赤side
気を失う前とは違う感覚に
あったかい
なんてことを寝起きのぼんやりとした頭で考えた。
…来てくれたんだ。
腕にまかれた包帯。片付いている部屋。綺麗になっている身体に掛けられた布団。
関わってもメリットなんてないに等しいような人間なのにここまで世話を焼き続ける彼は少し頭がおかしいのだと思う。
体を起こしてベッドの上でぼーっとする。
今何時なんだろう。さとみくんはもう帰っちゃったのかな、
そうだったら寂しいな。
「…あれ、莉犬起きてたんだ」
声がしたのに驚いて言葉にならない声がでる。
まさかもう帰ったと思っていたから少しびっくりした。
「ごめんごめん」
そう言いながら俺の前にしゃがんで頭を撫でてくる。
…俺これ好き
「莉犬今日は学校どうしようか、」
「なん、、じ…」
「今はまだ6時だよ」
「3限から…」
「そっかわかった」
「もっかい寝るか?」
「一緒に..寝る…」
あまり普段は言わないことを言ったからか少し驚いた顔を見せるさとみくん
なんだか寂しくて1人で寝たくない気分だったんだもん。
「いいよ寝ようか」
そう言って優しく笑うのは少しずるいと思う。
俺の布団に一緒に入って2人で横になった。
いつも抱いて寝ている犬のぬいぐるみを抱きしてめてさとみくんを見る。
お世話なんて自分で言うのは癪だけどこれはどうみたってお世話だ。
…なんでさとみくんはここまで俺のことお世話してくれるんだろう。
俺さとみくんがいなくなったら何もできなくなっちゃいそう。
合鍵を渡したのだって出会って仲良くなってから頻繁に俺のこと面倒みてくれるようになったけど、
学校方向違うから一緒に帰ることは無くて、でもほぼ毎日来てくれるのにインターホン鳴らさせるの申し訳無くてあげたというのが理由だ。
実際俺は部屋で気を失ってるこちがちらほらあるし、さとみくんも来る時間が疎らだから合鍵を渡してよかったと思った。
俺なんかとと友達になんかなっちゃって可哀想なひと、。
でも風呂もトイレもキッチンも洗濯機も勝手に使うし
冷蔵庫なんかはさとみくんが買ってきたので8割を占めてるし、
夜も来客用の布団敷いて泊まる日ばっかりだし、
なんかもう俺よりこの家にちゃんと住んでるよさとみくん。
…もしさとみくんが離れて行ってしまったらを考えて苦しくなった。
さとみくんが離れて行ってしまったら俺はきっと死んでしまう。
比喩とかじゃなくてきっと本当に
ぬいぐるみを後ろに置いてさとみくんに抱きついた
嫌な顔せず抱きしめ返してくるさとみくんはきっと誰よりも優しいのだと思う。
頭を撫でるその温かさに安心してまぶたを閉じた。
コメント
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第1話からの桃くんの裏の顔を知って読むとまたすっごく良くて、赤くんがどんどん桃くんに依存してのがまた最高すぎでした🥹🤍桃くんを純粋に信じて頼りにしてる赤くんと裏で狂うほどに赤くんを愛してる桃くん、、、めちゃくちゃ良すぎです( ´ཫ`)♡続き楽しみです!