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junp_Sn-Fk.
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桃紫 さく🌸
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#Snow Man
fura
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どのくらい経ったのだろうか。あれから溢れる涙を払うこともを諦めて、すっかり寝てしまっていたようだった。
時計の音がやけに耳に響く。
いつの間にか雨は上がったのに、空だけがまだ泣き足りない顔をしていた。
窓からその空を見上げた康二も、何かを置いてきてしまったような気がした。
何も考えずそのオレンジから藍色に落ちていく様をぼんやり眺めていると、スマホの着信がけたたましい音を立てるとともに、現実へとひき戻す。
誰やろ…
『あー、もしもーし?こーじくん?』
「なんや、らうちゃんか。どないしたん?」
何となく重い身体を起こしながら、その声に耳を澄ませる。
『昨日はいろいろありがとう。でさ、俺、撮影早く終わって暇なんだよね。』
「おん」
『これからご飯、行かない?』
「これからぁ?」
時計を見ると18時過ぎ。
『うん、昨日お寿司だったから今日は焼肉食べたい。康二くん、昨日呑んでなかったし、今日は一緒に呑もうよ』
この言葉にしがたいどんよりした気持ちを晴らすには、誰かと一緒に呑むくらいがちょうどいい。
「おん、ええで。ちょうどそんな気分やったし…。」
『ふぅーん…。』
意味ありげな声に何やら考えるところがありそうな雰囲気を感じる。
「なんやの?何か、変なことでも言うた?」
『こーじくんさ。もしかして、今日何かあった?』
図星といえば図星だが…
「いや、なんも?ちょっと昼寝しとっただけやで?」
『…へぇー…。めめの言う通りだったってわけだ。』
ラウールから突然出てきたその名前に、胸の奥がほんの少し熱くなる。
『実はね、さっきめめから連絡があって。』
『康二くんが泣いてるかもしれないから、代わりに話し聞いてあげてって』
世界は、ときどき信じられないほど静かな方法で、人の気持ちを運んでくる。
遠くへ行ってしまった人は、もう自分の夜には触れられないと思っていたのに、その心配だけが、仲間の声を借りてここまで届いた。
『めめから連絡、あったの?』
「おん…。まぁそんなに話す時間はあらへんかったんやけど…」
『あー、それで淋しくなっちゃったんだ。』
スマホの向こう側でラウールが笑う姿が目に浮かぶ。
泣いたことを笑い話しにしてしまえば、泣いていた自分も少しは許されるのかな、康二はそんな風にも思う。
「おっしゃ、これから準備するするから、1時間後くらいでええかな。店は予約してメッセージ、送るな?」
『うん、よろしくね。なんでも聞いてあげるからさ。』
そう言って電話が切れた。
こういうんはいややないんやけどな。
そんな風に思いながら、えいやと身体を起こす。
スマホのお店リストから馴染みの焼肉屋に連絡を入れ個室を確保し、その情報をそのままラウールに送る。
なんでも聞く言うてたな、ほんなら聞いてもらおか。
落ち込んだ気持ちを、どこかに置き去りにするわけではない。
ただ、目の前の景色が変われば、心の置き場所もほんの少し、変わるのではないか。
そう思えるだけで、今の康二には十分だった。
マンションのエントランスを出て歩き出すと、そこには夕立に洗われた新しい世界が待っていた。
そのことが少しだけ、嬉しかった。
Fin
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