テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

背徳の園へ ~姉と弟

一覧ページ

「背徳の園へ ~姉と弟」のメインビジュアル

背徳の園へ ~姉と弟

1 - 私の弟

♥

32

2025年07月30日

シェアするシェアする
報告する


私の名前は如月 亜美(きさらぎ あみ)。都心の私立高校に通う、華の十七才だ。



表向きは何の変哲もない、普通の女子高生だと思う。



だけど私には、誰にも言えない秘密がある。



「おねえちゃ~ん。勉強教えて~?」



姉弟共同の部屋。何時ものように、私にまとわりついてくるこの雪のように白い肌の少年は――



「ユキちゃん」



如月 雪也(きさらぎ ゆきや)。小学五年生になる私の実の弟。



そして最愛の弟。



私達には母親がいない。ユキちゃんが小学校に上がる前に、交通事故で他界してしまったから。



以来、私がユキちゃんの母親代わりみたいに、ずっと面倒を見てきた。



父親は私達を養う為、出張がちで家に居ない事の方が多いけど、私はそれが辛いとか、寂しいとか思った事はなかった。



何故なら――



「おねえちゃん」



私にはユキちゃんがいる。



誰よりも愛する――私の弟。



自慢じゃないが、ユキちゃんはとても可愛い。整った顔立ちにとても似合う、栗色の艶やかな毛並みからはお日様の香りがしたものだ。



私はこの香りが大好きで、ユキちゃんを抱き締めては、その香りを嗅ぐのが日課となっていた。



匂いフェチとは違うと思う。ユキちゃんだからこそ心地好いだけ。



何時も愛らしい瞳を私に向けてくれるユキちゃんは、本当に目に入れても痛くないと思える程で、私はつくづく親馬鹿(いや、姉馬鹿か)だなぁと思う。



友達からはよく『亜美ってほんとブラコンだね~』と揶揄されたりもするが、その通りだと自分でも思う。



母が亡くなってから、ずっと二人だったから。私はユキちゃんの姉であり、母親でもある。



お風呂に入る時も寝る時も、私達は常に一緒。



『お姉ちゃん大好き~』



『私もユキちゃん大好き~』



この関係はきっと、ずっと変わらない――。



***



――ある日の夜。ユキちゃんと何時ものように、一緒にお風呂に入った時の事。



どうも様子がおかしい。



「ユキちゃん? 次は前だよ、こっち向いて?」



それは何時ものように、背中を洗っていた時だった。



「ううん……。自分で洗うから……いい」



拒絶。これは初めての事で、私は少し戸惑った。



これまでユキちゃんが、私を拒否した事は一度も無かったのに。



今日は何処かおかしい。洗面器にちょこんと座り、私に背を向けたまま、ユキちゃんは振り返ろうともしない。



「どうしたの? 何か……あった?」



今まで見た事の無いユキちゃんの態度に、私は少し悲しくなる。



「なんでも……ないから!」



何でもない筈が無い。ユキちゃんは膝を抱えて、何やらもじもじしている。よく見ると耳まで真っ赤だ。



のぼせてしまったのだろうか?



「とにかく前向いて」



私はユキちゃんの小さな肩を両手で掴み、無理矢理前を向かせていた。



「お姉ちゃん、見ないでぇ!」



振り向かせたユキちゃんの目尻には、涙が浮かんでいた事実に、私は戸惑いを隠せなかった。



ユキちゃんが私のせいで泣くなんて――。



しかしすぐその訳が氷解する。



「僕、病気になったみたいなの……。急に腫れちゃって……」



自分に何が起きたのか分からないのだろう。



ユキちゃんの“男性”の象徴は、しっかりとそそり立っていた。



私は思わず言葉を失っていた。それと同時に安心感も生まれた。



ユキちゃんはしっかりと、健康な男性としての成長を、順調に育んでいた事に。


背徳の園へ ~姉と弟

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

32

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚