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無事街に到着した。
そして結局、クライブは私の用心棒として雇うことにした。
クライブ自身、一度行倒れたことで少なからずこの先の旅路に不安があったようだ。給金も要らないと言われたが、流石に雇用関係としての体裁が保てなくなってしまうので微量ながら払わせてもらうこととする。
勿論、これはあくまで給金があれば私と彼は雇用という名前ある関係になり、私がいつ切れるかもわからない曖昧な関係に神経を摩耗せずに済むという自己満足に過ぎない。
……格好悪い。クライブには言わないでおこう。
いやしかし、まさか私の旅に同行者とは……人生わからないものだ。
そういえば以前、途中まで行先が同じだからと少しだけ一緒に旅をした旅人がいたな。彼は今頃どうしているのだろう。目的地には無事辿り着けただろうか。
取り急ぎ、クライブの旅の荷物を買い揃える必要がある。この街で良い物が見つけられるといいのだが……そしてそれが安いとなお良いのだが。
そうだ。早速明日、彼に目利きの仕方を教えてみることとしよう。こういうことは教えるのが早ければ早い程良いのだと父もよく言っていた。だからといって、四歳の息子に教えるのは些か早すぎたのではと思うが。
……今日は随分懐かしい事を思い出すものだ。今晩は故郷の夢を見るかもしれない。
それでは、おやすみなさい。