テラーノベル
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何やら格安の草が生い茂る一軒家
部屋も広く、内装は綺麗。
気になることと言えば風呂の壁が膨れている、
風呂の水蒸気が壁に入り込み、そこに水かなにかが少し入り込んでいるのだろう。
「いいですね。ここにします。」
そうすると不動産の人が戸惑った顔で
「本当にここでいいんですか?」
と言ってきた。
「多分事故物件とかですよね。」
「ええ…
前に住んでいたのは家族でして…
動機不明の一家全員自殺をしたそうです…
家族によって自殺の種類は違って…」
「あ、いえ、そこまで聞いてないです。」
「あ…え?..あ」
「自分そこまで事故物件とか気にしない人なんですよ。」
「は..はぁ…」
この家に住んでから1週間程経ったある日、現実とは思い難い現象が起きた。
なんと冷蔵庫に入れて置いた缶ビールが1つ消えていたのである。
しかもその飲んだ缶ビールをご馳走様とでも言わんばかりの態度でちゃぶ台の真ん中にドンと置いてある。
最初は誰かのイタズラとか酒だけ飲んでいく頭のおかしい強盗かと思った。
しかし、今目の前で缶ビールが浮いており、しかも柿ピーというつまみを持ってきた!
この光景を目の前にして取った行動は1つ
冷蔵庫からもう1つ缶ビールを持ってきて
「一緒に飲もうぜ!酒仲間欲しかったんだよ!」
と言い、ドスンとあぐらで座り込み、見えないけどとりあえずそこに誰かいるという認識だけで話しかけてみた。
すると声が返ってきた
「まじかよ」
さらに追い詰めるように声をかけていく
「ねぇ?誰?
どこにいるの?
俺ん家で何してんの?
どうやって入ってきたの? 」
見えない何かは焦りで言葉を詰まらせながら喋った。
「っと…俺はこの家で死んだ人だ。
まぁ…なんつーか…幽霊?だから君からは見えないし、どうやって入ってきたかは分からないはずだ。」
実に奇妙だった。
幽霊とか占いとかそういうオカルト系は嘘の塊とでも思っていたが今ここでその思考が全て破壊された。
「幽霊だけど、何故か食べたり触ったり出来るんだよね。缶ビール美味かった。」
「勝手に飲食しないで貰えます?許可とってからにしてくださいよ。」
「あぁ、そこ?なんか君普通の反応しないね。」
「普通もなにも勝手に不法侵入して勝手に食べて、訴えますよ!」
「幽霊だから訴えることも裁くことも出来ないよ。」
「じゃぁ金払ってください。もの触れるんでしょう?どこかから盗んできてくださいよ。」
「悪いがそれは出来ない。俺はこの家に束縛でもされてるかのようにこの家から出ることができないんだ。」
「なんもできないじゃないですか」
「すまん。」
そういえば一家全員自殺ということを不動産の人言っていたのを思い出した。
この幽霊の人は声からして成人だろうか。酒を飲んでるからそうでありそうだが。
「あなた以外に幽霊居ないんですか?」
「いや、居ない。何故か俺だけなんだ。母さんも息子もみんな俺を置いて旅立ってしまったのさ」
「自殺ってなんでそんなことしたんですか?」
「いや、ありゃ自殺じゃねぇんだ。」
話が一気に転換し、重みを増した。
「あれは暑い夜の時だったかな…エアコンがつかないもんでよ…寝室で家族全員の3人同じ場所で寝てんだ..」
「そんでちょっと目が覚めて喉が乾いたんだ…冷蔵庫を開けるとりんごジュースみたいなものがあったから飲んでみたらみりんでよ…
なんで冷蔵庫にみりんがあんだよって思ったさ…ゴクゴク飲んだせいで喉が焼けるほど痛くって痛くって堪らなかった。 」
「その騒ぎで母さんが起きて…なんだっけな…
そうだ。暗くて母さんぶつかってしまったんだ。それでそのまま後ろに倒れると同時に机の角に後頭部直撃で多分俺はそのまま死んだんだ。
母さんや息子はその後どうなったか知らねぇ…」
俺はこの話を聞いてこう思う
『だせぇ』と。
コメント
1件
自分でもわけがわからない