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ことこと(低浮上)
20
しえる𓂃◌𓈒𓐍
178
存在しない記憶
気づいたら、俺はその人の手を掴んでいた
「待ってください!」
「えっと…あの、何ですか?」
俺が手を掴んだその人は、とても困惑していた。そりゃそうだろう。知らない人に突然手を掴まれたんやから。
で、なんで俺は手を掴んだ!?
俺だって相手のことは知らへん。なのになんでや…
なんでかわからへんけど、懐かしい感じがした。まるでどこかで会ったことがあるような…
いつまでたっても喋らない俺に相手は話しかけてくる。
「何の用ですかって聞いてるじゃないですか。早く答えてください。」
「このままずっとこうなら、警察呼びますよ。」
「えっと…なんででしょうね、笑」
「は?」
どうしよ…
なんで俺手なんか掴んだんや…!
どこかで会ったことがあるような気がしたからとか答えたら絶対殴られる…!
「あの、とりあえず手、離してください。」
思えばずっと手を握っていた。俺は慌てて手を離す。
「すんません…」
「で、ほんとになんなんですか、あなた。」
「ごめんなさい、俺にもよく分かんないんですよ。」
「なんですか、それ」
怪訝そうに俺を見てくる。
「あの…俺らってどこかで会ったことありますか?」
あれ…なんで俺はこんなこと聞いてるんやろ
「いえ、ないは…」
相手の言葉が止まった。
どうしたんやろ。
「…リオ、ラ?」
俺の名前だ
なんでこの人が知ってるんだろう。
「なんで俺の名前…知ってるんですか?」
「…分かりません、なんででしょうね、笑」
「俺たちは会ったことがないはずなのに」
そう言ったその人は、とても綺麗な顔で、だけど何故か少し悲しそうな顔で笑っていた。
よく見たら、とても綺麗な人だった。
なんでだろう。
よく、分からないけれどこの人と話がしたくなってきた。
「あの…今お時間ありますか?」
「はい、特に用事などはないです。」
「そこのカフェでお話、しませんか?」
相手は少し考えて、だけどすぐにこう言った。
「いいですよ。」
「ちょうど、俺もあなたと話してみたいと思っていたところです。」
「じゃあ、行きましょうか」
…そういえばこの人の名前は?
「あの、お名前は?」
「コウです。」
なんでだろう、とても懐かしい感じがした。
コメント
5件
好き好き好き好き好き好き好き💕
美月ゆめかだよ〜🌸 第1話「懐かしい感じ」めっちゃエモかった…! 知らん人の手を掴んじゃうとか、なんでや!ってなるけど、“懐かしい感じ”ってワードに全部持ってかれた😭 最後の「コウです」って名乗るシーン、めっちゃドキドキした!続き早く読みたいっ…! 初回から雰囲気良すぎて推せる予感しかしないよ〜⋆♡