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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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「朱里、これお願いね」



「は~い、お待たせしました。だし巻き玉子と明太ポテトサラダです」



「ありがとうございます。僕、ポテサラがすごく好きなんです」



「たくさん食べて下さいね。直江さん」



常磐社長に教えてもらい、やって来た「灯り」。

早速、名前で呼んでもらえるのはやっぱり嬉しい。



だし巻き玉子とビール。

仕事の後の疲れた体に染み渡り、生き返るようだ。



「いらっしゃい、双葉ちゃん」



えっ……?

そんな……



「ママさん、こんばんは。お腹空いたぁ」



「お疲れ様。じゃあ、生姜焼きはどう?」



「うわぁ、美味しそう。ぜひ」



「少し待ってね。すぐ用意するから」



「ありがとう」



可愛い見た目、声、この人は双葉さんだ。

たった3回しか会ってない人だけど、見間違えるはずがない。3年経っても……ずっと忘れられない人だから。



「あの……双葉さん?」



勇気を振り絞って声をかけた。

心臓がバクバクする。



「えっ、涼平先生!?」



やっぱり双葉さんだ。

名前を呼ばれ、僕のことを覚えていてくれたことに感激した。でも、本当に、こんなところで会えるなんて……



「お久しぶりです、双葉さん」



「え? 双葉、直江さんと知り合い? しかも、涼平先生って」



朱里さんが驚きながら言った。



「うん。涼平先生は、理仁さんと同じ、TOKIWAスイミングスクールのインストラクターさん。レッスンも楽しくて」



理仁さん……?

双葉さんは、常磐先生を名前で呼んでる?



「そうなんだ。直江さんはインストラクターさんだったんですね」



「え、ええ。話してなかったですね。常磐社長と常磐先生……あ、理仁さんにはすごくお世話になってるんです」



「そうなんだぁ、それでうちに来てくれたんだ」



「はい、社長に勧められて。でも、本当に久しぶりですね。あの時、すぐに辞められたから心配してました」



「すみません、あの時は勝手に辞めてしまって。涼平先生にはよくしてもらったのに……」



「いえ、そんな。とにかくお元気そうで良かったです。あの、双葉さん。この後、少しお時間もらえませんか? 伝えたいことがあって」



「あ、ええ……。わかりました」



いきなりの誘いに引かれてしまったかも知れない。

かなり強引だとは自分でもわかってる。でも、どうしてもこのチャンスを逃したくはなかった。



小刻みに震える手。

上手く箸が持てない。

双葉さんに会えた驚きと喜びで、「灯り」の美味しい食事を楽しむ余裕は完全に消えてしまった。



食事を終え、双葉さんと2人、空いていた奥のテーブルに座った。



「すみません。せっかくゆっくりされてるのに」

世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~

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