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あの日から、ルカとよく行動するようになった。
「ルカ!」
また別の日
「ルカ?」
また別の日…
「るーかー」
また…別の日…
「ルカ?」
「ん、ほら、今日はクッキーだよ」
茶色の小袋をローブから出し、シャルロットに渡す。
「やった!」
…ん?
「…って、ちがーう!」
「?」
餌付け、餌付けなのかこれは!?
寮に入った翌日、是非良かったらと渡されたクッキーを食べてから、ルカにお菓子を強請るようになってしまった
革命的に美味しいのだ、甘すぎず、苦すぎず、ちょうどいい合間を取ってくる。
しかもクッキーだけではなくどんな種類のお菓子も作れてしまう、仕舞いには料理まで…すぱだりだよこんなの…っ!
それに、ルカの横は居心地が良かった。
突然叫び出したシャルロットに今だけ??を浮かべ、キョトンとするルカは、袋からクッキーをつまみ出しシャルロットの口元に持って行った。
「いらない?」
「っ居る!」
バクッとクッキーに食らいつき口の中でサクサクと噛み砕く。
「うんまぁ…..」
何度食べても飽きない味だ。それに、時々、味変で混ざっているほろ苦クッキーが良すぎる。
クッキーを飲み込んだシャルロットは紙袋を取り出しルカに渡した。
「いつも悪いからこれ、俺のよく飲んでる紅茶。少し苦めだから甘いのと合うと思う」
両手で紙袋を受け取り、パッと笑顔になったルカ
「わ〜!ありがとう、シャル!今度お茶会しようね 」
紙袋を机に置いてシャルロットの頭をわしゃわしゃと撫でる。そんなルカにずっと思っていた疑問を問いかける
「ルカって、頭撫でるの好きなの?」
「うーん…シャルの頭は撫でたくなるんだよねぇ…」
なんだろ、丸みかな、嫌だった?ルカは撫でる手を止める。
「ん、嫌じゃないから大丈夫。ルカは特別な?」
手に頭を擦るように首を揺らすとルカは「良かった!」といい撫でる手を再開させた。
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その日の授業終わり、寮に戻るためにルカを待っていると、ばったりとロイに出くわした。
「あ、シャルロット」
ロイはこちらに気づきパッと笑顔になり駆け寄る。
「ロイお兄様、今帰りですか?」
教科書が入ってあるであろうカバンを肩にかけ、廊下で立っているんだから、理由はそれくらいだろう。
「うん、シャルロットも?」
「はい、同じ寮の人を待っているんです」
「そうなんだ!シャルロットの寮の人ってどんな人?」
「そうですね…」
少し話していると後ろからパタパタと足音が聞こえた、 後ろをみると廊下からルイスが此方に歩いてきていた。
「ロイ!」
「ルイス!」
走ってきたのか、ルイスは息を切らしながらきた。
「ロイお兄様はルイス様を待っていたんですね」
まぁ、分かってはいたけど。と思いつつ白々しい反応をする。
「うん、そうなんだ」
「…やぁシャル」
ロイに向けていた顔を一瞬向け、挨拶をしたらすぐにロイに顔を向けた。シャルロットには興味が無いらしい。態度があからさますぎやしないか?ロイですら気づいて苦笑いしてるよ。
…..今度はシャルロットの後ろから足音が聞こえ、振り返るとルカも走ってきたのか息を切らして、ローブの左側が着れていないルカが居た。
「ごめん、遅れた!!」
「ルカ!」
「先生に呼び止められて、ごめんなぁ…」
「大丈夫だけど、ローブちゃんと着な」
「分かった…あ!ルイス先輩こんにちは〜」
シャルロットはルカが地面に置こうとしたカバンを持ち、ルカはローブをいそいそと着初めた。
「…こんにちは、シャルの友達かな?」
(突然の営業スマイル…
「はい、同じ寮なんです。」
「そう…。私達はもう行くね、行こうかロイ 」
「ま、またねシャルロット、ルカ君」
「はい!」
やっとローブを着直せたルカにカバンを返した。
「俺らもそろそろ戻ろうか。」
「うん」
「ルカ、腰に手を回すなって、転ける」
「あ、ごめんごめん」
まぁ、転けたことは無いけど…
こんな廊下のど真ん中で腰を抱かれるのは恥ずかしいものがある。
「……」
背後でこちらを見ているルイスには気づかないまま寮へ戻った。
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とある日の、授業 魔法実践にて。
「シャル、一緒に組も?」魔法実践用の広場に集まり、ペアを組むよう言われて直ぐにシャルロットにペアを誘う。
「いいんだけど…ルカの属性って火でしょ?相性悪くない?」
「シャルが合わせてくれるじゃん、風魔法で浮かせてあげるから!」
「う、いいよ…」
ルカは火と風の属性で、2つとも極め使っている。ルカの風魔法は人を浮かせられるのでよくふわふわ浮かせてくれる、結構楽しいのだ。ある日から乗れ無くなったアトラクションみたいで。
それと火属性と風属性を上手く使って温風にして当ててくれるという器用な事まで出来るので、寒がりなシャルロットには大助かりである。
水の物質少し変える、魔力が多いいからやろうと思えば出来る。燃えやすい液体にし、水の中に空洞を作るようにしてルカの炎を包む。何気に難しく細かい為、魔力の動きを分かりやすくするためルカの手を取る。シャルロットの場合密着面がある方が魔力の流れがわかりやすい。
バシャッ…ボッ 魔法実践の対練習用人形にそれを当てると、燃えやすくした水を被った人形がルカの炎によって燃えた。
それを何個も作り、勢いよくぶつけると余すことなく全ての人形が燃える。
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ルカ・シャルロットペア A評価
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「やったね、シャル」
「な。」
パチン、と軽く手を叩き合い、2人はニコニコ笑っていた。
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「甘いもの食べたい…」
「シャルは魔力を使うと甘いの欲しくなるよね」
「人間、疲れた時は糖分が欲しくなるものなのだよ…」
「ほら、食べる?」
「!…食べる!」
ローブから出されたクッキーを口に入れてもらいサクサクと食べる。
「んふっ…餌付けしてるみたい…」
クッキーを口元に差し出すとパクパクと食べていけシャルロットにルカが笑う。
「次は何食べたい?」
「チョコシフォンケーキ!」
「オッケー、ちょっと苦めに作るね。」
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番外編
魔法実践の時のルカ・シャルロットペア
「手を繋ぐのは分かるけどなんで恋人繋ぎ?」
「距離が近い…」
「恋人繋ぎだ…」
「あいつら廊下で腰に手回してたぞ」
「俺たちは何も見なかった、何も見なかったんだ…」
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5話 エンド 12⁄1