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「日向くん!一緒にお昼食べよ!」
4時間目が終了してすぐ、薫は僕に声をかけてきた。授業中も、彼女は楽しそうに受け、何度も発言をしていた。まるで、授業そのものより、学ぶということを楽しんでいるようだった。
「わかった。いいよ。屋上でいい?僕、いつも屋上で食べてるんだ」
「うん!それじゃあ、早速屋上へ行こー!」
そして勢いよく彼女は教室から出て行った。すると、雅が声をかけてきた。
「なあ、日向。薫ちゃん、屋上の場所、わかんなくないか?」
「あ、確かに」
僕が教室を出ると、彼女は涙目で僕を見つめた。
「ど、どうしたの?」
「屋上ってどこにあるのー、」
そんなことで彼女は泣いていたのだ。なんとまあ、恥ずかしい限りだ。
「そんなことだろうと思ったよ。ほら、一緒に行こうか。僕が案内するから」
「うん、ありがとう」
すると、彼女は僕の手をそっと握った。
「ー!?」
「離れたら、嫌だから、」
と、彼女は涙目で言った。そんなに迷うことが怖いのだろうか。でも、仕方がないのか。だって彼女は転校してきたばかりで、知らない人しかいないのだから。
ガチャ キー
「ほら、ここが屋上だよ」
「うわー!すごく風が気持ちいいねー!いつもここで食べてるの羨ましいな!」
「そう言ってくれるのは君だけだよ」
そう、僕は言った。誰も僕のことになんか気に留めなければ、話すことすらない。僕にとっての友達は雅だけだ。
「それじゃあ、食べようか」
「うん!いただきます!」
僕たちは食べながら色々話した。お互いの性格や好きなことや、嫌いなこと。
「ねえ、薫さん。君は、なんでこの高校に来たの?」
「え?なんでって、どういうこと?」
「いや、なんでこんな普通の高校に来たのかなって思って」
「家庭の事情でこっちに引っ越してきたから、それで、たまたまこの高校があったから、ここに来ただけだよ」
「ー?」
ーなんだろう。一瞬顔が曇った、ような?
そう言う彼女の顔は、僅かに暗かった。まるで、何かを隠しているようで。
「そうだったんだ。まあ、普通の高校だけど、それなりに楽しめるんじゃないかな。昨日行ったショッピングセンターだってあるしね。いつでも行けるからさ。」
僕はそう言った。ここは踏み込んではいけないと思ったからだ。こんな僕でも気遣いはできる。なんなら、得意な方だ。些細な変化を読むのがすごく得意だ。
「そうだね!確かにここには遊べる場所がたくさんある。これからたくさん満喫するぞー!」
そう、彼女は笑って行った。その笑顔はいつも通りだった。でも、さっきの暗い顔を見た後のその笑顔は、まるで、作り笑いのように感じてしまったんだ。
コメント
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うわ、このエピソードすごく良かったです…!屋上で手を握るシーン、一瞬の「!?」って感じが日向くんの純情さを引き立ててて、思わずにっこりしました。でも薫さんの「家庭の事情」のところで一瞬顔が曇る描写、さりげないのにすごく気になります。転校生の彼女が何を隠しているのか、今後の伏線っぽくてゾクゾクしました。次が待ち遠しいです!