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何度来ても緊張が解けないアッシュの部屋の扉の前。包帯と消毒薬を落とさないようにしっかり抱えながら、ノックすると扉が開く。
「お邪魔します」
「……」
“どうぞ”と招くわけではないけれど、無言のまま私が通れるくらいの道をあけてくれる。彼のそういう優しさに心掴まれては、口元が緩みそうになるのを必死に我慢する。
部屋に入ると、窓際のサイドテーブルに準備された2人用のティーカップが目に入り、アッシュの方を振り返る。
「ウィリアムが勝手に用意したものだ」
と少し早口で答えた言葉に“だから、勘違いするな”という意味合いがあったとしても、アッシュと一緒にティータイムを過ごしたいという私の願いが叶うことが嬉しい。
「あ、そうだ。これもウィリアムからです」
薬と包帯を準備していたときに貰ったものを差し出す。
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