゆーても俺が結婚するんはお前だけやし、
お前と以外やったらニュースにもならん。
そんくらい、俺が選んだ女は特別なんやで」
耳元で囁くように、甘く、低く。
「倒れるほど好きなん、証拠やんな?」
🌸が真っ赤になると、
侑はニヤッと笑いながら続けた。
「しゃあないなぁ。
よし、もう今日は離れへん。
なんなら、ひっくり返らんようにずっと抱いとったる」
ひょい、とそのままお姫様抱っこ。
「そんで……ちゃんと実感させたるわ。
“宮侑の嫁は🌸だけ”ってな」
彼はテレビの音をリモコンで消し、
代わりに彼女の額へ静かにキスを落とす。
「結婚発表で倒れる嫁、世界一可愛いで。
責任、ちゃんと取らせてもらうから覚悟しぃ?」
――その後。
侑は終始ご機嫌で、
倒れかけるたびに抱きしめて離さなかった。