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主:皆さんどうも主です!
主:それでは第二話始まります。
――武装探偵社・午後二時、晴れ
「あれ?乱歩さん、珍しく静かですね」
凪咲がふわりと障子を開けると、そこにはソファでぐったりと横になる江戸川乱歩の姿があった。
いつもの飴も、ドヤ顔もしない。
そこにあるのは、ほんの少し赤くなった頬と、熱で潤んだ瞳。
「僕、今日は無理かも…。脳がね、ラムネを要求してる…けど、体がついてこないんだ…」
彼はうわごとのように呟きながら、かろうじて意識を保っていた。
その姿を見た凪咲は、スッと眉をひそめる。
「熱がありますね。…38度超えてます」
そう言いながら、彼女は懐から小瓶のラムネと、白い包みに包まれた飴を取り出した。
そして、いつものように手際よくラムネを開けると、そっと彼の唇に瓶口を近づけた。
「はい、口をあけてください」
「……なんか、羞恥心が湧いてきたんだけど…僕、病気かな?」
「病気です。はい、飲んでください」
ごくごくと喉を鳴らしてラムネを飲む乱歩。
その仕草を見つめた凪咲は、ふと、自分の中に芽生えた違和感に気付く。
(…あれ、なんだろう、この感じ…)
彼の髪に手を伸ばし、汗を拭おうとしたその瞬間。
乱歩の目と、彼女の目が重なった。
翠と蒼の瞳。
そしてその奥に、14歳のときと同じ――あの、まっすぐな”理解の眼差し”があった。
「凪咲ちゃんは、ほんと優しいね。いつも、僕のために動いてくれて」
「秘書ですから。仕事です」
「うん。でも……ぼくは、君の全部を”秘書”の一言で済ませたくないなぁ」
言葉の意味を、すぐには理解できなかった。
でも胸が、ほんの少し、痛んだ。
(なに、これ……)
その夜、凪咲は探偵社の資料室で、一人ぼんやりと本を眺めていた。
ページは進まない。
「――あれ?これって……」
頭の中に浮かんだのは、乱歩の笑顔と、熱に浮かされた頬。
そして自分の胸に湧きあがった妙な鼓動。
それは、12年前の「尊敬」でも、「信頼」でもなかった。
――それは、まぎれもない**“恋”**の始まりだった。
主:第二話おしまいです。もしよかったら、フォロー、コメントをよろしくお願いします。
主:それでは!!
凪咲&乱歩:皆さんグッド・バイ☆