100万年前、
俺の住む国には異界へと繋がる時空の歪みがあったらしい。
用途はゴミ捨て場だという。
だがそんな話も今現在ではマイナーな妖怪話となっていた。
それはそうと今日も俺は日課の新聞を読む。
「○✕村が崩壊…」
大きく書かれた題名を口に出して読む。
俺が住む村の隣の隣の、また隣の村。
だいぶ遠い。
「崩壊ね…まぁあそこ森の中だったし山火事でも起きたら終わりだなって思ってたけどな…」
多分、そんな感じで村は崩壊したんだろう。
てかそれよりも…
「また今日もずっと雨か…」
「明日も明後日も…」
『はぁ…』とため息を吐きながらテレビのニュースでも天気予報を見る。
最近は雨ばっかで憂鬱だ。
でもまぁ今は梅雨の時期だから仕方の無いことだ。
「明日も雨だってよ〜…」
「まじ最悪だよなぁ…」
そんな話をしながら友人の愁と暁斗とレストランへと向かう。
「てか今日金あるわ」
「え、奢ってくれよ」
「え〜…まぁ、いいよ」
「やりぃ!!てかお前がそんなこと言うなんて本当に金あるんだな」
「当たり前だろ?」
「俺はハンバーグのAセットで」
「あ、じゃあ俺も同じので〜」
「じゃあ俺は…」
自分の金じゃないなら好きなもん食っちまおっかな〜
そう思った俺は
「これで!」
と特大のステーキを頼む。
「おい、お前…」
「自分の金じゃないからって調子乗んなよ」
そう言いながら愁は笑いを含めた声を飛ばしてくる。
「お肉の硬さはどうしますか?」
「あ〜…ミディアムレアで」
「かしこまりました」
「そこはレアじゃないんだ?」
「だってレアってほぼ生じゃん」
「なんか細菌とか怖いし〜?」
「いや、ミディアムもほぼ一緒だろ」
「やっぱうめぇ〜!!」
そう言いながらステーキを頬張る。
特大サイズを頼んだが、すぐ無くなりそうなくらい美味い。
「ステーキ美味そうだな…」
「いやでもハンバーグも結構美味いぞ」
「まじか」
「次来た時ハンバーグにしようかな…」
「次は自分の金で支払えよ?」
「当たり前だって!!」
笑いを含む会話を交わしながらもステーキを頬張る。
肉汁が溢れ出して美味い。
だけどミディアムのおかげか、
固すぎず柔らかすぎずで尚美味い。
舌でゴロゴロと転がしながら鼻で香りを出すと勝手に満足気な顔が出来上がる。
「本当お前って美味しそうに食うよなぁ…」
「そうか?」
「マジそれな?」
「食い方だけは褒めてやるよ」
「おい!!食い方だけってなんだよ!」
レストランを出るともう夕方だった。
「もう夕方か〜…」
「でもまぁ外出た時間がそもそも遅かったしな」
「確かに」
「最近喉痛ぇな…」
「風邪かな…」
もしくは口開けて寝てるとか。
ありそうだな…
てかいつもより背が高い気がする。
「気のせいか」
「てか今日の昼飯何にしよっかな〜」
「やっぱりこれに挑戦するべきか…?」
そう言いながら新しく発売されたが、
食わずに放置してあったカップ麺を取り出す。
「でも辛そうなんだよなぁ…」
調子に乗って買った辛そうなカップ麺。
挑戦出来ずに未だに未開封。
裏面にはマヨネーズをかけると辛さdownと書いてある。
「マヨネーズか…」
「あ〜…でも昨日マヨネーズ使い切ったんだった…」
「買いに行くかぁ…」
そう愚痴のような不満なのような声を漏らしながら買い物の準備をする。
「てか太ったかな…」
「マヨネーズ食いすぎたせいだよな多分…」「ダイエットね…」
「明日からでいいだろ」
絶対しないと言っているようなこととほぼ同じような呟きを漏らし、キツくなってしまった服を無理やり着る。
そうして家を出て買い物へと向かった。
「てか昼寝しすぎたな…」
「もう夕方じゃねぇか」
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ヒント ・題名 ・食 ・始まり