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幸いにも、足以外のものは無くなっていないようだ。
手で這いつくばることも不可能では無い。
人間の尊厳なんかを気にしてちゃいけない。
床を這いつくばっている様に生きる、
それが人間だ。
あたりを見渡すと、景色が変わっている。
清々しいほどの晴天に、
今にもトランペットが聞こえてきそうだ。
あ、ちなみに今のはものの例えです。
本当は聴覚を失っているので。
なんで最初に言わなかったのって？
さっき言った通り、
”ここに飛ばされる前から持っていないだけ”
そんな独り言が聞こえてくる。
醜悪な生き物の戯言は、聞いているだけで虫唾が走る。
ここはパラレワールドなんかでは無い。
地獄の世界だ。
聞こえない程の大きな笑い声をあげるとともに、この世界に振動が轟いた。
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