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虚
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#カンヒュイラスト
#イラスト
すず
30
いったい、なにがどうなったらこんな最悪なことになるんだろうか
そう思う出来事があって、自分の運の悪さに呆れる
二人があぁやって仲良く笑う時点で気づくべきだったんだ
それなのに目を逸らして、なにも無かったことにしようとして…
「私、ロシアのことが好きなんですよね」
ある時のお茶会でイギリスにそうやって言われた
あの狡猾で皮肉屋の彼からだ
意外だった
まさか、あんな奴を好きになるなんて思ってなかったから
そもそもの話、恋愛なんて興味の無いものと割り切っていると思っていた
だって僕に見向きもしてくれないから、そういうものかと諦めかけていた
「…そっか」
だからこんな言葉しか返せなかった
あいつの好きなところとかイギリスの口から聞きたくなかった
…その話はそれだけで終わった
ただの報告のつもりだったのだろう
それか牽制…だろうか?
自分もロシアと同盟は結んでいるから
こんな可愛いところもあるんだ、なんて今分かりたくなかったものだ
…
…その日はロシアのところに用事があって、ロシアと会うことになった
イギリスにあんなことを言われた手前会うのは少し気まずいが、行くと決めた手前、断るのも不自然に思われそうで、結局会いに行った
そこで僕はこんなことを聞かれるハメになった
「フランスくん、イギリスのこと好きなんでしょ?」
喜々として聞いてくる彼がひどく憎く思えた
やっぱり今日は行くんじゃなかった、なんて思うが、三人で集まる時に話されても堪らない
こいつはそういうことをやる奴なのだ、今聞いておくほうが早い
「…あはは、分かっちゃった?」
茶化すようにそう言って、笑う
背筋には冷や汗が垂れていたけれど、それを気づかれる訳にはいかなかった
「そうだね、すっごいわかりやすかったよ」
腹立たしい笑みを浮かべてロシアはそうやって返してきた
なるべく隠してるつもりだったが、どこからバレたのやら…
残念ながらそれを知る手立ては聞いても無駄だろう
ロシアは言ってしまえば、話術で生きてきた男だ
相手の懐に入るのが上手くて、それでいて本心をあまり語らない
なおかつ、人のペースを乱すのが大の得意なのだ
…イギリスとは別の意味で性格が悪い
「それで?なにするの?」
イギリスに言うのか、はたまた邪魔をするのか…どちらにせよ最悪なことに変わりはないだろう
本当のことが聞ける訳もないだろうが、とりあえずそう聞いてみる
「君に協力してあげるよ、フランスくん」
「…は?」
つい間抜けな声が出た
だってこいつが協力なんてすると思わなかったから
絶対に弄んでくると思ったから
「…なにが目的?」
疑わしい目でロシアを見ても、ロシアは相変わらず笑っていた
「なにも目的なんてないよ、ただ君を助けてあげたいだけ。…信用できない?」
そうやって首を傾げて問いかけられた
目が合って、くもりのないその瞳を見つめることになった
こんな見た目で嘘をついているかもしれないのだから、とんでもないものだ
けれども…
「…いいよ、手伝ってくれるなら助かるし」
こいつはイギリスが惚れた男だ
なにかしら惚れさせる手立てがあるのかもしれない
なら、利用した方が有効打な気がする
…僕だけじゃ無理だと認めたようなものだが、仕方ないと高をくくる
「これからよろしくね、ロシア」
そう言って手を差し出す
それにロシアも手を合わせてきて、握手を交わした
とりあえず僕はロシアと共同戦線を張ることにした
イギリスを僕に惚れさせるため、なんて幼稚な理由の共同戦線だ
それでも、僕にとっては大事なことの他はない
ずっと想い続けるのも精神をすり減らして、厳しいのだから、解決できるなら解決したい
…そもそも彼を想ったことが間違いな気がしたが、それには目をつぶることにした
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