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詩季「ぴょわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私の悲鳴が夜の街に響く。
みーちゃんは背中の部分を少し変形させて、羽みたいなものを創り出し、地面に着く前に空高く上がった。
沙夜「うわぁ…すごい綺麗…!」
詩季「空から見た街ってこんなきれいなんだね〜…!」
下の方を見下ろすと、街はキラキラと、宝石のように輝いていた。
みー「!…ゆいはこっちにゃ!!」
そう言うと、みーちゃんは急にスピードを上げた。
風が顔に叩きつけられ、髪が激しく乱れた。
沙夜「ちょっ!!!速くない!?」
詩季「うああああぁぁ…!!新感覚ジェットコースターだぁぁぁ…!!ぅわぁぁぁ!!!」
みー「にゃにゃにゃん!」
巨大な体で信じられないほどのスピードで街を駆けていく。
みーちゃんの体に必死にしがみつきながら、沙夜は周囲を見渡した。
沙夜「みーちゃん、どうやって追跡してるの?魔法石の匂い?」
みー「にゃ、ゆいの魔法の共鳴にゃ。同じ波長だから、どこにいてもわかるにゃ!にゃ?さっき言わなかったにゃ?」
詩季「…言ってたっけ…?」
みーちゃんの体から、微かな「キーン」という高周波の音が聞こえる。私の音の能力が、その音を増幅させ、結衣の魔法石の微かな共鳴を正確に捉えているのがわかった。
沙夜「詩季、みーちゃんの音を増幅させて!もっと正確な位置を!」
詩季「わ、わかった!」
私は、風を切る音と、みーちゃんの高周波の音に意識を集中させた。すると、遠くの街の音、車のエンジン音、人々の話し声、その全てが正確に聞こえてくる。
その中に、微かに、しかし確実に、結衣の魔法石の「共鳴」の波長が混ざっているのが聞こえた。
詩季「みーちゃん、もう少し右!あの大きなビルの向こう!」
みー「にゃっ!」
みーちゃんは急旋回し、ビルの壁を垂直に駆け上がった。屋上を飛び越え、視界が開けた瞬間、遠くの高速道路を走る一台のトラックが見えた。
沙夜「あれよ!あの宅配会社のトラック!」
詩季「間違いない!結衣が乗ってる!」
みーちゃんは、トラックに向かって急降下を始めた。そのスピードは、まるで流れ星のようだった。
みー「にゃ!ゆいの匂いが強くなってきたにゃ!もうすぐそこだにゃ!」
トラックの荷台のリアドアには、結衣が残した隠語のシールが貼られているのが、空からでもはっきりと見えた。
『コップ』『天秤』『チョコ型』『Black Cream』
私と沙夜は、みーちゃんの背中で顔を見合わせ、強く頷いた。 結衣は、すぐそこにいる。