コメント
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これにはラベチも号泣です…(?)
えっ……?好き…こういうストーリー大好き…(?)
おお、またまたTwitterで言ってたやつだ...
こんにちは!もちです!
まずはあらすじを読んでいただけると嬉しいです((* ´ ` )(* . .))”ペコリ
それと、これは⚠️BFxPico注意⚠️です!
大丈夫だよって方はそのままレッツゴーです!
いってらっしゃ〜い😆
「なぁ!」
したた、と足音が背後からきこえてくる。
その不揃いな足音から、ソイツの急ぐ様子が伺われた。
「ちょっと、待てよ、止まれって!!」
息を切らしながらソイツは大きな声を出す。
誰に向けて言っているのか俺はよく分かっていたが、立ち止まることはしなかった。したくなかった。明確な理由はないが、用件がなんであれ、とにかくもう立ち会う気はなかった。ソイツが誰だかわかっていたから。間隔の狭いこの足音と、あのどこか子供っぽさが混じる声をきけば、嫌でも誰だかわかる。
「対応しなくていいのか…??」
whittyがポケットに手を入れたまま少し遠慮がちに訊いてきた。
「お前が逃してやれっていったんじゃねぇか」
思ったよりも強い口調になってしまった。
「それはあいつをお前が殺すだとかなんとか言ったからだろ」
俺とは対象的にwhittyは落ち着いた声色でなだめるようにそう言った。
まだ腹の底でうずく苛立ちと、whittyに八つ当たりをしたことを謝りたいという気持ちがぐちゃぐちゃになって、俺は黙っていた。
「まぁお前がそれでいいならいいんだが」
「…」
たったった…
考える時間がほしいのに、だんだんと大きくなる足音が邪魔をする。
「っ…つか、まえ たぞ!!」
その声と同時に、力強く服の後ろを掴まれ、ようやく俺は振り向いた。
まだ服の裾をしっかりと握ったまま、はぁはぁと荒い息をしながらソイツが俺を見上げた。
鮮やかに光る特徴的な髪をしたこのチビは、neoBFは──
さっきこの俺を負かした。
「お前、さっきあんだけ拒否っといて今更なんだ??」
嫌悪感を募らせて言ったが、効果を感じられない。こいつは疲れていてもまだ自信のある目をしていた。俺はこの目が大嫌いだ。
「お前に話があるんだ」
「お前、あの女は??」
「GFなら、先に帰ってもらった」
「巻き込みたくないってワケか??はっ…いちいち癇に障るやつだよお前は」
分かりやすく少しムッとしたこいつにガキ臭さを感じた。俺はガキも嫌いだ。
「whitty、先いっててくれ」
「…」
この目は少し俺を心配するような目。心配といっても、”俺の身”に何が起こるかじゃなく、俺が”相手”に何をしでかすかを心配する目だ。
なんでわかるのか??そんなのわかりきったことだ。whittyと付き合い始めて何年も経っている。恋人なんだから、それくらいわかるんだ。そう、”恋人”だから。
whittyはしばらく俺を見つめ、納得いかなそうにしていたが、それでも狭く暗い路地から、明るいネオン街へと向かっていった。
「いいのか…??」
は??
言葉を出さずに俺は睨みをきかせる。
「だってそいつにとっても…大事な話だと思う」
俺の睨みの意味を察してか、BFは少し怖気づいたような、でもそれを認めまいと強がるような、そんな顔をしながらそう言った。
「どっか行け」
「は…??」
「きくんじゃなかったのかよ!」
「いつ俺がんなこと言ったんだよ」
「あの爆弾のやつも行かせただろ!?」
「あいつがいるとお前に手荒なマネできねぇからな」
脅すように俺は言った。
「何をすんだ??」
だがこいつは全く動じていない。それどころか少し余裕を見せてきているようにもみえた。
「お前さ、俺が言ったこと忘れたか??」
「どれのこと??」
とぼけるように言ってみせてきやがるそいつの胸ぐらを俺は掴んだ。
「お前を殺すって言ったよな??」
それでも余裕そうにするこいつに腹が立って俺は銃を頭につきつけた。
マゼンタの色が顔に濃く色づく。
「冗談だとでも思ってんのか??」
再度脅すように、今度はさっきよりも強く言った。
「こんな面白くないジョークなんてまっぴらだね」
馬鹿にするような目で見てくるこいつに本気で腹が立った俺は、震える指先で引き金に手をかけた。
「撃てんの??」
「俺は本気だぞ」
最後の警告だと言わんばかりに、俺は声色を低くした。
「お前のボスに言われてんだろ??」
なんでいまあいつの話をするんだ。
「お前は俺を撃てない、だろ??」
いつ銃弾がこのちっこい頭をブチ抜くのかも分からないのに、こいつの余裕はどこからくるのか。
ああそうだ。俺はお前を撃てない。撃ってはいけない。殺してはいけない。
銃を握る手に力が入る。
こんなに撃っちまいたいのに、体が言うことを聞かない。
いつから俺はこんなふうになっちまったんだろうな。
ああ、懐かしい。
戻りてぇな。
いや、やっぱ戻りたくねぇ。
どうせ戻れねぇし。
戻ったって何も変わることはないんだからな。
もう、手遅れだ。