書きたくなったから、書いてみただけ。
※L月です。ちょっと重いかも。
「月くん」
火口逮捕後。
デスノートの存在が明らかとなり、少なくともキラ事件を担当するLを初めとする捜査本部が、衝撃的な事実を目の当たりにした。
死神の存在、デスノートという殺人兵器、それだけでも情報量が多く、松田は頭を痛そうにしていた。
そんな最中、竜崎に声をかけられたのは、みんなと別れ、2人きりになった時だった。
1度疑いが晴れたとはいえ、まだ僕がキラだということを信じて疑わない竜崎。
それでもいい。
もうじきお前は死ぬのだから。
腹の底から沸き起こる勝利の確信と、Lに勝つという優越感。
口がニヤけるのを堪えるのがやっとだ。
「…..なんだい?」
平然を装いながら、尋ねる。
竜崎はその光のない目でじっとこちらを見つめると、いつものように指を咥えた。
「….月くんは、デスノートや死神という存在があったことに対し、そこまで驚いてないようですね」
まるで僕がキラだと言いたげな顔をしてやがる。
しかしあえてそこは、わざとらしく否定せず、首を縦に振った。
「竜崎。さっきも言ったけど、もともとキラは超能力的なものを持っている、と推測したのは君じゃないか。今更人の名前を書くだけで人を殺せるノートが出てきたり、死神が出てきても、別に驚きやしないよ。君だってそうだろ?」
「……」
僕の答えに、どこか不満げな様子で視線を逸らす竜崎。
…..試していただけか….。
いやしかし、疑っているのは確かだ。
あとちょっとで尽きる命だとしても、世界の切り札と呼ばれる、あのLだ。
最後の最後まで、気を抜いてはならない。
「….竜崎?」
ふと、奴の動きが気になった。
じっと窓の外を見つめ、普段無表情なその顔が少しだけ、憂いを帯びているようだったからだ。
真っ黒な空に浮かぶ、点々とした星をその瞳に捉え、一体何を考えているのだろうか。
「….私は、今まで友達も恋人も出来たことがありません。….ですが、友達なら、出来ました。月くん、あなただけです」
….一体どうして急にこんなことを言い出すのか。
しかもそんな、寂しそうな顔で。
その時唐突に、奴を失いたくないなどと、くだらない感情が湧き上がってしまった。
「….っ」
くだらない。
友達なんて、駒の1つに過ぎない。
コイツだって、その内の一つだ。
そんな感情、捨てたはずだ。
「….僕もだよ、竜崎。君が友達で良かった」
にこりと優しげな笑みを作り、彼に笑いかける。
その場の話に合わせるように、心にもないことを、ただ口にしただけだった。
なのに。
「….なら、月くん。最後に、私の願いを聞いてくれますか?」
「…..願い?」
はい、といつもの無表情に戻った竜崎が、ひた、と裸足のまま僕に近寄る。
最後、という言葉も気になったが、ひたひたと足の歩を止めない竜崎に、思わず後ずさりした。
しかし、背中が壁にあたり、逃げ場が無くなってしまう。
そして、互いの息が感じられる程近寄り、動きを止めた。
「….一瞬だけ、私の恋人になって下さい」
「….は?」
言っている意味が分からず、思わず固まる。
しかし、竜崎はそれを肯定と捉えたのか、スっと手を伸ばしたかと思うと、その冷たい手を服の下に入れ、腹をなぞってきた。
「っひ….!ぃ…っ!や、やめろ….!」
ぞくりとする感覚に嫌気がさし、慌てて竜崎の手を払った。
しかしいつも偏食ばっかしている上、もやしのように細い体をしているくせに、やけに頑丈だった。
そのまま強引に腕を引かれ、ベットの上に組み敷かれる。
このままではやばい、と本能が叫んだ。
「..っおい!竜崎!本当に、取り返しがつかなくなるぞ!おい!やめろってば!!」
どんなに怒鳴っても、奴の力は緩まない。
変な組み技をされているせいで、無駄にジタバタと暴れる事もままならなかった。
そうこうしてる間に、竜崎は一線を越えようと準備を進めてきた。
まず服は下着まで全部脱がされ、裸体を晒されてしまった。
文句を言ってやろうかと奴を睨むが、なんせテンポが早く、文句を言う前に、胸の突起を引っ掻かれた。
「痛っ!おい!竜崎!!ふざけ….!」
「月くん。ちょっと黙ってて下さい」
「___んッ!?」
再び口を開こうとする前に、柔らかいものが唇に触れた。
途端、ヌルッとしたものが、口の中を犯してくる。….これは、….舌…..?
「….っ!」
あまりの気持ち悪さに、口を離そうとするも、顎を掴まれてそれは叶わなかった。
不快な水音が口内に響き、舌と舌がしつこく絡み合う。
どちらのものか分からない唾液が口内いっぱいに溜まり、思わず飲み込むが、飲み込みきれなかった唾液が糸を引いて、口の端から垂れた。
「ん….ッ!んぐっ…」
だんだん息をするのが苦しくなり、ドンドンと竜崎の胸を叩く。
すると竜崎は僕の歯茎をぺろりとなぞるように舐めた後、ようやく離してくれた。
「おい竜崎!」
力任せに竜崎を押しのけようとするも、体格はあまり変わらないというのに、見事に押し返され、手錠までかけられてしまった。
「…っはぁ!?馬鹿じゃないのか!」
「馬鹿はあなたです、月くん。始めから大人しくしてればいいものを。こうしないとダメだなんて」
暴れないでください、という馬鹿な声には従わず、ガシャガシャと手錠を乱暴に揺らしながら、必死に奴の変態行為から逃れようとする。
すると今度は、ボトルを引き出しからとりだし、乳白色の液体をその指に絡めだした。
直後、嫌な予感が肌を駆け巡った。
「..!っいやだ!やめろ!!おい、竜崎!!ふざけるな!」
不自由な体をジタバタと波立たせ、近寄るその手を蕾から遠ざけようと身をよじる。
馬鹿野郎、殺すぞ!と今までにないくらいの暴言が口からでてきた。
だが、竜崎という人間がその程度のことでやめるはずもなく。
乱暴に頭を押さえつけられると、竜崎の指と思われる冷たいそれが、蕾の入り口に触れた。
あ、と思った時には既に遅く。
1度入ると、容赦なく侵入してきた。
「….ざき、も…いいから….」
何かを堪える声が、荒い息遣いと共に溢れる。
普段挿れてはならないものが、はいっているという感覚。
自分が、あの竜崎と、しかも自分が抱かれる側としてセックスしているという感覚。
その全てが、気持ち悪かった。
「…そうですね、充分解れました」
そう言うと、もう一度確認するように蕾を弄った後、ようやく指を抜いてくれた。
「…っン」
その抜かれる瞬間さえも、我慢しなければ苦悶の声が漏れてしまう。
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返し、胸が上下するのがよく見える。
さっきまで抵抗し過ぎて体力がもうないのと、暴れたせいで手首が手錠と擦れ、見事に赤くなっているので、もう抵抗するのは諦めた。
早いうちに射精させて、とっとと終わらせよう。
….どうせもう長くない命だ。好きにしてやればいい。
そう心の中でほくそ笑み、彼に体を委ねる。
奴は僕を女とでも思っているのか。
先程から挿入を全くしようとせず、胸の突起だけを弄っている。
….そんなとこ、女ではないのだから感じる訳ないのに。
そう呆れたように、竜崎が突起を舐めたり指で弄ったりするのを見ていた。
と、その時だった。
「──やっ!?」
ピクリ、と突起が反応して、上げる気などさらさら無かった嬌声を上げてしまった。
しかし竜崎は恥ずかしい顔をさせる気もないのか、同じところを執拗に弄ってくる。
徐々に性行為の昂りが、僕のペニスを勃たせてきた。
「….っクソ」
屈辱が胸の底から這い上がってくる。
それを見た竜崎は、嬉しそうに口角を上げた。
「…それじゃあ、そろそろいきますね」
その言葉に、全身が硬直した。
ガタガタと手錠が揺れているのを見て、柄にもなく緊張しているのだな、と他人事のように感じる。
竜崎がジーンズのチャックを開き、彼のペニスがさらけだされた。
「〜〜っ!?」
しかし彼のそれは想像を絶する程の大きさで、こんな小さな穴に入るのか、恐怖が込み上げてきた。
だが奴はそんなの構わないと言うかのように、ズチュ、とソレの先端部分を挿れた。
「ぁ゙ぁ…!?い、痛い!痛い!」
嫌だ嫌だと首を必死に振るも、奴は更にソレを硬くするだけで、やめようとしなかった。
それどころか、どんどん奥へ挿入っていく。
ギチギチと肉が裂ける感覚がする。
血が出ていると思うほど、痛かった。
「や、やめろ….!!やめてくれ….!」
必死に懇願するも、届くはずなく。
ズン…!!と奥を深く突かれる。
「いあ”あ”あ”….!!」
途端、痺れるような痛みが襲ってきた。
目の前がチカチカする。
胃液が込み上げてきて、喉が焼かれる。
荒い呼吸を繰り返すうち、過呼吸に近い症状に陥った。
「かひゅー…..かひゅー…..」
「大丈夫ですか?」
悪びれもなく心配する竜崎に、腹の底から殺意が湧き上がってくる。
僕が今、地獄の様な思いをしているのも、全部コイツのせいだ。
殺してやる….!
キッと奴を殺意を込めて睨む。
しかし、奴は殺意を向けられているというのにもかかわらず、興奮したように舌なめずりした。
ぞくり、と背筋が凍った。
「__月くんは、悪い子ですね」
___そんな悪い子には、お仕置しなきゃ___
ひんやりとする声色で、竜崎が嘲る。
その顔にまた、得体の知れない恐怖を感じた。
本能が、逃げろと叫ぶ。
しかし、こんな姿で逃げられるはずもなく。
竜崎が、容赦なく腰を振った。
「あ”あ”あ”あ”あ”ああっ!!」
僕の声帯からこんな声が出せるのか、と思うほど、切り刻まれたような悲鳴が喉を貫く。
それでも奴は、僕の中に激しく打ち付けた。
「あっ!ん!あぁっ…!」
ぱんぱんと、肉がぶつかる音が室内に響く。
「やめ…!ろ….!!りゅ….!あぁっ…///」
ズチュズチュと、生々しい水音とともに中のペニスが行ったり来たりする。
すっかり理性をなくし、涎や涙、鼻水で濡れた僕の顔を、竜崎がそっと触った。
「….!」
その優しさに、先程の恐怖が飛んでいく。
さっきまで冷めた顔した竜崎の表情も、今は愛おしげに歪んでいた。
「…りゅ…」
「月くん。可愛いです、とても」
は、と思わず目を見張る。
可愛い?僕が?
思わず怪訝な表情を向けると、ふ、とさらに優しい笑みを浮かべる竜崎。
「好きです。月くん。貴方がとても、愛おしい」
「!?」
う、嘘だ。
これは、僕を奴の手中に入れようとする、竜崎の極めて汚い嘘だ。
….しかし、嘘ならこんなに愛おしげに、苦しそうに言うだろか。
「…..」
すっかり黙りこくった僕の頬を、竜崎がまるで大切な壊れ物を拾うかのように、優しく包んだ。
「!」
「….L.rawliet」
「!?」
くすり、と弱々しく笑う竜崎。
それがまるで、最後の笑顔のように見えた。
「….私の、本名です」
「っ!?な!」
思わず目を見開くと、困ったように竜崎が顔をしかめた。
「私は、探偵失格です。恋にうつつを抜かし、凶悪犯のキラを逃がすなんて」
「….!」
やはり、こいつは…..。
どうやって問い詰めようか、考える。
しかしその頃、
「….っく、」
珍しく余裕をなくした竜崎が、快楽に顔を歪めているのが見えた。
….なんとなく、嫌な予感がよぎる。
そしてその予感は見事的中。
僕の中に、びゅるるるっと生暖かい液体が発射された。
その液は僕の奥をペニスより先に付き、まるで種付けするように深くまとわりついた。
「ああぁぁぁっ!!?」
その貫くような快感に、僕も竜崎の直後に達した。
とめどなく溢れる精液が、シーツと僕の腹を汚す。
そのまま汚いベッドの上で、意識がまどろむ。
次第に、僕は意識を手放した。
その後、レムに奴の本名を書かせ、竜崎は死んだ。
結局、僕に本名をばらしても意味はなかったというのに。
奴は本当に僕を愛していた。
その証拠に、僕がキラだという証拠や資料が全て消されていたのだ。
竜崎が言ったように、Lは探偵失格だ。
「馬鹿だなぁ、竜崎」
彼が眠る墓石を見つめながら、嘲てみせる。
僕の勝ちだ。そして、竜崎、お前の負けだ。
「僕を愛した間抜けの負けだよ、竜崎」
馬鹿め、と心の底から笑ってみせる。
これで邪魔者はいなくなった。
ようやく、世界の創造に本格的に取り組める。
お前のせいだぞ、竜崎。
「世界の切り札が、キラを愛したからだ」
馬鹿野郎が。また、そう言って笑う。笑ってみせる。
「ふっ、くははっ!」
これでもう、僕は新世界の神になれる。
もう邪魔はいないのだ。
馬鹿め、馬鹿な探偵め。
「ふははは!」
しかし、どうしてだろう。
邪魔はもういないのに。
ようやく、世界の掃除が何の心配なくできるのに。
….あのLに、勝ったのに。
「ふははは..」
どうして、こんなにも。
「ふっ、うぅぅぅゔ..」
涙が、溢れてくるのだろう。
どうして清々しいはずなのに、こんなにも苦しいのだろう。
分からない、分からないよ、竜崎。
一体お前は、僕に何したんだ。
お前は、僕がこうなることも見えていたのか。
僕が、お前を殺して、ようやくお前への気持ちに気付くことを。
分かっていたのか。
ならば、それは。
お前が僕に与えた、抱いたそれは。
___狂愛だ。
「愛してるよ、竜崎」
最初から最後まで暗くてすみません💦
私的には、アニメにて月くんが竜崎の墓参りするシーンが結構好きで、今作に入れさせてもらいました。
コメント
3件
めっっっちゃ好きです! 天才すぎませんか?!
本当に最初から最後まで暗い話大好き…
まって好きすぎる…天才…?表現の仕方が天才すぎる…大好き…数日掛けてハート押しまくるわ