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「「わぁ〜!!可愛いー!!」」
天満と風音はこちらをじっと見つめ、首を傾げる子犬に目を輝かせた。ちなみにすまないは先程エウリに風呂場に連れてかれた(笑)
「首輪してないわね?捨て犬かしら?」
と、エウリはその子犬の頭を撫でる。子犬は嬉しそうに目を細め、コロンッと仰向けになる。
「「「かわい〜!!」」」
完全にメロメロだ。すると、タオルで頭を拭きながら風呂上がりのすまないがやってきた。
「竹林で怪我してたのを拾ってきたんだ。多分、捨て犬じゃないかな?」
「まぁ・・・こんな可愛い子を捨てるなんて・・・」
と、エウリは少し悲しそうに言うと、
「ねぇお母さん!この子飼ってもいーい?」
と、天満はその子犬を抱え、エウリにお願いした。
「え、もちろん。全然いいわよ?」
「早っ!?」
あっさり許可を出したエウリに思わず風音はツッコミをいれた。
「いいんですか?」
「えぇ、あの子犬をこのまま外に放り出すのもね。」
天満は嬉しそうに子犬を高い高いしていた。すると、子犬はヒョイっとすまないの元へ駆け寄り、足にしがみつく。
「それに、すまないさんにとても懐いてますしね」
「確かに・・・」
すまないは足元の子犬をヒョイっと抱き上げると、子犬はぺろぺろと小さな舌ですまないの手を舐める。
「こら、くすぐったいよ」
と、すまないは子犬の頭を優しく撫でる。その光景に皆優しい眼差しで見守っていた。ふと、風音が聞いた。
「ところで、その子の名前、何にするんですか?」
「へ、名前?」
「師匠に懐いてるんだし、師匠がつけた方がその子も喜ぶのでは?」
と、風音の提案に、すまないは少し考えた。ちなみに子犬はお腹を向け、可愛い寝息を立てながら寝ていた。
「・・・うーん・・・“ハチク”とかは?」
「「「“ハチク”?」」」
天満、蓬莱、風音は聞いたことない単語に首を傾げた。
「えっと、この子竹林にいて。その竹林で偶然ハチクって言う竹の花を見たんだ。竹の花ってとっても珍しくて、遅くて120年に1回しか見れない花なんだ。で、この子には、まっすぐで、長く生きて欲しいって意味で“ハチク”・・・ど、どう?」
と、すまないは遠慮がちに聞く。すると、
「いいじゃんハチク!かっこいい!!」
「確かに。病気ひとつせず長生きして欲しいものね。いいと思う」
「私もいいと思いまーす!」
「私も賛成よ」
と、皆からの答えは肯定だった。
「じゃあ、よろしくね?“ハチク”」
と、すまないは子犬、いや、ハチクの頭を優しく撫でた。
こうして、英雄家族に新しい仲間が出来た。