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朝起きると昨日の夜寝る前の部屋と変わらなかった
「…夢じゃないんだ!」
寝起きなのに意外と大きな声が出てしまった
「起きたか?あいか」
いつの間にか神様が隣に座っていた
私は昨日とまったく同じ声が出ず動けないまま驚いていた
「化粧でもするか?」
神様は右腕を伸ばした先には鏡台があった
「そなたの化粧品を勝手に持ってきてしまった、すまぬな」
私は鏡台の大きさに驚いていた
「大きい鏡…」
「そなたはいつも鏡を見ているだろ?」
「え⁉」
家族しか知らないことをなんでそのことを知っているのか驚いていた
「我はそなたの事をずっと見ていたのだ それぐらい知っている」
神様は右手を私の頬を包む
「そなたは我の宝だ」
神様の唇が私の唇に近づいてくる
私はもう顔が真っ赤
(私このままキスしちゃうの…!?)
唇が触れる直前外から大きなものが落ちる音がしたのだ
慌てて外へ見に行くと庭の石灯籠が倒れていたのだ
「えぇ何⁉」
私は慌てていて目の前がぐるぐるする
一方神様は平然と周りを見渡している
「あ!いたー!」
どこかで少し聞いたことのある声がいきなり私に飛びついてきた
「探したニャン」
私に飛びついてきたのは小学校高学年ぐらいの少年で頭には猫の耳、しっぽが3本ついていた
「えーと…あなたは…」
私が混乱していると神様が少年を引きはがし首の後ろをつかんでいた
「昨日助けてくれたのにもう僕の事忘れちゃったニャン?」
少年は今にも泣きそうな目で見てくる
どこかで聞いたことのある声だと思ったら昨日の猫だった
「僕は ニャミ助 よろしくニャン 僕のお嫁さん!」
そのことばで神様の顔が一気に怒りの表情へと変わった
「お主 さっきから聞いていれば我の嫁に」
その時庭の方から狛犬の声が聞こえた
「主様~お嫁様~ 無事ですか~」
少し怪我をした狛犬が私の胸に飛び込んできた
「主様~ こいつさっきから変なことを言っているんですよ」
「ほぁ…さっきから」
「僕の世界ではメスがオスを助けたらそのオスは求婚をするのが決まりなんだニャン まさか神様の世界に来ていたとは…」
ニャミ助の 目がキランと光る
「お主の世界など知らぬ あいかは我の嫁だ‼」
神様は声を荒げる
「僕のお嫁さん…あいかっていうんだ」
ニャミ助はニヤッと私の顔を見る
「お主…我の嫁を見るな‼」
声を荒げた瞬間ニャミ助は体をひねり神様の手からするりと抜け服をひっかいた
私の左足ににすり寄りどこかに消えていった
私は狛犬を抱っこしながら呆然としていた
「あいか 大丈夫か」
「え、あ、はい!」
何がどうなっていたのかわからず返事に戸惑った
「我がついていながらこんな騒動を起こすなんて…」
神様は私を抱きしめた
私の顔は途端に真っ赤になる
神様からはすごくいいにおいがする
まるでお日様のような安心する匂いとお花の匂いがした
「お花の匂いがする…」
「そなたの部屋にあった花 覚えているか?そなたを嫁に迎えに行く日までずっと近くにあったのだ」
私は安心する匂いとあまりのイケメンさに見とれていた
「あ、学校!私学校行かなきゃ!」
ハッと思い出したかのように言うと神様が驚く
「そなたは…本当に色々忘れているのだな」
私はなんのことだか分からなかった
「そなたは我の嫁になると言った時 何があっても嫁になると泣いていたのだぞ?」
「!? 」
まさか自分がそんなことをしていたなんて顔が真っ赤になる
「そなたは本当にかわゆいな」
まるで幼子を見るかのような微笑みで私を見る
「わ、私はそんなに小さい子じゃないもん もう18歳になるんだよ?」
腕を組み頬を膨らませる
「では大人だと?」
神様も腕を組み右手を自分の口元へ持っていきニヤつく
「大人だよ!子供じゃないもん!」
神様は急に私の両腕を掴み私の頭の上に押さえつける
「え…あ…え!?」
「大人の扱いがいいのだろう?」
神様の唇と私の唇がそっと触れる
「主様〜」
狛犬の声でハッとしたのか私の両腕を離す
「こ、狛犬…いつから居たのだ!」
「ずーっといましたよ!というかあの猫を追いかけていたのは僕ちんですし」
神様と狛犬が言い争っているとぎゅ〜っという音がした
「…..すいません…お腹がすいていて」
音の正体は私のお腹の音
あまりの大きさに神様も狛犬も固まってしまった
「クッ…では朝食を用意するか それと明日は式当日だその準備もしてこよう」
神様が一瞬笑い私の頭を撫でる
私は真っ赤な顔で部屋に戻り布団の中へ潜った
「あぁ〜お腹鳴っちゃったぁ〜…」
ひとり布団の中で恥ずかしがっていると戸が開く音がした
真っ赤な顔を見られないように布団の中に隠れていると声がした
「僕のお嫁さーん」
ニャミ助の声だった
「え!?」
驚きのあまり布団をバッとはらいニャミ助に直撃した
「アタタ…あいかも僕のことを嫌うのかい…?」
「あ、ごめんね…びっくりしちゃって…」
私があわあわしているとニャミ助はクスリと笑う
「そんな所も可愛いなぁ僕のお嫁さんは」
「あのー…さっきからお嫁さんって…君はまだ子供でしょ?」
その言葉にニャミ助はムッとする
「僕はこう見えて97歳だよ」
驚きのあまり口は動くが声が出なかった
「そんなに驚かなくたっていいのに…でもあの神様は確か300を超えてると思うよ?」
その事実にさらに驚き声が出ない
「あんなジジイほっといて僕と来るニャン!」
私にとってはどっちもおじいちゃん…と思っていたら手を引っ張られていた
ニャミ助が謎の石を取り出すと光だし丸いゲートが床にでてきた
「さぁ行くニャン」
手を取られ謎のゲートに連れて行かれる
廊下から走ってくる足音が聞こえてくる
「あいか!!!」
「もう遅いニャン 僕のお嫁さんだからニャン」
私はそのままゲートの中に入ってしまった
「待て!!!」
手を伸ばしたがギリギリのところでゲートは閉じてしまった
「あいか…」
その頃
あいかはニャミ助の住む世界
猫妖の世界へ来ていた
「さぁこっちニャン」
ニャミ助の力はこの世界に来てさらに強くなり振りほどくことができない
様々な模様の人型の猫妖がこちらを見てくる
「みんなー この子は僕のお嫁さんだよ」
その言葉に他の猫たちは去っていった
「あ、あのー…私神様と…」
「え、僕を置いていくニャ…?」
ニャミ助の目は大きく見開き私の方を一点に見つめてきた
ゾッとした
何も言えず固まっていると
「あ、もうすぐつくニャよ!僕らの新居ニャ! 」
扉が開かれる
白色の光に包まれながらとある建物の中へ連れ込まれる
「さぁここが新しいお家だニャン!」
そこには他にメスの猫が沢山いた
「え…これは…」
混乱しながらニャミ助の方を見る
「僕言ったでしょ?メスがオスを助けたらそのメスに求婚しなければならない 僕は独りが嫌でね」
一歩づつニャミ助が近ずいて来る
「ほら、僕って若く見えるでしょ?」
あまりの恐怖に扉の方へと走り出した
扉まであと数歩のところで左足を何科に引っ張られた
見ると鎖が着いていた
「僕って心配性なんだよね 前にあいかの足に擦り寄ったの覚えてる?」
何とか鎖を外そうともがく
「あの時にオマジナイをかけたんだよね」
今のニャミ助はどこか違う
全てを支配しようとしている目だった
「じゃあ式の準備が出来たらまた迎えに来るニャン」
そういいニャミ助は扉をくぐりどこかへ行ってしまった
「今年の誕生日…めっちゃ大変なんですけど…神様早く来てよ…」
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