特別編
亮平 side
自分のセクシャリティに気付いたのは小学5年生の頃だ。今の事務所にちょうど入った頃だ。
学校で好きな子の話になり皆んなが〝女の子〟を好きだと分かってから、自分が変なのだと知った。
そもそも誰かが決めた〝普通〟を当たり前とする世の中の方が間違っている。
俺にはどうしても射止めたい好きな人がいる。
どんな手を使っても・・・
片思いは慣れている。そもそも恋のライバルは女の子だ。その時点でかなりハンデがあるからね。
彼を好きになったのは、思想が似ていると感じたからだ。
〝普通〟ではなく〝俺らしく〟〝自分らしさ〟を貫く男らしい姿に惚れた。
そんな彼がどうも最近、様子がおかしい。俺の勘が正しければ、同メンバー内に好きな人がいる。つまりは同性愛者。
初めて、男性がライバルとなる。ましてや同じグループとなれば、なんのハンデもない。
正直俺は、この初めての状況に胸躍らせていた。
最初は悩んでいる彼の恋愛相談相手になろうと近づいたものの、俺がモタモタしている隙にどうやら二人付き合いだしたようだ。彼は隠しているけど、俺には分かる。
考えを巡らせ、恋敵の方に近づいて彼を刺激させる作戦に変更せざる終えなくなった。
亮平💚 『翔太大丈夫?足痛いよね。今日はご飯やめとく?』
翔太💙 『うん、ごめんね阿部ちゃん、今日は助けてもらってばっかりだ』
ライブ終わり、翔太と食事を約束していたが早めに返した方がいいと判断し作戦は未遂。
蓮を嫉妬させるところまでは成功したのに、翔太のせいで台無しだ。
亮平💚 『送ろうか?なんだか元気もないし、蓮と喧嘩でもしたの?なんだか今日二人変だった。俺で良ければ話聞くよ?』
翔太💙 『あぁ?蓮とは何もないけど?・・・』
翔太💙 『あのさぁあべちゃん』
亮平💚 『どうしたの翔太?』
翔太💙 『俺、好きな子いて・・・怒らせちゃったんだけど、どうしたらいいかな?』
言ってみるもんだ簡単に引っかかった。
亮平💚 『どうして怒らせちゃったの?』
翔太💙 『ん〜分かんない。多分・・・嫉妬?かな・・俺そういうの分かんないんだよね』
〝でしょうねっ〟と言いたかったけど喉奥に待機させた。
亮平💚 『しばらく距離を置いてみたら?どんな子か知らないけどお互い一旦冷静になるのもありかもよ』
二人がもっと拗れてくれれば、俺にだって付け入る隙があるだろう。
しかし次の日ライブ会場に行くと、どうやら仲直りしたであろう二人の姿があった。(どういう事?)
雰囲気が元通り・・・というよりもっと・・・二人から色華を感じる。もしかしてもうヤッちゃった?
いや・・・まだっぽい。
亮平💚 『翔太、足の具合はどう?』
翔太💙 『まぁ痛えよ!でも大丈夫だ。ありがと心配してくれて』
亮平💚 『あっ翔太・・・好きな子の事は・・・』
翔太💙 『あぁ悪いな、俺問題引き伸ばしに出来ネェんだわ!無事解決よ。
何から何まで心配してくれて阿部ちゃんに足向けて寝れねぇわ笑』
バカ翔太!相手が翔太だって事すっかり抜け落ちていた。この天然野郎どうやったて普通じゃぁ勝ち目ない。
蓮はこの天然おバカのどこがいいんだか。より絆が深まったのだとすれば厄介だ。
今更作戦をSiftできないし。恐らくまだ二人は一線を越えてないだろう・・・単なる男の勘てやつだけど。
どうやったら、蓮を俺に振り向かせる事が出来るだろうか?
亮平💚 『あっ蓮お疲れ様。ライブ楽しかったね。相変わらずカッコいいよめめ!』
蓮 🖤 『お疲れ様阿部ちゃん。うん楽しかった。無事に終わって良かったね。
阿部ちゃんこそ相変わらずのあざといファンサ勉強になるよ』
屈託なく笑うその姿に、こちらまで自然と笑顔になる。この笑顔を独り占めしたい。
翔太は痛み止めでどうやら事なきを得たみたいだし、盛り上がっている2人に今は近づくのは危険だ。 かえって煽る結果になりかねない。
作戦を立てて出直しだ。
コメント
3件
あ、そっちが本命だったんだ💦続きが楽しみです💚
コメントを参考に阿部ちゃんsideストーリを書いてみました💦