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なんか急にイラストとか雑談見る人減って悲しき…。
ま、自己満投稿に、皆様興味あるわけ無いですものねオホホ(?)
それでは、いってらっしゃ~い(^_^)/
ーーーーー
腹部を切り裂かれた院長は、血と臓腑の匂いが充満する床に崩れ落ちたまま、かすかに震えていた。
院:…さく、ら、はるか。
弱々しい、だが確かにオレを呼ぶ声。
オレはその声を聞いた瞬間、足が地面に縫い付けられたように動けなくなった。
蘇:行っちゃダメだ、桜君。
蘇枋はすぐにオレの元へ歩み寄り、立ちすくむ肩を抱いた。
蘇:もう、オレたちがやることは終わった。
しかし、院長の声は途切れない。
院:来なさい…桜。
オレは、蘇枋の制止を振り払い、震えながら院長へ一歩踏み出そうとした。だがその時、蘇枋の右手がオレの体に巻きつき、体を優しく、しかし有無を言わせぬ力で、自分の羽織の中へ包み込んだ。
蘇枋は、黒い羽織で震える背中を隠しながら、左手で袖から拳銃を取り出し、音もなく安全装置を解除した。銃口は、倒れた院長に正確に向けられている。
蘇:大丈夫。
蘇枋はオレの耳元でそう囁き、絡めた手はそのままで、二人は院長の元へと歩み寄った。
院長は、大量に出血しているにも関わらず、なんとか上半身を起こしていた。
白衣に覆われた顔は血の気がなく、苦しげな顔をしていた。
院:よう、く…来てくれたね。
院長は、オレの顔と、蘇枋の顔を交互に見つめ、乾いた笑いを漏らした。
院:たった今、最後の実験が終わった。…ああ、本当に最高の出来だったよ、桜。
彼は激しく咳き込み、床に真っ赤な血を吐き出した。
院:っは、ちゃんと、君の過去を話、してあげたかった、がもう、時間がない…でも、これだけは言わせてくれ…。
院長は力を振り絞り、オレの目をまっすぐ見た。その瞳には、かつての冷酷さとは違う、優しい感情が浮かんでいた。
院:…卒院、おめでとう。桜遥。
そして、彼は震える手で、白衣の胸元をまさぐった。取り出したのは、包まれた新聞紙の中から現れた、ハナズオウと桜の花びらが混ざった、小さな花束だった。
院:ああ、今日はいい日だ。君が、報われたのだか、ら。
彼は花束をオレの方へ差し出そうとしたが、その手は途中で力尽き、カタンと床に落ちた。
院長は、そのまま優しい笑顔を浮かべたまま、静かに息を引き取った。
その光景に、ただ困惑するしかなかった。
桜:(卒院…?実験…?)
自分の過去。
そういえば、物心ついた頃の記憶が、はっきりとしていない。
一番古い記憶は、研究所のベッドの上で、全身の痛みによって目覚めた、あの日のことだった。
桜:(あの時、コイツはどんな顔、してたんだ…?)
床に落ちた花束を蘇枋の羽織の中でじっと見つめ続けながら、オレは、思い出したくもないはずの記憶を辿っていた。
ーーーーー
今回はここまで。
続きもうちょいあとになるかも、ごめんねm(_ _)m
なかなかしっくりくる書き方できないのよ…。
♡、フォロー、コメント待ってます(^^)