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‹何かは鈍器から手を離し降参の意を認めた›
「…」
「キミの名前は?」
「…イチカ」
「イチカ ねぇ、男の子見かけなかった?」
「へ?」
‹イチカは驚いたような顔をした›
「だーかーらー、こんなちっちゃい紫髪の男の子見かけた?」
‹瑞希はイチカに男の子の特徴を話した›
「いえ…知りません」
「あっそ、今日の所は見逃してあげるから」
「え?」
「じゃあね〜」
‹薄桃色髪の少女はそのまま歩いていった›
「…良かった」
‹一歌は安堵した表情を浮かべ周りを警戒しながら目的の場所へ向かった›
「…」
(う〜ん、あの子 ポートマフィア所属か?)
「ま、後で分かるし今はしゅうt
‹突然、電話が鳴り響いた›
…真逆」
‹瑞希は外線を押した›
「はい、暁山です」
[暁山さん、鳳さんが見つけたそうです]
‹その言葉に瑞希は汗を流した›
「…はーい」
[今、どこにいるの?]
「ポートマフィアの陣地です」
[誰かと会いました?]
「…はい」
[今すぐ戻っておいで]
「…りょーかいです」
[それでは]
‹瑞希は焦った›
(しくじった)
‹だが、一つ疑問が浮かんだ›
「…ならこの跡は誰のもの?」
‹まだまだ続いている黒い線を眺めていた›
(…そら、きれいだな〜)
‹杏は今の状況から現実逃避していた›
「…すみません、社長」
「うん、何を謝っているんだい?」
「それは…」
‹目の前には社長と呼ばれる男に謝り倒している瑞希の姿があった›
(瑞希…こればっかりは私も庇いきれないよ)
‹杏は目線をルカの方にずらした›
(…)
‹ルカに抱き締められて眠っているたぐいの姿があった›
(…今は子供の姿だけど、社長はどうするのかな)
‹杏は心配していた›
(事件の犯人だから軍警に引き渡さないといけないけど、残酷だな)
「…お願い!外出禁止だけはどうか!」
‹考え事をしていると瑞希の懇願の声が聞こえた›
「暁山さん 小さな事は目を瞑っていた、だが許可はしていない」
「それはそうだけど…」
‹すかさずルカが追撃を入れる›
「暁山、そのサボり癖は直さないといけないわ」
「それは…ルカぁ」
「暁山さん、また戻りますよ」
‹瑞希はその言葉を聞いて顔を青褪めた›
「そ、それは…それだけはやめて!」
「暁山ちゃん、どうしたの?」
‹横からえむが顔を出す›
「…暁山さん、1回寝ましょう」
‹社長が声を掛ける›
「はい」
‹瑞希は素直に従って救護室の方へ向かった›
(…大丈夫かな、)
‹そんな様子の瑞希を杏は心配した›