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ジャラ…
「…っ」
眠れない。鎖に繋いでって言ったの俺なのに。寂しい、でももふくんに迷惑をかけてはいけない。せっかく助けてもらっている身なのに…
「んぐっゲホッッ」
急に吐き気が来た。なぜだろう、持病の再発…?気持ちが悪くて何も考えられない。
「ゲホッケホッカヒュッカヒュッ」
どうしよう、このままだとッ…
バタッ
静かな広いオリの中、倒れたような音がした。
「…ぬッッ、…どぬっ、どぬッ!!!」
もふくん…かな、すっごく必死だ。なんでだろ、
「もふくん、」
名前を呼んでみる。
「あ”ッよかったッよかったぁッ泣」
君の目から大粒の涙が溢れて俺の顔に落ちる。
「どうしたの?」
「ッ、なんでもないッ大丈夫?」
「う、うん俺はだいじょうぶ、」
「よかったッ、なんでよんでくれなかったんだよッ」
「、?ごめん」
俺、なにかしたかな。意識がはっきりしなくてなんでもふくんが泣いているのか分からない。
こういうときは、…
ぎゅっ
「ぁっ、ど、どぬッ」
「もふくん、泣いていいよ」
もふくんが俺にしてくれたように。優しく抱いて背中をさする。
「うあ”ぁッ、泣かせんなッ」
「泣いてよ、泣いていいんだよ、」
俺はもふくんの言葉を受け止めつつ背中を擦り続け、抱く手に力を込めた。
「うう”ッ怖かったッ、どぬがッ死んじゃうかとおもったッ、心配させんなッ」
「ごめんね、大好きだよ」
そして俺のキモチを話した。もふくんといると安心する。今までにないことがたくさんあってずっといたいって思う。これは本で読んだ人に好意を寄せるということと似ているのではないか。
「ぅああっ、泣きたくねぇよッ」
「っだめ。泣いて泣いていいの。いいんだよ。」
「ッ…」
ぎゅ
控えめにもふくんが俺の背中に手を回した。
「倒れないでッ、どぬが死んじゃったらッ、どうすればッ」
「死なないから。もふくんが大好きだから」
「ごめッ、僕いいすぎッ」
「いいよ、全部言っていいよ、俺分かる。もふくんのこと大好きだなって、守ってあげたいなって。」
「う”ッ僕が守るのッ、どぬをッ大切にするのッ、」
「ありがとう。俺も守るから。」
「うんッ、す、き…/」
「ありがとう、俺もずっと離れないから。心配かけたねごめんね。」
「っ…/ありがと」
肩を震わせるもふくんを抱きしめながら夜明けのきれいな空を二人で眺めた。
月が満月で綺麗な夜、もふくんの目が少し赤くなっているようにも見えた。