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「おはよ」


次の日の朝。

いつものようにクロが迎えに来ていた。

でもなんだか、気まずそうに目を逸らしている。


いつもの道のはずなのに、やけに長く感じる。

それは弾まない会話と、ぎこちない雰囲気のせいかもしれない。


「あの、さ」


クロがそう言って立ち止まる。

次の言葉はなんとなく予想できた。


「謝らなくていいよ、…秘密にしてた俺も悪いから…」


知られてしまった。

俺がΩだってことを、クロはどう思うんだろう。


「…俺、あんまり昨日のこと記憶ないんだよ。お前に酷いことしたかもしれないし…ごめん。」


今日、初めて目が合った。

やけに緊張してるっぽいけど、いつもとそう変わらない。


「俺も、正直昨日のことは覚えてない。Ωだってこと、みんなには言わないで。」


「…それで、この事は終わりにしよ」


関係が変わってしまうのが嫌だった。


そして、



クロの身体を求めている自分がいることが、何より怖かった。


記憶にはないけど、身体に染みついた、初めてのあの快感が、忘れられない。


これは俺がΩで、クロがαだから。

違う、好きとか、そういうのじゃない。


「研磨、俺が言うのもなんだけど…気を付けろよ。」


気を付ける?


「何を?」


「…Ωを狙う奴もいるから。」


「大丈夫だよ、みんなにはバレてない。」


学校には申請しなきゃいけないけど、教師以外は知らない。


それに、俺なんか興味ないだろうし。


「それなら良いんだけど。」





「孤爪、昨日大丈夫だったか?」


なんでクラスの人が体調崩したこと知ってるんだろ。

「え、っと…」


「あ、ごめん。帰り道見かけてさ、なんか辛そうだったから。」


「あ、そう…大丈夫、ちょっと気分悪くなっただけ…。」

この人とそんなに話したことあったっけ…?





「怪しいよな。」

「やっぱり…孤爪って、



Ωなんじゃねぇの?」

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コメント

1

ユーザー

ほんと主さんに描く作品は毎回続きが気になり過ぎる!!!続き待ってます!

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