やぁ!
続きだよえ
「お母さん、あれ買ってよ〜!!」
「ふふ…笑」
仕方ないわね、…一つだけよ?
「やぁやぁ、!」
今なら値引きだよ〜!!
ザワザワ
商人や親子の声が響き渡る繁華街。
まだ日が長い事もあって、夜でも比較的治安が良いこの季節は平和で賑やかだ。
特別気に入っているという訳では無いけど、温もりを感じるのも事実なんだよね。
日帝「……」
コツっコツっ…
途中、明るいランプの光に1つの店が目に止まった。
キラッ…
日帝「………」
ぁ、(ボソッ)
並べ売りされているアンティーク品
輸入品だろうか。
いつも通るここでは見ない類の商品だ。
日帝「………あれ、」
これって…
無意識に人の間を潜り抜け目に止まったそれは、
十字架に白の線が入ったガラスのような、鉄のようなピアス。
気のせいじゃなければ、あの人が付けていたものと同じだ。
……
チャラッ
日帝「……なにしてんだ、私。」
そうやってすぐ無駄なものにばかり目を惹かれる。
そう呟きピアスを定位置に戻そうとしたとき
…
帰り道とは1本違う通り
たまには裏路地ではなく、こういう所を歩いてみるのもいいのかと思った。
ナチス「……っち、」
飲みすぎた…、頭いてぇ。
…ん?
そう愚言を零しながら歩いていると、
人集りができている広げ売りの店。
その中に
女が、見覚えのあるピアスを手に持っているのが見えた。
…!!
チャラッ
片耳のピアスに手を触れる。
昔、山林での訓練をしていたとき知らぬ間に何処かへ行ってしまったのだ。
だから、今残ったこの片方は肌身離さず、自身の手の内に置いている。
物持ちが良くなったともそのお陰といえば皮肉だが。
ナチス「………笑」
まさかこんなの所で再会するとはな。
ナチス「すまん、それ、見せてくれないか。」
日帝「!……ッ、」ビクッ
唐突に視界に入った彼。
…
目線の先を見れば、私ではなくこのピアスのようだ。
この瞬間ばっかりはこの姿で良かったと心から思えた。
日帝「…あ、あぁ…これですか?」
どうぞ。
…ニコッ
神は私を陥れようとしたのか、
だが残念だ、わたしは臨機応変な対応が出来ることは自称している。
ナチス「…感謝する。」
彼のひらに、ゆっくりとピアスを落とすと
本当に自分と同じものか確かめるようにじっくりと見た。
日帝「………」
ナチス「………」
これが欲しいのか。
日帝「…あ、いや、笑」
ただ…素敵なデザインだと思ったので。
ナチス「……そうか。」
チラッ
人気は目立つ黒髪に、赤い瞳
このピアスとは別に後ろ姿が何処となく彼に似ていると思い声をかけたんだが
性別は愚か、口調や髪の長さも違うようだ。
日帝「えぇと、…どうかしましたか?」笑
ナチス「なんでもない。」
ちょっと待ってろ。
日帝「…え。?、」
店とは少し離れた所に出て、半信半疑で待っていると彼の姿が見えた。
ナチス「………」
相変わらず鋭く隙がない目。
何を言われるのだろうとヒヤヒヤしながらゆっくりと目線を上にあげる。
日帝「………えっと…私、…」
ナチス「やる。」
ほら、手。
日帝「…え、ぁ、はい、?」
気付かれたのかと弁明をしようと思ったが、それを、遮られ1度安堵したのもつかの間。
カランッ
日帝「ぁ…こ、これ、…」
良かったんですか、私は全然…
ナチス「先に手に取っていたのはお前だ。」
わざわざ呼び止めて悪かった。
日帝「…………」
…、笑
彼の優しい一面を、密かに見れた気がして嬉しくなった。
きっと私がこの人と初対面であれば、
あんな尖った一面を知る由もなかったであろう。
ナチス「……、なんだ、要らないのか?」
日帝「いや、いるよ、。」
大事にする。
手に渡ったピアスを優しく握り、
彼にそう言った。
ナチス「…………」
あぁ。
笑
ボフッ
自室のベッドに倒れ込むように顔を埋め深呼吸する。
この一日で3日分ほど酔い疲れた、
ナチス「………」
やっぱ、あんな度が強い酒飲むんじゃなかった。
、
それにしても、あの女と彼は親族なのだろうか、
だとしたら世の中は狭いものだと思うが、あんなに似ているのだから仕方がない。
ナチス「………ピアス、」
せっかく見つけたのにも関わらず、赤の他人に譲ってしまうとは
俺は自分が思っているほどに、阿呆なのかもしれない。
…
グビッ
コップ一杯に入った水を飲み込み、窓から星を眺めた。
おかえりん
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お願いします!(´・ω・`)(欲望)
では、さようならね!
コメント
3件
まじ好き!今カンヒュとヘタリアにハマってます!
好きすぎるんですが!