テラーノベル
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「らっ、いしゅーっ、からっ、ゴールデンっ、ウィーク」
ノリノリで言うのは朱灯穂(ゆうほ)。
「ちなみに皆さんご予定は?」
「オレはアニメ流しながら詰みマンガ読む。詰みマンガ読んで実家に送って新しいマンガ買う」
と言う庵(あん)。
「オレもー、実家でゲーム三昧かな。FPS、RPG、ファンタジア フィナーレの新作ーというかリメイクとか
グリフォン クエストの新作、というかリメイク?やりたいし
トップ オブ レジェンズのランクも上げときたいし」
と言う誉繁(よはん)。
「んだよぉ〜。インドアすぎんだろ、オレの友達たち」
と言いながらイスの背もたれに、これでもかというほど寄りかかる朱灯穂。
「しかもあれだろ?かーとは彼女とランデブーだろ」
と言う朱灯穂に
「ランデブー。みおちゃん」
呟く庵。
「いや、まだ予定はない」
と言う翔歩人に「やっぱりね、はいはい」と言うように頷いてから、翔歩人の言葉を理解し
「嘘じゃん。ゴールディンウィークの話せんの?」
と驚く。
「まだ出てないね。あと寮組…ってもオレと涼鈴(すず)だけだけど、寮にいる料理組は、割と忙しいんだよね」
「あ、そなん?」
「そう。夏休みとか冬休みは実家帰る人が多いし、オレらも帰るから別にいいんだけど
ゴールデンウィークは実家帰らない人がほとんどだから、昼めっちゃ多く作んないといけないのさ」
「あぁ〜ね。でも休みはあんしょ?」
「そりゃあるよ?」
「そんな涼鈴は?なんかする予定とかあんの?」
「…僕はねぇ〜。カフェ巡り」
とポワポワした雰囲気で、ポワポワした言い方で言う涼鈴に
「女子か!」
とツッコむ朱灯穂。
「ゴールデンウィーク、彼ぴっぴとどっか行くん?」
一方、達磨ノ目高校では、ルビーが真夜衣(まよい)に質問していた。
「あぁ〜…。ゴールデンウィーク。…。考えてなかった」
「嘘じゃん。付き合って初のゴールデンウィークでしょ?」
「そうだね」
「え。浮かれない?てかまよ浮かれてないよね。あ、顔に出ないだけか」
と言うルビーに
1人で完結してる
と思う真夜衣。
「え。浮かれない?」
と詩衣に話を振るルビー。
「まあ。浮かれるー、かな?」
「だしょ?小学生のときも中学生のときも浮かれてたもんね」
「ちょ。言わないでよ」
「え。ウタイー小中と彼氏いたの?エグ。めちゃモテじゃん」
と真夜衣が言うとブンブンと首を横に振って
「モテないモテない」
と否定する詩衣。
「ほら。あったじゃん?なんか彼氏彼女作るブームみたいな」
「なんだそのブーム」
「え。まよんとこでなかった?なんか短期間でカップルできる時期」
と言うルビーに
「…」
考える真夜衣。
「…。あったんかな…」
「え。まよなんてモテたでしょ。小学生んとき知らんけどさ」
「うんうん。まよはモテたと思う。知らないけど」
「なんなん2人して。モテなかったよ。てかいない時点で察せよ」
と言う真夜衣に「あちゃー」という顔をしながら「ごめん」という感じに手を合わせるルビー。
詩衣もマネをする。
#両片思い
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耀聖(ようせい)
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「察されたら察されたで腹立つけど」
「なんなん」
「でも意外だよね。まよが彼氏いたことなかったって」
「それ。マジ意外すぎた」
「友達と遊ぶのが楽しすぎたのよなぁ〜」
「いや、それは私らもそうよ?ね?」
「うん」
「え。よくあれだね。そんな中彼氏なんて作れたね」
「だから別に作ろうと思ったわけじゃないんだって。流れ」
「流れで付き合うか?」
「ギャルのくせに堅いのな。でもそうか。ギャルのくせにってのは二次元の印象が強いからかも。
おっぱい見せて、スカート短くてパンツ見せてってやつ。ある意味印象操作よね。
実際問題目の前のギャルは高1まで付き合ったこともなければ、谷間も見せてない。
スカートは…。ま、割と短めだけど、私らとあんま変わらんし。
ギャルって案外ガード堅いのかもね。リアルなギャルは」
「…。ま、そもそも私、自分でギャルって思ったことないけどね」
とサラッっと言う真夜衣に
「嘘じゃん!」
と大袈裟に恐れ慄いたように仰け反るルビー。
「大袈裟」
と笑う詩衣。
「あと、ま、一般的なギャルがどうかは知らないけど、私の場合は例外というか、だと思う」
「ほお?」
「私の友達ー、ま、親友がさ。テンション高い、ま、ギャル?なのかな?なわけ。
で、ま、ギャルって、ルビーが言ったみたいに軽いって思われがちだから
ある日私の親友がl先輩に呼び出されて、…まぁ嫌なことされそうになったんだって。
実際されてはないんだけどさ。ま、それから私の親友、男の人があんまでさ?
だから自然と私も男子とあんま関わんなかったから、好きな人ができるとかというフェーズまでいかなかった」
と平然とした顔で言う真夜衣に
「若くして苦労したんだね」
と「うんうん」と頷くながら言うルビー。
「いや、苦労してるのは私の親友ね」
「でも告白とかはされたんじゃないの?」
と聞く詩衣に
「ま。されはしたね」
と言う真夜衣。
「おぉ〜」
「おぉ〜って」
「でも付き合わなかったんだ?」
「だってさほど知らん人と付き合いたくなくない?」
「あぁ〜」
「ワンチャン最低男で、時間と金無駄にするかもしんないじゃん?
だったら付き合わないで友達と遊んでるほうが有意義じゃん?」
「…それ、ノリと流れで付き合った私には刺さるセリフ…」
と胸を押える詩衣。
「おい、詩衣。大丈夫か詩衣!詩衣ー!」
と大袈裟なリアクションをしていた。
そんなこんなで達磨ノ目高校も星之光高校もお昼が終わり、午後の授業が始まった。
朱灯穂はお昼ご飯を食べて満腹感に襲われ
5時間目の授業はイスの背もたれに寄りかかり上を向きながら爆睡。
さすがに先生に注意されていて、それでクラス中が笑っていた。
「デコピンされたわ」
と口パクで言いながら額を摩る朱灯穂。笑う翔歩人。
翔歩人はきっと今のことをLIMEでなんか言ってるだろうなと思って
机の、教科書などを入れる部分に入れていたスマホをスライドし
下腹部、股間のあたりのスマホを持ってきて画面をつける。すると案の定
朱灯穂「指細ぇからデコピン痛ぇのなんの」
とグループLIMEでメッセージが来ていた。クスッっと笑った翔歩人だったが
朱灯穂のメッセージの通知の下に別の通知が来ていたのに気づき、そのメッセージも読んだ。
真夜衣「ゴールデンウィークどっか行く?」
真夜衣からだった。
ゴールデンウィークか…
お昼、みんなで話したことを思い出す。イラスト・漫画を専攻している庵は
寮組で、寮の自室に溜まっている詰みマンガを、アニメを流しながら見るらしい。
ゲーム制作を専攻している誉繁は実家暮らし。ゲームに明け暮れるらしい。
翔歩人と同じ料理専攻の涼鈴は、寮の料理をしながら、カフェ巡りをするらしい。
星之光高校の寮は、同じ系列の高校、太陽之光学園と同じ寮となっている。
太陽之光学園は全国屈指のスポーツ強豪校として知られ
全国各地から太陽之光学園に入ろうとする生徒が集まり
太陽之光学園側も全国から猛者をスカウトしてくる。その地方から来た組が寮に住んでいる。
そのため星之光高校の料理専攻組の寮での料理は少し難しい。
美味しいのはもちろんのこと、アスリート用の栄養面などを考えた献立を考える必要がある。
しかし料理専攻組の特権と言えるのが、掃除に参加しなくていいという点だ。
正確にいうと料理専攻組も掃除はする。しかしキッチンと自室だけで済む。
キッチンは毎回使った後に掃除をしているので、実質自室の掃除だけで済む。
むしろ自室の掃除は、誰に確認されるわけでもないので、自室の掃除は自由。
週に1回、当番制で共用部を掃除する。料理専攻組はそれが免除の対象となる。
ゴールデンウィークや夏休み、冬休みなど
長期間の休みのときは全員での寮内の細かな部分までの掃除が行われる。
もちろんこの大掃除も料理専攻組は免除。なので普通よりは楽なのだが
…どっか行く…。デートだよな…
今まで付き合った経験がなかった翔歩人はどこに行けばいいのかわからなかった。なので
翔歩人「みんなデート行くならどこ行く?」
とグループLIMEで聞いた。すると
「デート!?」
とスマホを持って驚き、立ち上がる朱灯穂。クラス中が朱灯穂を見る。先生も
「牛鹿野(うかの)くん?さすがにスマホ没収するよ?」
とジロッっと朱灯穂を見る。クラス中が笑う。
「あ、さーせーん。ちなみに先生、1個聞いていいっすか?」
「ん?いいよ?」
「旦那さんとデートするときってどこ行きます?」
「デート?」
「デート。どこ行くっすか?」
「授業と関係ないじゃん」
「お願い!もう寝ないから」
「寝ないのが当たり前だから。まあ…。んん〜、私はー…。そうね」
「あれ?旦那さんも先生なんですよね?」
「そうそう。だからあんま時間合わなくてデートというデートはしてないかなぁ〜」
「行くときもあるでしょ?」
「あるけどぉ〜…。アウトレットとかかな」
「車で?」
「そうだねぇ〜。買い物ついでにって感じかな」
「映画とか、なんていうの?ふつーのデートしないの?」
「映画。最近行ってないなぁ〜。それこそ見たい映画は友達と行くか1人で行っちゃうかだからなぁ〜」
「あぁ〜。行ってたときは?」
「行ってたときは映画まで少しお店見て、映画行って、外食して帰ってって感じ?」
「あぁ〜」
「てかなにこの話。はーい。授業戻るよー」
と脱線した授業が元に戻った。翔歩人がスマホを見ると
朱灯穂「ドヤ?朱灯穂様の話を引き出すテクニックは」
男の子がドヤ顔をしているスタンプを送っていた。
朱灯穂を見ると実際にドヤ顔をしていた。
庵「なに?なにがあったの?」
1人だけクラスの違う庵が反応する。
誉繁「朱灯穂が授業を脱線させた」
朱灯穂「ありがたかっただろぉ〜」
誉繁「たしかにありがかかったw」
朱灯穂「どお?参考になったかな?かーとくん」
翔歩人「買い物→映画→外食?でもそんなお金ないよ」
朱灯穂「あぁ〜。ウインドウショッピングでいんでね?外食ーは。ファミレスとか」
翔歩人「ファミレスかぁ〜…。どうなんだろ」
誉繁「デートでってこと?」
朱灯穂「あぁ、デートでってことか」
翔歩人「そうそう。結構いつも使うからさ」
朱灯穂「え。オレいつもファミレスだったけど。それこそお金ないし」
誉繁「中学のときの話?」
朱灯穂「そそ」
朱灯穂「てかいつもファミレス行ってるん?」
翔歩人「うん。時間合うとき放課後」
朱灯穂「どこ?近くのギフト?」
翔歩人「違う」
朱灯穂「どこ?教えろ。突撃するから」
翔歩人「だと思ったw教えないよw」
誉繁「今姉ちゃんに聞いたら高校生はファミレスでいいってさ。
たとえば映画行くってなったら、それだけでもういつもとは違う日だから
食事くらいお金かけずに落ち着けるとこがいいってさ。
姉ちゃんもデートのときは居酒屋締めらしい」
朱灯穂「あーね。姉ちゃんか。あれ(朱灯穂の姉)に聞いても無駄だろうしな」
誉繁「いや、うちの姉ちゃんいわくだけどね?」
という誉繁の意見を聞いて
なるほど
と思って
翔歩人「なるほど」
と送った。ただ
翔歩人「でも特に見たい映画ないんだけど」
特に見たい映画がなかった。
朱灯穂「いや、かーとが見たい映画じゃなくて彼女が見たい映画に行けよ」
翔歩人「なるほど」
朱灯穂「不安だなぁ〜。オレらでついてってやろうか」
翔歩人「勘弁してくださいw」
なんて盛り上がった。
紗夜(さや)「そう。めっちゃ、お嬢様ぁ〜って感じでさ?
内部生だけ制服も違うって前話さんかったっけ?
スカートの裾にフリルついてんの。ひらひらぁ〜って」
真夜衣は同じ中学で親友の紗夜と授業中にLIMEをしていた。
あぁ〜。なんか聞いた気するわ
と思って返信しようとしたとき、上部に通知が届いた。
翔歩人「映画とかどお?なんか見たいのとかある?」
翔歩人からのメッセージだった。
…映画?あぁ。デートね
と思って
真夜衣「私の好きな映画ってなに?」
と紗夜に送った。
紗夜「は?まよの好きな映画?ホリー・パッターとか?」
真夜衣「あぁ。ま好きだけどもう完結したじゃん。舞台はやってるけど観に行く気せんし」
紗夜「あぁ、舞台いいじゃん。行けばいいのに」
真夜衣「日本人キャストだよ?ないない。なんかない?いい映画」
紗夜「え?今やってるやつでってこと?」
真夜衣「そそ」
紗夜「知らんすぎる」
「てか自分のことは自分が一番知ってんだろふつー」
真夜衣「お。自分が一番自分を知ってる。どこにでも落ちてる名言」
紗夜「うるせぇ」
検索エンジン、Hoogle(ホーグル)の検索欄に「映画 今」と入れて検索した。
すると今上映中の映画がズラッっと出てきた。授業中にも関わらず堂々と机の上で画面をスクロールしていた。
恋愛系?ま、カップルだしいいかもだけど…。
シルフィーの映画?実写化だしパスかな。
アニメ?マンガも読んだことなければ、テレビ放送1回も見たことないのに?
悩んだ。映画ももちろんデートコースも悩んだ。
映画館を真新宿のキラデリーと設定すると真新宿でのデートとなる。ただ、正直
真新宿かぁ〜…。ゆっくりできなそう
と思った。そう思いながらも映画を探した。
紗夜「”2番線ホームの君“は?主演影野(かげの)龍(りゅう)くんだって」
という紗夜のメッセージを見て
俳優で見ないからなぁ〜…
と思う真夜衣。しかし調べてみる。
あぁ。これか
先程調べたときにもどこの映画館でもやっていた映画だった。
どんな映画か調べようと思ったが、不意にネタバレを見たくなかったので
真夜衣「どんな映画?あ、ネタバレなしでザックリと」
と紗夜に聞いた。
紗夜「は?調べろや」
真夜衣「いや、ネットにはネタバレするバカが紛れてるからさ」
紗夜「あーね。しゃーない。紗夜様が調べてやろう」
真夜衣「ありがとうございます」
紗夜「駅でのラブコメ。コメ?コメディではない。恋愛映画。
完全オリジナル脚本だってさ」
という紗夜からのメッセージを読んで
やっぱラブストーリーか。…んん〜…
悩んだが
真夜衣「さんきゅ。相談してみるわ」
と送った。
紗夜「は?相談?まさか彼氏じゃないだろうな。だとしたらしばく」
真夜衣「大人しくしばかれるわ」
ということで
真夜衣「なんでもいい?」
と翔歩人に送った。すると
翔歩人「もちろんいいよ」
と返ってきたので
真夜衣「じゃ、決めとく」
と送った。5時間目の授業が終わり
「かーとかーとかーと。ちみのせいで怒られたではないかー」
と言う朱灯穂。
「でもあれだね。いい時間稼ぎになったよね」
と言う誉繁。
「すごくね?サラッっと聞いてからの繋ぎ?しかもかーとが聞きたがってた情報を」
「ま、すごいけど、あんま参考にはなんないよね。結婚してるし、先生同士っていう特殊なケースだし」
「…たしかに?誉繁のお姉さんのほうが参考になるか」
「ま、かもね?」
なんて話して6時間目が始まり、授業のすべてが終わった。
しかし星之光高校は通常授業の後にそれぞれの専攻している分野の授業がある。
午後も通常授業がある場合は座学。午後丸々実習のときもある。
ホームルームを終え、少し時間がある。寮組は一度帰る時間がある。
人によっては寮組じゃなくても、家が近ければ一度帰れる。そしてなぜか毎回毎回
「いやぁ〜。かーとが寮組でよかったわー」
朱灯穂と誉繁はなぜか寮に来る。
「なんで」
「え?いや、ゆっくりできんじゃん?」
と言いながらベッドに横になる朱灯穂。
「別に教室でもゆっくりできるでしょ」
「いやぁ〜…。なんつーの?友達の部屋感?」
と言いながら仰向けでスマホをいじる朱灯穂。
「ま、実際に友達の部屋だからね」
「でもすぐ来れんじゃん?」
「これくらいの時間があったら朱灯穂も帰れんじゃないの?」
「まー…。帰れるかな」
「じゃなんで」
「え?1人で帰ってまた来んの嫌じゃん」
「あぁ〜。誉繁もそう思ってんのかな」
「さあ。誉繁は家が遠いからかもなぁ〜」
と言った後横向きになって
「で?デートどうするか決めたん?」
と翔歩人を見ながら言う朱灯穂。
「いやぁ〜。悩んでる。彼女に映画見たいのある?って聞いたんだけど、「決めとく」って来て」
「はあぁ〜。なんだろーな。恋愛映画?それともホラアァァ〜映画?」
「ホラー映画」というとき、おどろおどろしい表情でおどろおどろしいポーズをしながら言う朱灯穂。
「どうかな。真夜衣、ホラー映画好きなのかな」
朱灯穂の表情にもポーズにもツッコまず考える翔歩人。
「知らんの?もう付き合ってー…半年くらいだろ?」
「半年ー…くらいだね。ちょうど」
「あれだろ?…あぁ。今思い出しても腹立つけど、文化祭だよな?達磨の」
「なんで腹立つの」
「いや、だってよ?オレらが「はーい。ここから内側は入らないでねぇ〜」って言われて
白線の外側で花火見てた間に校舎の中でイチャコラしてたんだろ?」
「あ、え、そうなの?校舎内って入っちゃダメだったの?」
「それは知らんけど、外にいると花火の…殻(がら)?が落ちてくるかもだから
白線の、白線の内側までお下がりください(電車のアナウンス風)ってさ。あ、内側じゃないか、外側か」
「あ、そうだったんだ」
「そんときそこで告白して付き合ってだろ?」
「まあ…ね」
照れくさそうに頷く翔歩人。
「幸せそうすぎて腹立つよね」
と笑顔で言う朱灯穂。
「デート?」
と言うルビー。達磨ノ目高校では、詩衣、ルビー、真夜衣の3人が体育祭のときのダンスを練習していた。
休憩でベンチに座っていたら真夜衣からポロッっとそんな話題が出た。
「そ。どこ行くのがいいのかなって。先輩である2人に相談したくて」
「まよに相談されるとなぁ〜…」
「そうだね。なんか先輩と言われるのも違和感」
「でも恋愛遍歴では上なんですから。特にウタイーは」
「やめてください…」
「どこ行くのがいいって、別にそこら辺ぷらぷらでいいんじゃないの?」
「そーゆーもんなの?」
「そーゆーもんでね?ね?先輩」
「…先輩やめていただいていいですか?」
「教えてください先輩」
「お願いします先輩」
と頭を下げるルビーと真夜衣。
「…え、映画とか?」
と言う詩衣。
「え。映画行ったの?」
「え。うん。ちょうどシルフィー映画やってたから、一瞬に見に行った」
「え。かわよ」
「そんなもんでしょ小学生なんて。だから高校生の適切なデートなんてわかりませーん」
「まー。見たい映画があればねー?」
と言いながらスマホで映画を調べるルビー。
「映画とかあんま興味なくてどんなんやってるか知らんなぁ〜」
「あ、でもね。影野くんの映画はお姉ちゃんが知ってた。なんだっけ」
「あれ?「何番線ホームの君」?2番線だっけ?」
「それ!まよよく知ってたね」
「調べたからね」
「あ、調べたんだ。…お。「雨に消えた者たち」に小樹(おぎ)天(あまね)くん出てるって」
「それは何系?」
「マーダー系?」
「まーだー?」
「サスペンス?っていうの?ミステリー?殺人起こるやつ」
「あぁ〜。おもしろそう」
「でも殺人起こる系のやつ、デートではどうかね」
「ルビー様、提案しといて」
「いや、…でもありか」
「どっちだよ」
「でも恋愛系もどお?先輩」
「だから高校生の恋愛においてはまよが先輩だから」
なんて恋バナで盛り上がっていた。詩衣、ルビー、真夜衣たちはダンスの練習をして
休憩で雑談をしての繰り返しで家に帰り
星之光高校も、通常の授業が終わった後の専門分野の座学が終わり、それぞれ家に帰り
夜ご飯も食べ終え、お風呂からも上がった真夜衣は紗夜と電話をしていた。
「とりあえず今度会ったらしばくからね」
「はいはい」
「流すな。人が真面目に授業受けてる最中に」
「嘘つけ」
「嘘じゃありませんー」
「リアルタイムでLIMEしてたろ」
「てへぺろ」
「可愛くない」
「はい2回しばく。確定。彼氏は?彼氏と電話して決めればいいじゃん。デートコース」
「あぁ。そうしようと思ったんだけど、お風呂まだらしいからさ」
「なんかエロいな」
「どこがだよ」
「え?なんかお風呂事情知ってるってなんかエロくね?」
「…。まあ、わからんでもないけど、そもそも寮生活だからエロ要素皆無だろ」
「あ、彼氏くん寮なんだっけ?」
「言ってなかったっけ」
「…。わからん。覚えてない。興味ない」
「興味は持って。親友の彼氏なんだから」
「まあそうか」
「なんか入浴時間があるんだって」
「へえぇ〜。おもしろそう」
「ただプライバシーほぼゼロらしいよ」
「そっか。寮って大浴場か。あ、それはキビシイですね。ん?」
紗夜がなにかに気づく。
「…いやいやいや。エロい展開あるでしょー」
「…。どこに?」
「いやいや。共学でしょ?で、寮。さすがにお風呂は別れてるとはいえ
お風呂上がりのタオル1枚の女子とかが彼氏くんと鉢合って
なんなか角曲がったらぶつかって女の子が倒れちゃって…あーん。キャー!みたいな?」
「なにそのクソマンガ」
「…私も言っててクソだなって思った。ただそーゆーこともあるんじゃぁ〜…。っ。ないですかぁ〜?」
某任三郎みたいな言い方をする紗夜。
「おぉ。Fool畑任三郎」
「Fool畑任三郎」とは最近流行りつつあるワードで「的外れ」「バカな推理」をしたときに使うワードである。
「嘘じゃん。あるって」
「男子棟、女子棟で別れてるって。当たり前だろうけどね」
「なあぁ〜んだ。建物自体も別なのか。じゃあラッキーすけべはないわけか」
「ないだろうね」
「ラッキーすけべなくてよかったわ」
と食堂で言う庵。
「なんで?」
とキッチンから聞く翔歩人。
「え。だってあったとしたら
クソ童貞陰キャ夢見がち、読者獲得釣りエロ漫画家が合ってた。ってことになるじゃん」
「酷い言い様」
と笑う翔歩人。
「いや、仮によ?仮にオレが、ここ(星之光高校)を舞台にマンガ描くとするじゃん」
「ここを舞台に?おもしろくなる?陽学(太陽之光学園の略称)のほうがいいんじゃない?」
「まあ。でさ?寮を描くときに「キャー」みたいな感じでバスタオル1枚の女子とぶつかって
バスタオルはだけて…みたいなの描いたらどう思う?リアリティーゼロで吐くでしょ」
「吐きはしないけど」
「そーゆーこと。中庭を挟んでるからパンツすら見えない」
「見たいの?」
「…。近くて遠い。てかパンチラとかラッキーすけべ目的のエロ目的で見るんなら
ガッツリエロマンガ読むわ。って思わん?」
「そぉ〜…なの?」
「そーなの」
「かーとー。こっち終わったから手伝おーかー?」
と涼鈴が翔歩人に言う。
「あ。ううん大丈夫。もう終わるから。明日の朝の仕込みしとく?」
「うん。だねぇ〜」
「ついでに朝練組の朝ご飯作っとこか」
「あ、そうだー。お弁当頼まれてたんだ」
「また?涼鈴は優しいから頼みやすいんだよな」
「ま。楽しいからいいけどねぇ〜」
「手伝おっか?」
「お願ーい」
結局夜ご飯が終わった後も翔歩人と涼鈴は次の日の朝ご飯などの仕込みをして
庵は食堂でスマホをいじりながら翔歩人と涼鈴と話していた。
「長いって」
「え。あ、ごめん」
「お風呂行こー」
料理組の仕込み等いろいろ終わったということで3人でお風呂に入ることにした。
タイミングがよく、3人で貸切状態だった。
「はあぁ〜…。サイコー。貸切」
と言いながら寄りかかり、思い切り脚を伸ばす庵。
「珍しいよね」
「だねぇ〜」
「最近シャワー組が多いから。大浴場空き気味」
「なるほど」
「でぇ〜?」
と言いながら庵が壁から離れ湯船に浮かぶ。しかしすぐ沈む。そして湯船から顔を出して
「昼のなに」
と翔歩人に向かって言う。
「昼の?」
「昼の。デートとか授業脱線とか」
「あぁ。オレが彼女とのデートのこと聞いて、そしたら朱灯穂がデカい声出してさ?
それで先生に怒られたんだけど、朱灯穂がその後デートの話をしてさ?」
「先生と?」
「そそ」
「それでありがたかっただろってことか」
「そーゆーこと」
「あぁ〜あ。なんでオレだけ他クラスなんだよマジでぇ〜…」
と言いながら潜る庵。なんてなんでもない話をしてお風呂の時間を過ごし
冷蔵庫から飲み物を出して食堂で飲んだり、アイスを食べたりしてそれぞれ部屋に戻った。
部屋に戻った翔歩人は真夜衣に返信をして電話をすることになった。
「遅かったねー」
「ごめん。朝ご飯の準備とか諸々してからお風呂入ったから遅くなっちゃった」
「お疲れ様」
「あ、ありがとう」
あくびが出る翔歩人。
「ゴールデンウィークのデートの話だけどさ?」
「うん」
「映画ほんとになんでもいいの?」
「いいよ。真夜衣の見たいやつで」
「翔歩人は見たい映画ないの?」
「見たい映画…」
スマホで検索エンジン「Hoogle(ホーグル)」の検索欄に「映画 上映中」と入れて検索した。
「今調べてんの?」
「うん…」
返事はするが瞼がしょぼしょぼして重くなってきた翔歩人。
「眠そうね」
「ん?そんなことないよ」
真夜衣に言われて、目を一度見開き、眉間に皺を寄せる翔歩人。
「そお?でさ?映画見てからどうする?」
「んん〜…。カフェでも行く?映画見て少し休憩というか」
しかし眠気は一切どこにも行っておらず、すぐに瞼が重くなる。
「お。いいね。カフェ行って、ま、その後は成り行きにまかせる?」
「ん?うん。いいんじゃないかな」
と言う翔歩人に
眠そぉ〜
と思う真夜衣。
ま、明日も朝早いだろうしな
と思い
「寝る?」
と提案する。
「ん?んん〜…。もうちょっと。…もうちょっと話してたい」
と言う翔歩人に思わずキュンとする真夜衣。
可愛いかよ
と思った。翔歩人がそう言うので真夜衣は今日あったことを話した。
翔歩人が寝れるようの少しボリュームを落とした声で。
しかし、そもそも声を張るタイプではない真夜衣がボリュームを落とすともはやウィスパーボイスである。
そんな真夜衣のウィスパーボイスを聞きながら翔歩人はすぐに寝落ちした。
真夜衣のスマホからは翔歩人の寝息が「スー…。スー…」と聞こえる。
すぐに切ればいいのだが、真夜衣はそれが愛おしくてしばらく聞いて
「おやすみ」
と言ったから切った。そして
真夜衣「おやすみ。デート楽しみにしてる」
と送って眠りについた。
コメント
3件
わあ、17話お疲れ様でした!🥀🤍 ゴールデンウィーク前の日常パート、すごく可愛かったです…!真夜衣と翔歩人の電話のシーン、特に「寝る?」って提案したあとに「もうちょっと話してたい」って言う翔歩人に真夜衣がキュンとするところ、めっちゃ分かります…そういう何気ない会話が尊いんですよね💕 友達同士の雑談もそれぞれのキャラが立ってて、達磨ノ目と星之光の両方の空気感が伝わってくるのが上手いなって思いました。デートの話、どんな映画見るのかな…続きが気になります!🌙