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ほんと主さんに描く作品は毎回続きが気になり過ぎる!!!続き待ってます!
「おはよ」
次の日の朝。
いつものようにクロが迎えに来ていた。
でもなんだか、気まずそうに目を逸らしている。
いつもの道のはずなのに、やけに長く感じる。
それは弾まない会話と、ぎこちない雰囲気のせいかもしれない。
「あの、さ」
クロがそう言って立ち止まる。
次の言葉はなんとなく予想できた。
「謝らなくていいよ、…秘密にしてた俺も悪いから…」
知られてしまった。
俺がΩだってことを、クロはどう思うんだろう。
「…俺、あんまり昨日のこと記憶ないんだよ。お前に酷いことしたかもしれないし…ごめん。」
今日、初めて目が合った。
やけに緊張してるっぽいけど、いつもとそう変わらない。
「俺も、正直昨日のことは覚えてない。Ωだってこと、みんなには言わないで。」
「…それで、この事は終わりにしよ」
関係が変わってしまうのが嫌だった。
そして、
クロの身体を求めている自分がいることが、何より怖かった。
記憶にはないけど、身体に染みついた、初めてのあの快感が、忘れられない。
これは俺がΩで、クロがαだから。
違う、好きとか、そういうのじゃない。
「研磨、俺が言うのもなんだけど…気を付けろよ。」
気を付ける?
「何を?」
「…Ωを狙う奴もいるから。」
「大丈夫だよ、みんなにはバレてない。」
学校には申請しなきゃいけないけど、教師以外は知らない。
それに、俺なんか興味ないだろうし。
「それなら良いんだけど。」
*
「孤爪、昨日大丈夫だったか?」
なんでクラスの人が体調崩したこと知ってるんだろ。
「え、っと…」
「あ、ごめん。帰り道見かけてさ、なんか辛そうだったから。」
「あ、そう…大丈夫、ちょっと気分悪くなっただけ…。」
この人とそんなに話したことあったっけ…?
「怪しいよな。」
「やっぱり…孤爪って、
Ωなんじゃねぇの?」