日帝視点
先の出来事から数分が経過した
本当はもう少し考えたかったが時間がない
床にはソ連が倒れており気絶している
いずれは部下が気づくし
少し手当てすれば数分で起きるだろう
しかも倒れているのはあのソ連
こいつは自力で起きるぐらい容易だ
その証拠にもう出血が止まっている
つまりソ連から逃げ切れるチャンスは
今しか無いということだ
それに失敗をすれば
後のことは容易に想像がつく
窓を開け突起物を利用しながら
降りて着地すると森へ走り出した
森の中を走っているが
未だに街は見えない
監禁されていた所は街に近いと思っていたが
そうではないらしい
一瞬声が聞こえる
木の陰から覗いてみると
服装から秘密警察だろうか
「イポニャ」と言っていたので
すでに俺が脱走したことはバレている様だ
おそらくだがソ連はもう完治している
日帝
(避難場所を見つけるのが先決か…)
疲労で倒れそうな体にムチを入れて
静かに反対側へと歩き出した
ソ連視点
ソ連
(しくじった)
彼が抵抗してくることは予想していたが
不意を突かれた
怪しんだ部下が様子を見に行けばすでに
日帝は窓から出た後のようで
気絶していた俺しかいなかったようだ
一応部下に指示はしたが
それだけでは彼が簡単に捕まるとは思わない
しかしここで逃すわけにもいかない
あの状態ではそう遠くにはいけないだろう
地図を広げ彼がいそうな場所絞っていた
日帝視点
物陰に隠れソ連兵が過ぎるの待つ
幸運な事に街を見つけて
路地裏を直感で進んでいるが
何とか逃げられている
ソ連兵がいないことを確認して
身を隠せる場所を探して
路地裏出てさらに先を進むと
畑とボロボロの納屋を見つけた
中に入るとホコリまみれで
農具が散乱しており
長い間使われてないのが分かる
辺りを見回し隠れられそうな場所を探す
流石に食べ物は無いなと思いながら
手前に箱が積み重なっているのを見つけ
そこに身を隠す
(国に帰りたい)
そんな淡い夢が俺を支えていた
物音がして目が覚める
いつの間にか寝ていたようだ
窓を覗けば真っ暗で星すら見えない
何か嫌な予感がする
箱を壁にして入り口付近を覗いてみると
“ソ連がいた”
咄嗟に物陰の奥に身を隠す口を押さえ
悪魔が過ぎ去るのを待つ
ソ連
「日帝はここにいるかも知れない探し出せ」
なぜ居場所がバレているのかと
真っ白になった頭で必死に考える
こっちに大きい人影が近づいてくる
恐怖で足がすくむ
カンッと音が鳴り何かが此方に転がってくる
どうやら空き缶を蹴ったようで
見るも無残な姿になっている
ソ連
「奥の方探せ」
そう言って影が納屋の奥に行くのを見て
安堵する
逃げようと足を動かしたが
疲れていたのか空き缶を踏んで盛大に転ぶ
足音が聞こえる
徐々に近くなる
疲れか恐怖か足は動かない
しかし逃げなければいけない
ソ連
「かくれんぼは楽しかったか」
後ろから声がする
顔は見れないが笑っていないことは分かる
ソ連
「…」
ソ連は後ろに居るがそれ以上何も喋らない
此方はどう逃げようかと知恵を絞っている
場に沈黙が流れる
しばらくして何を思ったのか
正面に移動してソ連が手を差し伸べる
これは逃げ道など無いということだろうか
深呼吸をしたあと
差し出された手を掴み
これから先続く地獄から目を逸らした
ソ連視点
逃げるのであれば人の居ない場所に行くと
思いある程度絞っただけなので
数日はかかると予想していたが
初日に見つかり手間が省けた
そんな事を考えていれば
迎えが到着する
抵抗はなく自ら後部座席に座る
自身も隣に座ると 車は動き出す
隣から何が声が聞こえ
何かと思いと思い彼の方を見ると
涙でズボンが濡れている
何を考えているのか
あらかた予想が付くが
そんなことはどうでもいい
可哀想な彼の全てを
握っていると思うと
今回のことも悪くないと思った
誤字脱字内容がズレている
何かに違反している場合は
お手数をおかけしますがお知らせください。
最後に読んでいただき
ありがとうございました。
コメント
1件
続きお待ちしております。この神作をまだ拝ませてくださいね