やぁ!
続きだよ!!
では、いってらっしゃぁい!
ナチス「ッふッ、!!」
バシッ
ナチス「……〜、はぁッ、ッ」
ブンッ
バキッ!!
ナチス「……、ッ、、……」
朝焼けと共に開始したはずの自主鍛錬。
気付けば周りは日が落ち始め夕陽が眩しかった。
ナチス「…………負けてられん、ッ、」
ギュッ
マメが潰れ、血が出ている拳を握りボロボロになった木彫りの人形を見つめた。
あれから丁度7日経った。
俺は負けず嫌いだからな。
勿論彼に勝ちたい
今でも脳裏には、あの無駄のない力の入れ具合と、こちらに一切引けを取らないスピードがこびり付くのだ。
ナチス「…………ふぅ……、」
集中力が切れた、
たまには……
カランッ
〜♫
大通りから少し外れた小さな酒場。
ドアに付けられた鈴の音が響くと同時に、異世界に迷い込んだような雰囲気に包まれる。
同じリートが繰り返し流れるレコード。
深みのあるオレンジのランプが映える調度良い暗さ。
おまけに俺は騒がしいのは嫌いだから、この店にはもう常連だ。
「いらっしゃい、久しぶりだねぇ。」
閉じているか、開いているか分からない細目の店主。
いつもは俺しかいない事が殆どだが、今日は珍しい、先客がいたようだ。
「…………す〜、ッ…〜、」
……
ピタッ
ナチス「…………」
「あの子も常連なんだよ、珍しく被ったようだねぇ。」
ナチス「……」
はぁ、…いつものより強い奴をくれないか。
今日は酔いたいんだ。
カウンターに座り、”先客”を横目に見る。
顔を突っ伏して寝ていて、顔は見えないが
この街では珍しい純黒の髪に、細身の体。
「あのお客さんが気になるのかぃ。」
あの子も常連でね……特にここ最近は良く来てくれるんだよ
ナチス「…………」
席を変える。
ガタッ
静かに寝ている様子なのを良い事に、そっと垂れている髪を彼の耳に掛けた。
心の中で、淡い期待を抱いている自分がいた。
彼の目の前に座り、酒をひと口飲んだ。
「……うぅ、ん……」
ゴソッ
軽く10分ほど経ったとき、彼が少し動き始めた。
目を覚ましたのか、まだ夢の中なのか分からない彼の声に、少し心が漏れてしまった。
ナチス「……目覚めが悪いな、こいつ、」
(ボソッ)
ゴクッ、
瞬間、彼はものすごい速度で顔を上げ此方を見詰めた。
ガタッ!!
ナチス「?!」
……ッ、げほッ、、げほッ、!
驚きのあまり口に含んでいた酒でむせたじゃないか。
それにしても、
……
二人の間で数秒沈黙の時が流れる。
気持ち垂れ目な落ち着いた顔つきとな反対に、瞳孔は小さくあちらも驚いているようだった。
まぁ、それもそうか
知らんうちに寝て、起きれば目の前に知らん奴が居るんだからな。
ナチス「す、すまん…、起こしたか? 」
??「いや、
むしろ眠気が覚めたので丁度良かった。」
こちらこそごめん。
聞き覚えのある声だったからさ。
私と同じ赤い瞳に少し乱れた赤髪のヘアスタイル。
片耳には十字架のピアスを付けているが、見た目とは裏腹な礼儀のある男だったのだと思った。
ナチス「聞き覚えのある声?」
……まぁ、俺みたいな声の奴なんぞ5万といるか笑
彼が持っているのはこの店で1番度数が強い酒。
随分な酒豪だなと思っていたが、よく見ると少し顔は赤く火照っていた。
??「……そうだね。」
やはり私には皆同じ声に聞こえるみたいだ。
いちいち反応してしまうのもそれが理由かな。、
ナチス「……そいつの声は聞き分けられたのにか?笑」
??「……」ピクッ
……
??「……笑
確かに、それは盲点だったよ。」
でもそっちこそ、どうしてここに座ってるの。
席なんかいくらでも空いてるのに。
ナチス「俺はここの常連なんだ。」
君もそうなんだろう?
ここら辺は人気の少ない通りだし、常連も少数だからな。
同じ店の常連となら話が合うと思ったんだが、違うか?
チラッ
??「……」
互いに思っていることは同じだろう。
そして腹を探り合っている。
??「………あぁ、そうだったんだね。」
見たところかなり強者だったから狙われたのかとひやひやしたんだから、ニコッ
優しく穏やかな口調で話すが、表情は何一つ油断していない顔だ。
なるほどな、予想が確信に変わった。
こいつは、俺が探してたやつだ。
容姿も体格も、おまけに最近懐が緩いようだしそれも賞金だとしたら辻褄が合う。
ナチス「強者か……嬉しいな。」
でも、俺にはもっと上がいる。
お前もそう思うだろう?
??「あぁ、
目の前にいる自分とか。」
、?笑
ナチス「………ッ、」
なるほどな、此奴も気付いているのか。
なら話は早い。
ナチス「……ははッ、笑。」
お前と今日、話せてよかったよ、ニコッ
??「そうかな、ありがとう。」
また会えるのを楽しみにしてるよ。
ガタッ
先に席を立ったのは彼だった。
テーブルにコインを置き、足音を立てずドアに手を掛ける。
カランッ
鈴の音が響くと同時に
ナチス「優勝、おめでとう。」
名も知らぬ剣士さん。
??「!……」ピクッ
……笑
ニコッ
街灯すらない路地を抜け、宿に向かう。
まさか、あの人に会うのは予想外だったけど
もう知られてしまったものは仕方がないよね。
バサッ
結び入れていた髪を解き、ブーツの音を立てて輝く大通りへと進む。
どっちが本当の自分かと言われたら分からないが、慣れているのはこちらだ。
日帝「ごめんねって、騙してるみたいだな。」笑
はい、おつかれカツカレー
いいねとコメントしてくれたらモチベ上がります(🫵🏻 ᴖ ̫ ᴖ)
では、さようならぁ!
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